私の設計裏話4 「基本」は永遠の武器であり課題
住宅プロジェクトを一通り納めて
基本を大事に、計画の基礎を疎かにしない
独立後六年近くの年月が経とうとしてます(2023.8)。2つの住宅プロジェクトが完成することで①新築注文住宅、②戸建て改修、③マンションリノベーション、④狭小地住宅といった目ぼしい住宅案件の実績が揃いました。
どれもコンセプトは各依頼者様のため、そしてそこに生まれる場所のために独自のものを提案しました。提案してきた考えの空間実現を経て、「考えが整理されたコンセプトは僕の目指す空間作りには欠かせない」と改めて確信しました。
コンセプトも色々な尺度があると思います。仕上げだけで考えがまとまることもあれば、空間全体の関係でまとまるものもあります。振り返ると、僕の提案してきたこれまでの新築案件に限って言えば、「立地環境に対する課題定義」が中心となっていると感じます。マンション住戸区画リノベーションや、戸建て改修については「空間構成に対する再定義」が主題となっていると思えます。これらの解法で計画してきたということは、僕への依頼者様たちが全て「根本的な生活空間の見直し」に目的があることを意味してます。
これらの解法は実は大学一年生から二年生頃に先生方から教わる基本的な考え方となります。もう齢40が見えてきている歳となりますが、ここにして20年前に学んだことがようやく実践されてきていると実感します。もちろん独立以前から行っていたものの、どこか自分に甘さがあったのではないかと省みているのです。
基礎トレーニングはいつも心がける
基礎のトレーニングは毎日の努力が大事です。ひたすら毎日図面や技術資料とにらめっこし、毎日実務に励むことを続けています。その努力に結果が出るかどうかなどわかりませんし、時折なんでこんなことしているのだろうかと疑うこともあります。しかし、やり続けることでふとした時に全然関係のない知識や技術が、悩みを解決してくれたりするので、基礎的な鍛錬は辞めることができないのだと感じます。
住宅案件が終わり、仕事がないのかと言えば、住宅でない建築の仕事もしているので設計の手が休まることはありません。しかしこうしたときこそ、抱えていないプロジェクトの情報収集や設計トレーニングを合間合間で継続し、次の依頼者にとってより良い提案ができる自分へと磨きをかけるため動くのが大事です。
基本に忠実であることは大事であり、基礎的技術習得と維持は永遠の課題である