372. (2/9)欅坂46とは一体何だったのか?2024 ~5年間で吹き荒れた最大瞬間風速~
・・・続き
※欅坂46について個人的に今まで感じてきたことを記していきます。あくまで個人が勝手に思っていることというのを強調しておきます。人それぞれ感じ方、楽しみ方が違う。それらを重々承知したうえで書いていきます。
・・・とまあ最初にこう注意事項を書いておかないと危ない。と思うのもこの数年間欅坂46を堀りに掘り下げてきたからか分かってきたものかもしれません。
②欅坂46は1通りではなく21通りだった
坂道グループのダンスパフォーマンスは統一感、大人数の振りが揃う。ということをとても重要視している。
それを実現させていくためには大人数の活動の中で、グループを一つにまとめていくことはとても大事だ。
しかし欅坂というグループは少し違った。
坂道グループ第二弾として開催されたオーディションには、大人を信用していないような目をしている子が多く集まったという。
運営側は新たなグループの個性を探していた中でこの大人への反抗心を軸にし、それに似合ったメンバーが選ばれていった。
特にこの大人への反抗心を楽曲で表現する中心人物にいたのが平手だった。
ありのままでありたい。
自分の感情に嘘をつきたくない。
そういった感情と誰にも負けない表現力が混ざり合い欅坂は進んでいった。
あくまで平手が目立っていたというだけで、他のメンバーはまとまっていたかと言われればそういうわけでは無い。
他のメンバーも強い我を持っていた。
まだ10代後半の思春期真っ只中ということで自分が置かれている現状を把握しきれていなかった、というところからの言動もあったのだと思う。
芸能界、アイドル、欅坂・・・
そういったもののリアルを理解するまでに時間が掛かったのだ思う。
個々の持つ迎合しない性格というものが溢れ出て、時には摩擦が起き、時には相乗効果で凄まじいパフォーマンスを披露した。
21人がまとまった欅坂46という1つのグループ。
ではなく
1つ1つのグループが21個存在し、それがたまたま集合体になっていたという印象。
「1通りの欅坂46」ではなく「21通りの欅坂46」
秋元先生が「欅坂はまとまらないのが面白い」と言うほどに、まとまらなさというのが欅坂のパワーを生んでいたのだった。
だが、グループ活動なのにまとまらないというやり方で上手く進んでいったという事例はあまり聞いたことがない。
まとまらないことで弾き出していたパワーには、その分跳ね返ってくる副作用も大きかった。
各メンバーのパフォーマンスに対する熱意の違い。
従来のアイドルのイメージとカッコよさを重点に置いたイメージ、双方の方向性の違い。
各メンバーの精神的強さ弱さの違い。
そういった差がやがてメンバー同士の違和感となり、大きな歪みになってグループ全体の活動が上手く回らない事態にまで発展してしまった。
途中で変えることなくこのやり方を貫き続けたことで、グループを長続きさせることよりもその一瞬に最大瞬間風速を叩き出すことの方が優先されたのかもしれない。
「21通りの欅坂46」
「自分よりも他の子が・・・グループのために・・・」そういった言葉が飛び交い仲間意識を感じつつも、どこか他グループより一期生同士の関係性はサバサバしているようにも見えた。
欅坂という形が続いていくことは早い段階で厳しかったのだろうと、過去のインタビュー等を見るに思う。
グループというよりも集合体。
目的が変われば、目指す先が変われば、集合体から離れ自分の道を歩き始める。
傍から見れば破天荒な印象。
そんなドライでバラバラに見えていたものによって、今までに見たことない大爆発パフォーマンスが披露されていたのも事実だ。
欅坂46は大きな代償を引き換えに、衝撃を受けるほどの人間力を世間に提供して多くの人に寄り添って痛みを和らげたのだった。
続く・・・