フラワーチャイルド

地中海周りの国々に住んで7年目です。 主に、パレスチナ近辺で起こっていることや、海外で…

フラワーチャイルド

地中海周りの国々に住んで7年目です。 主に、パレスチナ近辺で起こっていることや、海外での暮らしについて載せていきます。

最近の記事

ガザに爆撃が落とされたあとに ーアメリカ人医師が伝える”底知れない”恐怖(日本語訳)

アメリカ大統領選挙が迫るなか、民主党全国大会で初めて、パレスチナ人の人権に関するパネルが行われたそうだ。 右翼も左翼も、一羽の鷲(イーグル)にすぎない。つまり共和党でも、民主党でもイスラエル支持に変わりない。両党首はどちらがよりイスラエルを愛しているかで競っている。 パネル開催には、ガザ攻撃への草の根レベルの強い反対があったからだと、アメリカの独立系メディア「デモクラシー・ナウ!」はいう。 パネルでは、ガザ地区の病院に医療従事したアメリカ人医師たちが、そのあまりにも過酷

    • ガザ、髪を切る女性~一人1日5.7リットルの水で

      ガザ中部に住んでいる友だち。 市から週に一度だけ供給されるはずの生活用水が届かないという。赤痢アメーバにかかった息子の看病が続き、供給の数日前にタンクの水が底をつきそうになった。供給日、来るはずのトラックは来ず、近所に水を探し求めた。 一週間のおおよその水の供給量を聞くと、一人当たり一日約5.7リットルの水で生活用水をやり繰りしている計算になる。 5.7リットルがどれだけ少ないかというと、 トイレの水を一回流すとなくなってしまう量。 以前、シャワーは一か月に一度浴びれる

      • ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』を思い出す

        27年前、若かりし頃のKinKi Kids主演で『ぼくらの勇気 未満都市』というドラマが日本テレビ系で放送されていた。「愛されるよりも 愛したい」というキンキの名曲で始まる。衝撃的なドラマだったから覚えている方もいると思う。 (※冒頭写真:https://shop.ntv.co.jp/item/1003aAAZ0085) ドラマのあらすじ: 幼いながらに忘れられないシーンがある。幕原地区に乗り込んだヤマト(堂本光一)とタケル(堂本剛)たちの前に巨大な防護フェンスがそびえ立

        • カナダ、ユダヤ人団体へのインタビュー「私たちの世代にとってイスラエルは大きな存在だった。でも、そんな時代ももう終わり」(2017年)

          はじめに カナダ、バンクーバーにあるジェリコ・ビーチから南に下る、ブロードウェイ通の一角のカフェにて待ち合わせをしたのは、今回のインタビュー相手、インデペンデント・ジューイッシュ・ボイス・カナダ(Independent Jewish Voices〔独立したユダヤ人の声〕, Canada:以下IJV)、バンクーバー支部のメンバー、シド・シュニアドさんとマーサ・ロスさん。 アメリカ以上に親イスラエルともいわれるカナダのユダヤ人コミュニティ。それでも、近年シオニスト団体とは距

        ガザに爆撃が落とされたあとに ーアメリカ人医師が伝える”底知れない”恐怖(日本語訳)

        マガジン

        • Must Read
          1本

        記事

          イスラエルに反対するユダヤ教徒に直接会って話を聞いた。ネトゥレイ・カルタ2016年インタビュー(後半)

          はじめに 前半に引き続き、イスラエルに反対するユダヤ教徒、ネトゥレイ・カルタへのインタビューを記事にまとめています。後半は、ラビ・ウェイスの残りのお話です。 イスラエルでは、昨年10月以降、兵力増強のため、国内外の予備役兵に徴兵の呼びかけがなされています。これまで兵役を免除されてきた正統派ユダヤ教徒たちにも徴兵の現実が迫っています。 そもそも、国民皆兵のイスラエルで、なぜ正統派ユダヤ教徒たちは徴兵を免除されてきたのか。 イスラエル建国にあたり、分裂した正統派ユダヤ教の過

          イスラエルに反対するユダヤ教徒に直接会って話を聞いた。ネトゥレイ・カルタ2016年インタビュー(後半)

          ガザ:主食の小麦を食べれない人もいること

          「手足を失って不自由になるくらいなら、命を奪ってほしい」 10月7日以降、ガザの友人Tさんとたまにやり取りをしている。 極限状況に、もう私が何を言っても、安くしか響かない。 パレスチナで、小麦粉は主食。 もちろん美味しいお米料理はたくさんあるけれど、 文化的にも宗教的にも、小麦は特別。 人々は古くなってカビの生えたパンさえ、野良猫や鳥が食べるといいゴミ箱には絶対に捨てない。   ガザで、粘土窯を使ってパンを焼く人、空腹をしのぐためにオイルとタイムの質素なパンを食べる子

          ガザ:主食の小麦を食べれない人もいること

          パレスチナの農業ー農家Sさんの半生

          “If, one day, the people will to live, then fate must respond.” “いつか、人々が生きたいと願ったなら、運命は必ず応えてくれる。” (イッザ シャーブヨーマンアラーデアラハヤー ファラーブッダ アンイェスタジー バルカダル) 数年前、元同僚の60代のSさんに教えてもらった詩の一節。 フランス占領下チュニジアの詩人、アブー・アル=カースィム・アッ=シャービ (1909―1934) の有名な詩「生への意志」の冒

          パレスチナの農業ー農家Sさんの半生

          イスラエルに反対するユダヤ教徒に直接会って話を聞いた。ネトゥレイ・カルタ2016年インタビュー(前半)

          ※長文に及ぶため、前半と後半に分けました。 タイムズスクエアからNYの田舎へ 2016年に遡る。当時、大学院に在籍していた私は、調査でアメリカ、ニューヨークに来ていた。お世話になっているゼミの先輩の提案で、「ネトゥレイ・カルタ」という正統派ユダヤ教徒のグループに話を聞きに行くことになった。 年末カウントダウンなどで有名なタイムズ・スクエアがあるのは、マンハッタン。そこから、4時間列車に揺られてニューヨーク郊外へ向かった。 大きな荷物を抱えて帰省する人々の中に埋もれ、終

          イスラエルに反対するユダヤ教徒に直接会って話を聞いた。ネトゥレイ・カルタ2016年インタビュー(前半)

          イスラエルの刑務所内で何が起こっているのか?拘束された74歳元アラビア語教師、オマル・アッサーフ氏の証言

          冒頭写真: eye.on.palestine Instagram アカウント  リンク:https://www.instagram.com/p/C6EHSrGqID6/ はじめに 増え続ける不当な逮捕・拘束 パレスチナで、10月7日以降だけで9千300人以上のパレスチナ人が逮捕、あるいは行政拘束され、閉じられた刑務所、また強制収容所内において残忍な扱いを受けている。日常的な拷問や、怪我の治療を放置さ れ、手足を切断した者、そして命を失った者もいる。 数々の証言(テステ

          イスラエルの刑務所内で何が起こっているのか?拘束された74歳元アラビア語教師、オマル・アッサーフ氏の証言

          今ガザで、結婚が増えつつある理由

          結婚の知らせ 「今日はラファからデイル・アルバラに避難してきた姪のヘナの集まり(※)がある」 ガザに住む友人が、連絡をくれた。 (※結婚式の前に、花嫁になる人、親しい女友達や家族が集まり、手や足に複雑なヘナのデザインを施す。) 彼女は避難先に、花嫁道具として用意したものを箱やカバンにいれて持ち込んだ。ラファに新居を建てていたが、ラファの地上侵攻が開始され、婚約者はハンユニスに避難したため、結婚して、避難先で一緒に住むテントを準備することを二人は決断した。 なぜ、今結婚

          今ガザで、結婚が増えつつある理由