大橋淳史
科学は、私たちの生活にあまりに浸透しているため、普段の生活で科学の存在を感じることはありません。しかし、ひとたび見方を変えると、そこにはさまざまな科学が関わっています。科学と私たちの暮らしの関係について、全8回の講義を通じて考えてみませんか?
「自由研究や探究活動って、どうやるの?」 方法論を知らないからこそ「むずかしい」と感じるのです。自由研究や探究活動で必要とされる方法論について、ご紹介します。
小中学生を対象にした人材育成事業から,学力非依存の能力伸長評価の分析について紹介していきます。学術論文として執筆中の部分もありますので,あまり詳細な情報が載っていない場合もあります。
教育界で導入が進むロイロノートや、アメリカではメジャーPowtoonなどを使ったICT教育や動画作成を主にご紹介します。
研究にもスポーツなどと同じようにルールがあるんです。研究のルールは、あらゆる創作活動に共通するルールですので、早期の教育が望ましいのではないででしょうか。わかりやすい研究のルール教育を考えます。
8回に渡って開講されたオンライン講義は、いかがだったでしょうか? 科学のなかでも、私たちに身近な事例に絞って話を進めてきました。8回の講義を通して、世界を見る視点が少しでも増えれば嬉しいです。 まとめさて、オンライン講義についてかんたんに解説します。 第1回は、この講義の主目的を理解するために、私たちの認識が如何に曖昧か、そして、正しい決断とはなにかについて考えました。そして、第2、3回で科学技術について考え、第5~7回で資源の重要性について考えました。また、第4回と第8回
日本が、他の国の窮状を助けることができるとき、あなたの払う犠牲の限界はどれくらいでしょうか? 今回は、第4回と同様にひとつの事実を、いくつかの視点から考えることで、あなたの決断について聞いてみたいと思います。 前回の記事はこちら。 第8回 あなたの犠牲の限界は日本が、この国の窮状を救うことができるとして、あなたはどうするでしょうか。今回の舞台は、ニジェール共和国(ニジェールと略します)、西アフリカのサハラ砂漠南縁にある内陸国です。人口は2300万人ですので、ちょうど台湾
原子力発電と、その稼働によって生じる高レベル放射性廃棄物の処分について、考えてみましょう。とくに高レベル放射性廃棄物の処分については、原子力発電をどうするのかと関係なく、考える必要があります。科学は基準を示します。しかし、その価値は、あなたが判断しなければなりません。 前回の記事はこちら。 第7回 原子力発電世界においては、原子力発電は、さまざまな発電方法のなかの選択肢のひとつとして使われる傾向にあります。そこで、まず世界の電力事情を確認しましょう。国際エネルギー機関の統
枯渇しないエネルギー源のうち、安定して電力を得られる発電方法は、水力発電と地熱発電です。しかし、このふたつの発電方法の発電量には、大きな差があります。なぜ、それほどの違いが生まれるのでしょうか。また、ふたつの発電方法は、「自然に優しい」のでしょうか。それを考えてみましょう。 前回の記事はこちら。 第6回 水力発電・地熱発電第6回と第7回は、私たちの便利で豊かな暮らしを支えるエネルギーについて考えてみたいと思います。一口に、エネルギーと言っても漠然としていますので、エネルギ
あなたにとって、水という資源の価値は、どれくらいでしょうか? 日本では、蛇口をひねれば飲める水が出てくるので、水は「あって当たり前」のものだと思うかもしれません。しかし、視野を広げて世界を見渡せば、水は、今後20年の間に争奪戦が起こる可能性もある、希少な資源なのです。 前回の記事はこちら。 第5回 水地球は、表面の7割が水に覆われており、水の星ともよばれることがあります。この事実からは、水が希少な資源であるとは思えません。では、水の内訳はどのようになっているのでしょうか。
あなたは天国にいちばん近い島、ニューカレドニアを知っていますか? そして、この島の自然を、あなたが破壊していると知っていますか? 独自な自然を持つ美しい島、ニューカレドニアの悲劇に対して、あなたは一体何ができるでしょうか? 前回の記事はこちら。 第4回 あなた暮らしの犠牲とは講義が折り返しに来ましたので、今回は、少し趣向を変えて、ひとつの事実を違った視点から見たときの、あなたの決断について聞いてみたいと思います。今回の問いに正解はありません。あなたは、一体、どのような決断
ワクチン接種と健康診断の徹底で、根絶できる病があります。しかし、つい最近まで、日本では、そのワクチンは使われていませんでした。効果があるのに、なぜ利用されていなかったのでしょう。それを理解するために、ワクチンを巡る種々の課題、たとえば、社会資源へのフリーライド問題などについて考えてみましょう。 ワクチンを考える上で重要になるのは、前回考えた、全体と個別を区別する習慣です。たとえば、1万人中、9999人には副反応のないワクチンは、良いワクチンと言えるでしょうが、副反応が起きた
SNSは、世界の人々とリアルタイムに繋がって情報交流できる優れた科学技術です。しかし、その利用には一定の注意が必要になります。具体的には、SNSを通じて得られる情報には、一定の偏りが存在する可能性が高いことが課題になります。 ひとは知らないものは探さず、見たいものだけを見る性質を持っています。確証バイアスとよばれる、このひとに備わった性質が、情報化社会によって、問題になってきています。第2回となる今回は、SNSと情報について考えてみたいと思います。 前回の記事はこちら
オンライン講義は、第2回から毎週金曜日19時に投稿します。学生さんたちの反応についても、まとめて解説記事にできればと思っています。
あなたは、科学と聞いて、どんなことを思い浮かべますか? 私は、化学を専門とする科学者ですが、愛媛大学教育学部で10年間、教員を続けてきて、大学生をはじめとして、たくさんの小学生、中学生、高校生と話す機会を持ちました。かれらの持つ科学のイメージは、大体のところ、「難しい数式」や「たくさんの暗記」であり、だから苦手であり、そして自分には縁遠いものだと感じていることが多いことに気づきました。 たしかに原理や公式は必要ですし、ときに暗記も必要になります。しかし、それは、科学という学
この記事では、探究活動や研究活動で用いる、基準の使い方のルールの基礎となる、ルールと善悪の混同について解説します。この2つの価値基準を分離して評価することで、探究活動や研究活動におけるルール、研究倫理とは何かについて、より理解しやすくなります。 探究活動や研究活動の目的とは、新たな「なにか」を見つけることであり、そのためには、基準と測って比べる必要があることを、これまでの記事で説明しています。そこで、この記事では、その基準を使うためのルールについて説明したいと思います。
探究活動や研究活動で重要なことは、科学の根幹である、測って比べることを、どのように行うかを考えることです。その方法は、色々とありますが、ここでは、その方法を大きく3つに分けて考えてみましょう。 探究活動や研究活動は、大きく分けて ・新たなものを測る ・新たな測り方を見つける ・新たな基準を作る の3つに分けることができます。そこで、それぞれについて見ていきましょう。 新たなものを測る測って比べて、新たな事物や現象を見つけるのは、もっとも簡単で、もっとも難しい方法です。メディ
探究活動や研究活動は難しいと感じるのは、その取り組み方がわかりにくいことに原因があるのかもしれません。そこで、探究活動や研究活動の取り組み方について、かんたんに解説したいと思います。 探究活動や研究活動は、何を目的に行われるのか? 探究活動や研究活動の目的を、もっとも端的に述べるとすれば、測って比べて、新しい「なにか」を見つけることです。 探究活動や研究活動を初めて行う人は、この部分を明確にしておくだけで、活動の方針を立てやすく、また、まとめで困ることも少なくなります。そこ
大学はすべてリモート授業ということで、週に2本程度の動画を作成しています。折角なので、イチから作り直しているため、素材探しなどで、なかなか多忙です。参考までに、最近の章をひとつ公開します。作成はpowtoon、音声はアマゾンポリーです。
次世代の研究人材育成事業、愛媛大学ジュニアドクター育成塾では、テキストマイニングとよばれる文章を分析する技術を事業評価に役立てています。プラスアルファ・コンサルティング社のテキストマイニングカンファレンス2020で講演しましたので、その概要をお伝えしたいと思います。 テキストマイニング「見える化エンジン」 テキストマイニングとは、文章から特徴を抽出する技術です。たとえば、たくさんのユーザーのコメントを分析することで、その製品のどこが評価されているのか、どういった改善が求めら
愛媛大学でGIGA Ehime教育イベントを開催します! 2020年2月22日(土) 10:00〜17:00ですので,ご興味のある方はぜひよろしくお願いします.私も研究公正教育イベントで講演します. お申し込みは以下から https://www.kokuchpro.com/event/1b30ac17b49d9e0170eb55fe039f945b/?fbclid=IwAR3Q63Xl5vl8o3AlPatdgJC1ONMUvJG5REZo-v5fMsWvnJAXo5EG9rFaZaY