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中身に自信がなくても読まれるようにするには
常に自己評価満点のクリエイティブでお送りしていくのって不可能ですよね。
少なくとも僕は無理です。
それでも、仕事である以上、校了はやってきます。ギリギリまで磨いているつもりでも、「これでよし!」と世に送り出せることの方が少ないです。
ましてやnoteなんて常に自信ないです。
こんなんでいいのかな…。炎上したらどうしよう。いや、炎上したなら読まれただけマシか…
そんなことを考えながら「公開する」に手を伸ばします。
で、急に話が変わるんですが、前回の「べらぼう」です。
僕はかねてから横浜流星さんの演技が好きで、森下佳子さんも僕にとっては「義母と娘のブルース」がバイブル的なドラマというくらい影響力大な方で…。とりあえず2話までは楽しく見ております。
それでこの2話は、主人公・蔦重の住む吉原にどうやって客足を取り戻すかということで、蔦重が目をつけたのが当時のガイドブック的なものでした。
ただ、かつては一世を風靡したその本も、一社が独占して質は落ちる一方。読む人も少なくなっているという状況だったのです。
そこで蔦重が目をつけたのが、当時コピーライターとしても名を馳せていた平賀源内(エレキテルの人です)。彼をめぐって話が進むという展開でした。
(安田顕さん演じる源内がなかなかの泣かせ役でした。「なんだかんだいい話」を書かせたら森下さんは最強です)
蔦重が源内に依頼しようとしたのは、ガイドブックの「はじめに」にあたるもの。要は、中身での勝負は諦めて、コピーライティングで勝負をしようってわけです。
コンテンツづくりに人生を賭けている人にとっては、なんとも邪道な戦い方なのですが、現代でいえばどうにも売れなさそうな作品の帯に、人気芸能人の顔を載せて、強引にも売ろうというのに近いです。
でも、客を集めるためにはまずは認知。そのためにはガイドブックをなんとしても手に取ってもらう。その目的には非常にかなった作戦です。
コンテンツの良し悪しをどんなに語っても、結局は読まれなければどうにもならないのです。そして、コンテンツを読むか読まないかの判断がされるのは、一にタイトル、二に冒頭でしょう。(源内インスパイア)
実際、Webサイトの離脱率も、25%に到達せずに離脱するケースが一番多いのもわかります。
noteでいろんな方の記事を見ていても、タイトルは頑張って興味を引くものになっているのに、読み始めるまでもなく、すぐに「あ、違った」ってなるケースは多々あります。
どんなにすばらしいことを記事で述べていたとしても、これではもったいないことです。
逆にいえば、多少中身に自信がなくても、ちゃんとした「つかみ」を用意していれば、読者はなんとかついてきてくれるかもしれないというわけです。
さらにいえば、「つかみ」が原稿の良し悪しの判断に影響を与えるのだとすれば、クライアントに提出する原稿もつかみが大切ということになります。
どんなに中身のクオリティが高くても、クライアントが良くない第一印象を持ってしまえば、評価は下がってしまうでしょう。
実際、一行目から誤字脱字があるような原稿をいただくと、編集者としてはもう内容なんかより誤字脱字が気になって集中できなくなってしまいます。
そして、「きっとこれは良くない原稿のはずだ」という先入観でめっちゃ赤字を入れていきます。
読者が相手である時に限らず、やっぱり書き出しやつかみというのは大切なものです。
今ではそんなこと当たり前なんですけど、蔦重はそんな編集者の真髄をどこで身につけたのでしょうか。羨ましい限りです。
BtoB編集者として学んだことを発信しています!