東大の科類別特徴(文科一類編)
今回は、東大の科類別の特徴に関して自分なりの考察も含めて述べていきたいと思う。
ちなみに筆者自身は十数年前に東大に合格したたちなので現在では大きく様変わりしている可能性もあるのであくまで参考に留めて頂きたい。
最初の記事は文科一類(主に法学部に進学)の紹介から始めたいと思う。
Twitter等を見ていると近年はだいぶ落ちぶれてしまったようにも感じるが、筆者が受験した十数年前は文系の花形であり高校でもこちらに進学するのは、学年トップ級のメンツであった。筆者自身は比較的進学実績の良い中高一貫の男子校出身であるが、その中でも文科一類に合格できるのはごく一握りであったので、地方の公立などからここに現役で進学してくるのはその地域では神童に近い存在であったと思う。
筆者自身は一浪の際に、最後まで文一と文二で迷ったが、どうしても東大に行きたい気持ちが強く、文一リスクは取れないと考えていたので、最終的には文二に出願した。一浪の段階で文一に出願できるものは相当合格に自信があるか、法学部に進学したいものが多かったと記憶している。
ちなみに文一に関しては、どれだけ模試の成績が良くても100%合格できるかという点に関してはかなり懐疑的にならざるを得ない。100%合格できると信じていた知り合いが不合格になるパターンを複数事例見てきたからだ。
英語と社会でかなりの高得点が期待できない場合は、薄氷を踏む戦いになることは覚悟した方がよいと思う。
文一と文二は1,2年の前期教養課程では同じクラスに属しており、筆者の場合もクラスのメンバーの半分は文科一類の学生であった。イメージとしては、以下のような構成になっていた記憶である。
・関東圏の超進学校(開成、筑駒、桜蔭等)出身者:25%程度
・関東圏のTier1.5進学校(海城、聖光学院、浅野等)出身者:20%程度
・その他地域の超進学校(灘、東大寺、ラサール、久留米附設等):25%程度
・関東圏のTier2進学校出身者:10%程度
・地方名門進学校:20%程度
いずれのメンバーも人生のどこかの段階でトップに君臨していた経験を有していることが殆どであるため、プライドは非常に高かった。
地方出身者に関しては、文一から法学部に進学し、その後は官僚や法曹を志望しているものが多かったとも思う。彼らは地域の期待を一身に背負って文一に進学してきており、自信家が多かった。また非常に高い記憶力と論理的思考力を要するため、筆者の周囲でどこかおかしいやつ(=発達障害系、サイコパス系)には文一のメンバーが多かった。
学生生活に関しては、文一から法学部には当時からすでに殆どフリーパスで進学できるため、全く勉強しないものも存在するにはした。一方でやはり文一に合格するだけあり根が真面目なものも多いため、しっかり点数を獲得してくるものが太宗を占めていたと思う。
法学部進学後は当時は法学部砂漠といわれるほど、厳しい期末試験に追われていた印象である。大講堂に文一の学生が集結し、そこで講義型の一方方向の講義を受講し、期末に試験を受けるテスト一発型の講義が太宗を占めるとのことである。記憶力や論理的思考力に優れているADHDやASDとの愛想法はすこぶる良いと思う。ただ試験は本当に厳しいようなので、実力主義のインセンティブ営業のような形であると推察する。
進路については、当時はまだまだ官僚や法曹系が人気であったことから、文一の中でもトップ層は当該進路に進んでいた。当該進路に興味はないが、対人コミュニケーション能力も含めて問題ないものは外資金融や総合商社に進んでおり、彼らは世間がイメージする東大卒の進路を歩んでいた。特段光るものがなくても日系金融機関には最低限進んでいた。
日系金融機関は東大生の中では落ちこぼれが多く、プライドを満たすことは出来ないものの、メガバンク等では今でも露骨な東大法学部優遇があり、彼らの多くは比較的順調な社会人生活を送っているものが多い。
一点注意が必要なのは、その難易度ゆえやや社会不適合な層も多く、就活で失敗するものは文二よりも圧倒的に多いということである。法学部の試験の負荷があまりに大きく、就活にろくに時間を割けないという事情もあるのかもしれない。彼らは就活せずに既卒で名もないベンチャー企業に就職するものや、ニートになるものもいた。振れ幅が非常に大きいという認識だ。
ただそれでもその後に医学部再受験合格や司法試験に合格した事例も複数知っているので、腐っても文一なのであろう。
ちなみにサークルに所属するものも多く、至って普通の大学生活を送っているメンバーも多いので、学生の方はそこまで心配する必要はない。
とにかく合格するまでが大変なので受験勉強は頑張ってほしい。