見出し画像

新刊情報|進化する土木技術~ロボットで変わる建設現場~

2025年1月に刊行した土木学会の書籍を紹介します。技術者のための業務目的の内容のものが多い土木学会の刊行物ですが、土木の世界で土木技術者が使っている技術や知識の一端を感じていただけましたら。


進化する土木技術~ロボットで変わる建設現場~

災害現場から月面基地建設まで! 広がる建設ロボットの可能性
ファクトリーオートメーションと呼ばれる自動化技術が一般化している製造業に比べ、建設現場におけるロボットの導入は大きく遅れています。工場生産では環境や作業条件が一定で自動化技術を導入し易いのに対し、土木の現場は環境や施工条件が時々刻々変化し、不確定要因が多いからです。
しかし、この状況は大きく変わりました。進化が著しいAIの活用等で多様な現場条件に適切に対応することが可能になったからです。今では、ダムなどの建設現場で無人の重機群が自律的に作業を行うまでになっています。本書では建設ロボットに関し、開発の歴史、導入の社会的な背景、実際に現場で用いられているロボット技術とともにその将来展望を紹介します。

書籍データ

  • 定価 2,400円+税

  • 編集 建設用ロボット委員会

  • 発行年月 2025/1

  • A4判180ページ

  • ISBN 978-4-8106-1123-6

目次


第1章 土木分野で用いられる日本の建設ロボット
 
1.1 開発の歴史と社会背景
 1.2 建設ロボットの定義と機能6
 1.3 関連技術を取り入れながら進化する建設ロボット
 1.4 建設ロボット導入の必要性
 1.5 建設ロボット開発の特徴
 1.6 本書の内容
第2章 建設現場へのロボット導入に関わる政府の取り組み
 
2.1 ロボット新戦略
  2.1.1 社会インフラにおけるロボット重点領域
  2.1.2 ロボット推進3分野の背景および目標設定
 2.2 次世代社会インフラ用ロボットの開発導入推進プロジェクト
  2.2.1 現場検証・評価の結果
  2.2.2 試行的導入を通じたロボットの社会実装方法の提案
  2.2.3 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)との連携
 2.3 公共土木工事での先駆的導入
  2.3.1 建設業の労働生産性
  2.3.2 ICT施工の黎明期
  2.3.3 i-Constructionの始動
 2.4 おわりに
第3章 土木施工用建設ロボットにおける研究開発の現状と課題
 
3.1 土木施工における建設ロボットの研究開発状況
 3.2 各レベルにおける技術的要求
 3.3 各レベルの研究開発を促進するための課題と解決策案
第4章 自律型建設ロボットの実装と宇宙開発での利用
 
4.1 A4CSELの開発コンセプト
 4.2 A4CSELの技術概要
  4.2.1 自動振動ローラによる転圧作業
  4.2.2 自動ブルドーザによるまき出し作業
  4.2.3 自動ダンプトラックによる運搬・荷下し作業
  4.2.4 自動化施工マネジメントシステム
 4.3 現場適用状況
  4.3.1 ロックフィルダムのコア部盛り立てへの適用
  4.3.2 CSGダム本体工事への適用
  4.3.3 災害復旧工事での適用
 4.4 「現場の工場化」に向けて
 4.5 A4CSELの月面有人探査拠点建設への応用検討
  4.5.1 研究開発の全体像
  4.5.2 主な研究開発の内容
  4.5.3 自動化建設機械による拠点建設実験
  4.5.4 実工事を利用した遠隔施工システムの実証
  4.5.5 地上の施工システムへの展開として
 4.6 本章のまとめ
第5章 災害対応における無人化施工
 5.1 無人化施工とは
  5.1.1 概要
  5.1.2 無人化施工の操作方法の違い
  5.1.3 雲仙方式による無人化施工
  5.1.4 遠隔操作式建設機械の構成
 5.2 無人化施工の技術の発展
 5.3 災害対応のための準備
 5.4 無人化施工の災害対応事例
 5.5 無人化施工技術における新しい取り組み
  5.5.1 無人化施工から派生した自動化システム
  5.5.2 無人化施工VR技術システム
 5.6 無人化施工のこれからの展開
第6章 維持管理における建設ロボットの開発と活用
 
6.1 開発の歴史と社会背景
 6.2 橋梁点検におけるロボット技術
 6.3 トンネル点検におけるロボット技術
 6.4 研掃作業におけるロボット技術
 6.5 下水道におけるロボット技術
 6.6 橋脚水中部の調査におけるロボット技術
 6.7 本章のまとめ
第7章 我が国の水中建設ロボット技術
 
7.1 ロボット技術を港湾建設に導入する際の技術的な課題
  7.1.1 波と流れの存在
  7.1.2 自己位置の計測と通信環境の課題
  7.1.3 視界の確保の課題
  7.1.4 動力源の確保の課題
 7.2 水中建設機械の発展
  7.2.1 水中バックホウ
  7.2.2 水中バックホウの導入事例
  7.2.3 遠隔操縦式水陸両用ブルドーザ
  7.2.4 水中捨石均し機
 7.3 港湾施設の維持管理における点検作業のロボット化
  7.3.1 港湾分野における施設の点検と診断に関するガイドライン
  7.3.2 桟橋上部工の点検診断作業へのロボットの活用事例
 7.4 周辺状況の変化
  7.4.1 サイバーポート
  7.4.2 メタロボティクス構造物
 7.5 展望とまとめ
第8章 建設ロボットのさらなる進化
 
8.1 建設ロボットのさらなる発展の可能性と期待
 8.2 建設ロボットのこれから
  8.2.1 建設ロボットの技術的課題と解決策
  8.2.2 建設ロボットに関するプロジェクトの紹介
  8.2.3 自動施工における安全ルールVer.1.0
  8.2.4 協調領域と競争領域
  8.2.5 本節のまとめ


作成は

建設用ロボット委員会

建設用ロボット委員会は土木学会の目的に従い、建設分野における情報化・自動化・ロボット化を推進し、建設システムの高度化を図り、もって新たな社会基盤整備に寄与することを目的とし、このために、国内外の関連学協会との連携を図り、国際的な視野にたった幅広い活動を行っています。

お求めは

お近くの書店で注文いただくか、土木学会の刊行物販売ページからご注文ください。


いいなと思ったら応援しよう!

公益社団法人土木学会【公式note】
国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/