JSP勉強会シリーズ①

こんにちは。広報班の日比野佳奈です。JSPでは、渡航前に4回勉強会を開催しています。研究チームを中心となり、自分たちでどんなストーリーでどんな内容にしていくか考え、グループ分けをしていきます。
今回はその勉強会の内容を4回のシリーズにわたって発信します。

第1回勉強会のテーマは、「旅へのいざない~ヨルダンの基礎知識~」です。

まずは、ヨルダン建国の歴史を紐解きました。ヨルダンはイギリスの領土から1946年5月25日にヨルダン・ハシミテ王国として誕生しました。ロイヤルファミリーであるフセイン家は欧米との交渉もとても上手で、中東における仲介者としての役割を果たし、積極的かつ友好的な外交戦略を行ってきました。そのようなヨルダンですが、1948年の第一次中東戦争を契機に、大量のパレスチナ難民がヨルダンに流入しました。国連総会は、1949年12月、UNRWA(パレスチナ難民救済事業機関)を設立する決議をし、1950年から、UNRWAが始動しました。

パレスチナ難民について学んだ後は、シリア難民についてです。

2011年3月、シリア政府に対する民衆の抗議デモが発生し、それに政府が武力で応えたことをきっかけに内戦が始まりました。シリア難民はトルコをはじめ、レバノン、ヨルダン等といった周辺の国々が受け入れており、その数は増加の一途をたどっています。

ディスカッションでは、中東地域の世界の立ち位置や重要性について話し合いました。日本ではネガティブなニュースが多いですが、中東の橋渡しという重要な役割がヨルダンにはあるのではといった意見がありました。また、アイデンティティーが狭くなると紛争になりやすいというアドバイザーからの意見もあり、アイデンティティーの枠組みを広げることによって寛容を生み出し、共通項を見いだせればよいという意見もとても印象的でした。

後半は、難民の定義や、国連組織のヨルダンにおける役割について勉強しました。

難民条約は、難民の法的地位についての一時的な諸原則を定めた包括的な国際的枠組みとして存在していますが、多くの中東諸国は、パレスチナ人の帰還権や民族自決権を主張し、難民条約に批准していないのが現状です。国連の枠組みの中で、中東地域や国連機関、NGO団体等と連携して、難民問題に取り組む仕組み作りが行われているということも学びました。

このように、第1回勉強会では、ヨルダンや中東地域の背景について学び、基礎知識を共有しました。第2回勉強会以降では、難民政策の短期的から長期的に必要な支援について様々なカテゴリーからより具体的に学んでいきましたので、また次回の発信も楽しみにしていてください!



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