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アジサイはなぜ「紫陽花」なのか?意外な中国との歴史背景

アジサイを表記する漢字がなぜ”紫陽花”であるのかを改めて考えてみると、紫のアジサイ好きの私にとっては、とても美しい漢字であると感じると共に、なぜ”赤”や”青”が主流であるアジサイの花に”紫”という漢字を付けたのか不思議でした。

アジサイは、元々、藍色の小さな花(正確にはガクですが)が集まっていることから、
集(あづ)・真(さ)・藍(あい)→ あづさあい → あじさい
という呼び名になりました。

日本では酸性雨が多く、青のガクアジサイから名前を付けたという由来であれば、なんだか納得ですね。であれば”集真藍”をアジサイの漢字としてもよいのでは?と思いますが、”紫陽花”となったのには少し興味深いお話がありました。

時は、8世紀半ば、中唐(中国)の白楽天が、ある花を見て”陽光に映える紫色の花”である事から”紫陽花”と詠みました。
そして、10世紀平安時代の学者であった源順(みなもとのしたごう)は、”陽光に映える紫色の花”という記述から日本古来のガクアジサイをイメージ(思い込み)し、アジサイの当て字として”紫陽花”としました。

これが、アジサイが”紫陽花”となった由来です。

しかし、面白いのが、実は8世紀の中国語はまだ紫陽花の花は無かったので、おそらくライラック(春に咲く紫の花)を見て、白楽天は”紫陽花”と詠んだと言われています。ですので、源順はライラックの花に名付けた”紫陽花”という名前を、アジサイだと勘違いしたという事です。

外国との往来により、今は外国種であるアナベル(白いアジサイ)やピンクや紫のアジサイが増えてきたことにより、紫陽花という漢字に違和感を覚える事はなくなりましたが、ちょっとした勘違いから付いた当て字だったのです。

生活様式、文化、外交が大きく発展した平安時代ならではの、ほっこりエピソードですね。

では、今のアジサイであればどんな当て字をしますか?

とても、単純な私であれば、やはり一般的な「藍」色の花が「梅雨(露)」の時期に咲くので、「藍露花」なんてどうですか?
すぐにアジサイがイメージ出来る漢字じゃない?
中国を含む壮大なストーリーを知った後だと、なんだか遊び心が欠けている気もしますが(笑)

漢字を見て花をイメージできたり、花を見て漢字をイメージできるのも良いですか、漢字と花に少し差異があった事で知ることが出来た発見でした。



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