2021.07.07【Interview】コトニア武蔵浦和 思い出の連鎖反応が、まちの好循環を生み出す
JR武蔵浦和駅そばの「コトニア武蔵浦和」はさいたま市南区にあり、菜園を挟み、運動型通所介護施設と保育園が併設されています。多世代交流を図るためどのように菜園を活用しているか、現在の運用や課題とこれからについて、前編に引き続き、ジェクサープラチナジム コトニア武蔵浦和店(以下プラチナジム)店長の 北原 貴志 さん、ゆめの駅保育園の現園長・ 横溝 紀子 さんと前園長・ 狩佐須 孝行 さんにお話を伺いました。
前編はこちらからご覧ください。
菜園はコトニア武蔵浦和の特徴であり課題
狩佐須:プラチナジムとゆめの駅保育園の敷地の間には菜園があり、保育園で野菜を育てています。
本田:菜園はこの施設の特徴でもありつつ課題とも言えます。プラチナジム利用者さんは、介護保険を適用するデイサービスであるが故に活動内容に制限があるので、菜園に一緒に入って何かやることが出来ないんです。もっと菜園を活用した多世代交流を行いたいのですが難しい状況にあります。さらに雑草除去などの日々の手入れが施設の負担になるという問題を抱えていました。問題解消の第一歩として、昨年は関係者一同で草むしりを一緒に行ったんです。そこから徐々に菜園をどう使うかという議論をはじめました。プラチナジムの利用者さんの日常に少しでも菜園の空気を取り込めればと思い、園児さんたちが作った野菜のフレームや写真を貼らせていただいたんですよ。
コトニアでの生活に菜園の空気を取り入れる
本田:もっと菜園に親しみを持っていただけるよう、今年は新たな取り組みに挑戦したんです。プラチナジムの定休日に利用者が任意でご参加いただける、菜園の苗植え懇親会を企画しました。※
苗植えにご参加いただければ、施設内での会話の種にもなるでしょうし、菜園があることでプラチナジムを利用するメリットの1つになればと考えています。利用者さんの中には園芸に詳しい方もいらっしゃるでしょうから、菜園に関するアドバイスをいただけるとおもしろいですよね。
※プラチナジムの利用者も苗植え懇親会に参加予定でしたが、緊急事態宣言の発令に伴い、ジムスタッフと保育園の参加となりました。
どんな状況でもつながりを途切れさせない道を模索
北原:2020年度はコロナ禍で、普通なら「もうイベントはやめておきましょう」という雰囲気だっと思います。でも単純にやめようというのではなく、皆さんでアイデアを出しながら、リモートや壁面装飾などでなんとか交流が出来ないか模索しましたよね。
本田:北原さんに保育園の運動会の映像を撮影していただき、プラチナジムの利用者さんに向け上映会をしました。
北原:2019年は、園児さんたちがプラチナジムでソーラン節を発表してくださったんです。利用者さんの中にもそうした取り組みを覚えていた方がいて、ビデオ上映を喜んでいらっしゃいました。園児さんたちが組体操を頑張っている姿は、私たちも見ているだけで、思わずウルっときてしまいます。ポーズが決まると利用者さんから拍手が起きるなど、非常に反応が良い上映会でした。
コロナ禍の多世代交流に繋げる環境づくり
北田:やはりリアルな交流に勝るものはありませんが、いまは「見てもらえる環境をどうつくるか」が鍵だと思います。その見せ方の工夫が制作物の展示や、運動会の様子をビデオで流すといったやり方につながっていきますよね。
園児さんの活動してる姿を、プラチナジムの利用者さんが見ることによって保育園の子どもたちは頑張ってるな、というのが心に残ると思うんです。コロナ禍では、施設同士が直接交流できなくても、見せ方の試行錯誤を共に考えサポートしていく取り組みが大事と感じました。
狩佐須:今は一緒に歌を歌ったり、折り紙を折ったりするような面と向かった関わりがほとんどできません。それでも細く長く交流を続けるというのが、とても大事だと考えます。これはスタッフ同士にも言えることだと思います。
これからもコトニアの多世代交流を続けていきたい
北田:園児さんとプラチナジム利用者さん、双方の心に残るような思い出を作るための仕掛けをつくって行くのが我々の役割だと考えています。イベントを楽しんだ園児さんが「今日こういうことがあったんだ」「おじいちゃん、おばあちゃんと今日こういうことをやったんだよ」という話を親御さんにするとします。それを聞いた親御さんたちが、じゃあ自分の親がプラチナジムに通えば、もしかしたら子どもたちと交流して元気が貰えるかもね、と思われるかもしれない。
そうした良い循環を生み出すのが当社の役割だと思っています。これからもコトニアの多世代交流を続け、まちの中に良い循環を作り続けていきたいですね。
取材編集/くらしづくり・まちづくり室
JR東日本スポーツ株式会社 コトニア武蔵浦和店店長 北原 貴志
長野県出身 スポーツ観戦をこよなく愛する、入社19年目の大ベテラン。オフでは子どもと一緒に「ポケモンgo」にはまって楽しむ一面も。
座右の銘:「ありがとう」と「ごめんね」を素直に言う!
株式会社ジェイアール東日本都市開発 埼京支社開発管理一部 北田 寛明
岐阜県出身 2020年入社。大学では土木や都市景観を学ぶ。現在は埼京線北戸田~武蔵浦和エリアの開発管理を担当。好きなことはサッカー観戦とまち歩き。
座右の銘:楽観的に、たくましく。
※横溝紀子さん、狩佐須孝行さん、本田理沙さんは前編で紹介しています。
関連リンク
COTONIOR(コトニア)についてhttps://www.jreast.co.jp/kosodate/about/#cotonior
(この記事は当社webサイトから修正、再掲したものです)