363. 背負い人 小林由依 ~卒業発表~
※あくまで個人的感想です。
2020年
いわゆる「1.23事件」と言われるあの日をきっかけに自分は欅坂46に注目し始めた。
昔からのファンの方には怒られるかもしれないが、事実それがきっかけだった。
当時、個人的に外から見て異様な雰囲気だなと感じていたグループ。
その絶対的エースが去った。
中学時代によく聴いていた「SCHOOL OF LOCK」を数年ぶりに聴いて、その子のアイドル人生としての最後の言葉を聴いた。
何か一つの終止符が打たれたような印象を持つと同時に
「一体欅坂46ってどんなグループとして進んできたのか?」
と急に興味が湧いてきたのである。
その興味が湧いたタイミングで欅坂46のドキュメンタリーの放映が発表される。
予告は余りにも重たく、深刻で、まさに当時「笑わないアイドル」のイメージそのまんまが映し出されているように感じた。
当初春に公開予定だったドキュメンタリーはコロナウイルスの蔓延によって延期されることとなった。
一気に欅坂への探求心が芽生えた自分にとってこの延期はむずがゆく、その反動で片っ端から過去のMV、ライブ映像を見た。
その頃、番組企画のパン屋修行での一件でパン屋さんの口コミが荒れていたのを憶えている。
キャプテンは菅井友香というのか・・・
副キャプテンは守屋茜というのか・・・
少しずつ名前と知識が頭に入る中で小林由依というメンバーに出会った。
「ぽんぽん!」いじりが番組で盛り上がり始めたころ。
気持ち新たに!といった様子が伝わってくるように当時一期生の中でも特に積極的に、自分なりに番組を明るくしようとしていた姿があった。
井上、武元といった二期生からのいじりに乗っかり笑いにしようとする姿。
調べるともともとそんな前のめりに話すようなタイプでは無いらしい・・・
番組内でのボヤキ、ツッコミを見るのが増えていく中で、何かを変えようと強い意志で動いているように感じてとれた。
夏に改名発表されるとさらに欅坂に対する興味が増し、延期されたドキュメンタリーが9月に放映されてさらに解像度が上がった。
・・・そして欅坂46における小林由依という人間がどんな人間だったのか・・・が分かった。
もし・・・
もしも欅坂46というものが2021年以降も継続していく世界線があったとしたら・・・
欅坂46のまま進むことを最優先で考えるのであれば・・・
きっと小林由依の考え、思いが土台になっていたのだろう
と個人的には思う。
2017年の時点で彼女はそれに気づいていた。
そしてその考えの方向へどんな逆風が吹こうが、未来のグループのためには進まねばならなかった。
しかし残念ながら当時その考えは少数派であり、時には叩かれ。
自分の中にある正しさを懐にそっと溜めておくような孤独な時間を過ごしていたのかもしれない。
櫻坂46というグループが誕生したことをきっかけに、グループ全体が小林由依が描いていた2017年ごろの考え方に近い姿に変化していったのだと思う。
ひとりひとり違った個性があり、その個性がひとつひとつ輝いていく・・・
かつて自分がそうなりたかった姿に後輩たちがどんどんなっていくのを、後ろから支えてあげていたのだろう思う。
「小林由依の8年間を遡ることで、欅坂46の歴史を紐解くことが出来る」
素直にそう思うぐらい彼女の進んできた道のりというのは本当に大きな意味を持つ。
それぐらい自分にとっては特別な存在だ。
だからこそ小林由依の卒業というのは、欅坂46の5年間、櫻坂46の3年間。
いち個人としてではなく、グループ全体を包み込むような歴史の区切りだと思う。
きっと自分の中でもちょっと違う区切りになるだろうと思う。
心も技術もストイックに鍛え上げ
背負い人としての覚悟を背負い
逆風に立ち続けてきた小林由依。
自分の中で一番の背負い人だと思っている彼女の残り2ヵ月を
しっかりと目に焼き付けたいと思う。
本当に・・・本当に・・・お疲れ様でした・・・