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「ソリューションプロバイダー」に込めた思い
「ソリューションプロバイダー」。
この言葉は、今年8月にJTEKT Group 2030 Visionを発表した際に掲げた、2030年にジェイテクトグループが目指す姿です。あまり聞き慣れない方もいるかもしれませんが、IT企業などではシステムの開発や運用などを請け負う「システムインテグレーター」とほぼ同義語として使われるケースが多く見受けられます。
そうした中、ジェイテクトグループが目指す「ソリューションプロバイダー」とはどのような姿なのか。今回は、私たちジェイテクトグループが定義する「ソリューションプロバイダー」についてお話しいたします。
本気になってパラダイムチェンジを
皆様にとって、ジェイテクトのイメージはどのようなものでしょうか。
定期的に実施するイメージ調査では、毎回「トヨタグループの会社」や「自動車部品メーカー」という回答が多くあります。確かにこれまでのジェイテクトは、自動車メーカーをはじめ、お客様からの要求に応える製品を開発・供給する受動型のビジネスが大半を占めていました。
しかし、受動型ビジネスだけを愚直に行っていては、私たちにアカルイミライは約束されません。私たちを取り巻く外部環境や産業構造が急激に変化する中でも、持続的発展を遂げ、社会的意義を果たし続けるには、本気になってパラダイムチェンジを果たす必要があり、今がまさしくその時であると認識しています。
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ソリューション共創センター新設へ
ジェイテクトグループは、クルマの枠にとどまらない新たなモビリティ、そして社会システムへ広がりつつあるスマートモビリティ社会の実現に向けて、お客さまや社会の困りごとにソリューションを提供し続ける企業グループを目指します。
ソリューションという言葉は安易に使われることがあるので、私たちは課題の本質をしっかりと認識して解決策を提案しなければなりません。そこで欠かせないのが、お客様の真のニーズを引き出すコミュニケーション能力と最適なソリューションを創出し続ける仕組みです。
ジェイテクトは、グループが持つすべてのコンピタンスを「テクノロジープラットフォーム(テクプラ)」に集約し、テクプラの機能をグループ社員の誰もが使えるようにする「ソリューション共創センター(ソリセン)」を2025年1月に新設します。テクプラ・ソリセンにより今までにない斬新なソリューションを提供すること、そしてお客様を笑顔にすることを想像すると、今からワクワクが止まりません。
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他社製品の相談にも全力で応える「なんでも相談室」
ジェイテクトは2021年に、工作機械ユーザー向けに「なんでも相談室」を立ち上げ、この3年間で500件以上もの相談をお寄せいただきました。実のところ、その半分以上は他社製品に関する相談なのですが、それらに対してもジェイテクトが工作機械事業で培ってきたコンピタンスを生かし、最善なソリューションを提案してきました。なんでも相談室は、ジェイテクトグループが目指す「ソリューションプロバイダー」への先駆的な取り組みだと思います。
11月5日~10日に開催された日本国際工作機械見本市「JIMTOF2024」に、ジェイテクトはグループ会社と共に出展しました。弊社ブースへのご来訪者数は、2年前の前回展と比べて1.5倍以上にもなり、大盛況のうちに幕を閉じました。
活況だったJIMTOFのブースでも「なんでも相談室」を構え、予想を上回る引合数をいただき、ジェイテクトグループが提案するソリューションへの期待値を肌で感じることができました。
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これからはテクプラ・ソリセンを活用し、工作機械のみならず事業の壁を越えたコンピタンスの組み合わせで、さまざまな領域の課題を解決するソリューション創出を目指していきます。
社員一人一人の些細な困りごとも「by All」で解決
ジェイテクトが解決する困りごとは、決してスケールの大きいものだけではありません。社内システムの使い方など、社内の小さな困りごとにも真剣に向き合います。現在、ジェイテクトは全員参加の「デジタル祭り」を推進していますが、その目的は「デジタルを使って、誰かのために仕事を楽にしよう」というものです。
一人一人ができることには限界があります。ジェイテクトグループの一人一人が「ソリューションプロバイダー」であるという意識を持ち、「You視点」で相手を思いやり、「by All」で社員一人一人へのソリューションをも共創する。そんな「Yes for All, by All!」(みんなのために、みんなでやろう)のマインドが全社に根付いた、人が中心となり全員活躍できる企業グループにしていきたいと考えています。
「ソリューションプロバイダー」に込めた思い
身近で働く一人一人から地球規模に至るまで、あらゆる困りごとにソリューションを提供し笑顔をもたらす集団。まさしくこれこそが、ジェイテクトグループが定義する「ソリューションプロバイダー」の姿です。
2030年にはジェイテクトと言えば、「トヨタグループの会社」「自動車部品メーカー」から、「ソリューションプロバイダー」へと、多くの方からイメージされるようになっていたいと思います。ジェイテクトグループは、名実共に「モビリティ社会のアカルイミライをつくるソリューションプロバイダー」になるよう頑張りますので、ぜひご期待ください。
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次回予告
ジェイテクトは、2006年に二つの会社が合併して生まれた会社です。私は第二期中計やJTEKT Group 2030 Visionを説明する際に、幾度となくジェイテクトの社名の由来をお話ししてきました。せっかくですので、次回のnoteでジェイテクトという社名に対する私の思いも含めてご紹介したいと思います。