消防ヘリで補助犬ユーザーと補助犬救助?!~聴導犬編~
はじめに
過去2回にわたって、補助犬ユーザーと補助犬の消防ヘリ救助に関する記事をアップしてきました。
この度、YouTubeにて公開している聴導犬ユーザーと聴導犬の救助訓練の動画の再生数が2.4万回を達成しました!
改めて「聴導犬編」として、聴覚障害者と聴導犬のヘリコプター吊り上げ救助の方法をご紹介していきたいと思います。
訓練のポイント
☆聴覚障害者とのコミュニケーション
聴覚障害者と円滑にコミュニケーションを取るために、航空隊でプラカードを用意してもらいました。プラカードを救助対象者に見せながら、救助手順等を説明します。
プラカードにはホワイトボードや指差しできる50音表などが添えられています。
☆聴導犬の救助方法
聴導犬は「聴覚障害者に必要な音を知らせ、音源へ誘導する」という仕事の特性上、体の大きさは関係ありません。そのため、小型(5キロ程度)~大型(25キロ程度)まで、様々な犬種が活躍しています。
訓練に協力した聴導犬は5キロ程度の小型犬(トイプードル)だったため、サイズの合う吊り上げ用ハーネスがありませんでした。
そのため、今回は
クレートに収容
吊り上げできるバッグにクレートを収納
隊員が抱えて吊り上げ
を実施することになりました。
訓練の流れ
救助の手順は以下のような流れになります。
①聴導犬ユーザー(聴覚障害者)とのコミュニケーション
最初のあいさつのみ、「手話」と「口話」を利用し、その後の救助方法の説明などは、「プラカード」を活用しました。
聴覚障害者には、プラカードについているホワイトボードに書いてもらったり、指差し50音表を利用してもらいます。
②ユーザーに救助器具を取り付ける
器具の取り付けについては、プラカードの写真を見てもらったり、身振り手振りを使ったりしながら説明します。
③聴導犬の救助準備(クレート収容)
聴導犬はユーザーがクレートに収容します。
その後、隊員の手によって吊り上げ用のバッグに収納されました。
普段からクレートトレーニングができている聴導犬は、クレートの中で暴れたりすることはなく、落ち着いて待機をすることができていました。
④まずはユーザーの救助
吊り上がる際の一連の流れは、プラカードで説明をします。上がっている最中は、着用しているハーネスの取っ手を掴むことなどは、実際にユーザーの手を取って説明します。
⑤続いて聴導犬…!
聴導犬はクレート+バッグに収容されたまま、隊員が抱えることで吊り上がります。(バッグもホイスト装置につながれています)
吊り上がる直前には、隊員が聴導犬に「上がるよー」という優しい声かけをする場面もありました。
訓練動画のご紹介
訓練の様子はYouTube動画でもご覧いただくことができます。
まとめ
訓練参加前、隊員さんとどうやってコミュニケーションを取ったらいいか、不安を感じていたという聴導犬ユーザーさん。
ところが、、、訓練が始まると、あいさつは手話であったり、ポケットから写真付きのプラカードが出てきたり…と、きちんと自分とコミュニケーションを取れるように考えてきてくださった隊員さん達の姿勢に感動していました。
改めて、万全な準備を整えてくださった、浜松市消防航空隊の皆さんと、ご協力いただいた聴導犬ユーザーさんと聴導犬、日本聴導犬推進協会のトレーナーさんに心より感謝申し上げます。
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