JSP勉強会シリーズ②

広報班のチャンミオです。以前の投稿にもあったように、渡航前の勉強会は参加者自らがローテーションでグループを作って企画し、各回、担当のチームが調査した内容をスライドで発表・その後全体ディスカッションという風に進んでいます。
今回も前回に引き続き勉強会の様子をレポートしていきます!

第2回勉強会のテーマは「難民としてきたヨルダンはこんな国だった」

第2回勉強会では「難民としてきたヨルダンはこんな国だった」というコンセプトで短期的(3か月~6か月)なフェーズにおける難民キャンプの現状や課題を学び、「もし自分が難民の家族だったら」という設定でのロールプレイングなどのグループワークを交えた勉強会になりました。具体的には、難民支援の短期的なフェーズにおける保護・シェルター /WASH(Water Sanitation, Hygiene:水と衛生) /食糧 /保健 /教育 の分野で政府・国際機関やNGOの支援やその課題について学び、渡航先での学びを深められるよう企画されていました。

まず発表の最初では、難民としてヨルダンに辿り着いた支援を必要とする人々は様々なニーズを持っている一方、国際機関が別個に活動していては全体のニーズに対応するのは難しいという背景から、〈クラスター制度〉が導入されたことが説明されました。クラスター制度とは人々にニーズを11分野(クラスター)に分類し責任を持つ機関を定めるという制度です。

そうした枠組みの中で人道支援において「最低限』守るべき基準として、保護・シェルター /WASH(Water Sanitation, Hygiene:水と衛生) /食糧 /保健 の各分野で定められた基準が紹介されました。(例.WASHの場合なら「住居から500m以内に給水所がある』等)

初めに保護・シェルターのセクションでは、難民の法的保護(=難民登録)が食糧や教育の支援をするための前提になっていることが説明されました。そして難民登録はUNHCRが主体となって実施してること、具体的な難民登録のステップなどについても学びました。

食糧支援のセクションでは政府や援助機関にもらえるお金の額は、生存に必要な食糧を買うことができないほど少ないのが現状であること、しかし政府や援助機関も資金や援助対象者の数等の制約からさらに給付を増やすことは難しいという課題をロールプレイを通じて知ることができました。


加えて、それほど少ない資金の中から教育費や怪我や病気があれば医療費を工面する必要があるなど、難民としてヨルダンで暮らす方々の現状の厳しさを学びました。
しかし最後には食糧支援において最新のテクノロジー(プロックチェーン・ドローン・虹彩認証技術など)が活用されている事例も紹介されていました。

次に保健医療のセクターでは無料保健医療サービスがあるものの認知度が低いこと、難民キャンプではなく都市に住む都市難民には外国人料金の80%が請求されるなど保健医療の分野での課題が明らかになりました。

最後に教育の分野では難民の子どもたちが暴力やいじめによって中退してしまうという問題やキャパシティ不足の問題から教育の質が低水準になってしまっていることが指摘され、政府・国連・NGOはどのような教育支援を行っているかについて学びました。

勉強会の最後にはその日得られた知識を基に全体ディスカッションを行い、発表の中で紹介された支援や技術などについて活発に議論が交わされました。

第2回勉強会を通じて、参加者それぞれが現地に行って確かめたいことや現地の課題に対する自分なりの考えを得ることができたのではないでしょうか。
9月の渡航がますます楽しみになった勉強会でした!次回は第3回勉強会についての記事です!お楽しみに。

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