BuddiHEX試運転 (24/11/20, 三木総合防災公園)
別途記事を起こしている通り、移動運用用にBuddiHEXを導入しました。さっそく試運転してみます。
24/11/20(水)
晩秋というかほとんど冬になり、BuddiHEXが対応するハイバンドよりもローバンドの方がDX向きになりつつあるような気がしないでもないですが、さっそくPOTAアクティベータ運用で使ってみることにしました。
JP-1997 三木総合防災公園
ウチの近所でテントサイトもあるPOTA対象の公園です。ここのテントサイトにBuddiHEXを持ち込みました。平日日中なのでキャンプ客は皆無で、ランニングや散歩で訪れる方がちらほらいる程度です。
MastWerksの組み立て
同梱されている紙のマニュアルに従ってMastWerksを組み立てます。マニュアルは英文ですが、この程度の英語なら訳さなくても何とかなりそうです。
足を広げてステーを120度間隔で2本ずつ計6本張ればOK。と、言葉にすると簡単なのですが、これだけの作業に1時間弱掛かりました。
※実はここで見落としていたことがありました。後述します。
BuddiHEXの組み立て
続いてBuddiHEXの組み立てです。こちらも紙のマニュアル (英文) が添付されています。ウェブで公開されているバージョンより新しくなっています。
給電アセンブリ下段のハブにスプレッダーを接続して、スプレッダー先端のサポートコードを上段のハブに接続。続いてスプレッダー間をペリフェラルコードで接続。これでアンテナの大枠が完成です。
サポートコードとペリフェラルコードのどちらがどちらか分かりにくいですが、スプレッダー先端のプラ部品の形状を見れば分かるかと思います。左右に繋ぐのがペリフェラルコードで、中心に向くのがサポートコードです。
次に中心部に近い方から6m (黒) → 10m (灰) → 12m (黄) → 15m (赤) → 17m (緑) → 20m (青)の順に、内から外へエレメントワイヤーを張ります。エレメントのプラパーツと給電部のツマミの色が対応しているので、迷うことはないかと思います。
※ 古いバージョンのマニュアルだと、エレメントは外から内へ (20m → 17m → …) 張るよう記載されているようですが、最新版だと逆 (内から外へ) になっています。
エレメントワイヤーを張り終えたら、エレメントがV字に開いている方にテンショニングコードを張り、20mの給電部にM型コネクタを接続してアンテナは完成です。アンテナの組み立てにも1時間ほど掛かりました。
マニュアルだとテンショニングコードは6mの黒いクリップのところに張るよう書いていますが、ここだとコードが長すぎてダルンダルンになったので、10mの灰色のクリップのところに張りました (それでも少し余裕のある長さです)。
アンテナをマウント → トラブル
組み上がったBuddiHEXをマストの最上部にマウントします。MastWerksのマストの断面は特徴的な楕円形 (洋梨型) になっており、この形に合わせて上からアンテナを差し込み、クランプを閉じればOKです。マストの最上段にはロックするためのピンが出ており、アンテナ (給電アセンブリ) の下端がカッチリはまります。
最後にマストを伸ばしていきます。と、ここでトラブル発生。MastWerksの足がズレていきます。マストが垂直でなかったためか、地面が緩くなっていたためか、ズルズルと足が地面を削っていきます。三脚ごとアンテナが倒れてあわや大惨事、とまでは行きませんでしたが、非常に危険な状態です。急いでマストを縮めてアンテナをマストから外しました。
再・MastWerksの組み立て
念の為にマストに緩みなどがないかチェックしてから、再度組み立て直しです。実は三脚に水平器が内蔵されていました。マニュアルはしっかり読みましょう。この水平器を参考にしてマストを垂直に立て直し、ステーも張り直しました。
再・アンテナをマウント
改めてアンテナをマウントし、マストを伸ばして完成です。
今回、マストの組み立てからアンテナを上げるまで、最終的に3時間弱も掛かってしまいました。マニュアルを確認しながら、かつ途中でトラブルがあったので仕方がないと言えばそうなのですが、次はもっと短時間でアンテナを上げられるようにしたいですね。
SWR測定
NanoVNAで各バンドのFT8運用周波数でSWRを測定してみました。
10m以外は内蔵ATUと組み合わせればまったく問題ないレベルです。10mだけSWRが飛び抜けて高いのはちょっと気になりますので、継続して様子を見たいと思います。
POTA運用
SWRを測定し終えて、「んでは14MHzをワッチしましょうかね」と20mに切り替えたところ、ATNOのベリーズが見えたのでさっそく呼んでみました。数回呼んでも応答がなかったので、BuddiHEXをベリーズに向けてみたところ、今度は一発で拾ってもらえました。
この時、出力は5Wだったのですが、レポートは案外悪くありません。これがビームアンテナの威力なのか……
幸先よく運用を開始したのですが、指向性があると逆にアンテナをどこに向ければいいのか迷うという次なる問題が浮上しました。上記のベリーズのように特定の局に応答する場合は問題ないとして、CQ POTAコールを出す時はどこに向けるのが適切なのでしょうか? 悩みのタネは尽きません。
ローテート
上段ではさらっと流してしまいましたが、MastWerksにはマストを回転させる機能があり、クランクハンドルが同梱されています。使い方は簡単、三脚にこのクランクハンドルを差し込んで、クルクルと回すだけです。クランクは軽く、力を込めなくてもグルグル回ります。
なお、リモコン付きのローテータが開発中らしいです。
成果
1時間ほどで20m, 15m, 10mで計13局と交信でき、無事にアクティベートできました。13QSOのうち、P2Pが2QSOでした。
日本: 5
中国: 3
ベリーズ
アジアロシア
アメリカ
韓国
ヨーロッパロシア
サントメ・プリンシペでDXpedition運用中のS9Zが15mで見えていました。しかし運用の最終日だったためか、結構なパイルだったので数回呼ぶだけで諦めました。
6mも試してみましたが、ベトナム局からRR73が返らずじまいでした。6mはまた後日改めて挑戦してみたいですね。
片付け
準備に3時間弱掛かったので片付けも時間が掛かるかなと思いきや、1時間ほどで片付けることができました。
反省
BuddiHEXでの初QSOがATNOだったのは貴重な体験でした。これからのDXCCハンティングに期待が持てそうです。
一方で、POTA運用時はビームをどこに向ければいいのかという課題があります。国内QSOをメインに考えるのであれば、フロントを北東に向けるのが無難でしょうか。東日本だけでなく、POTAが活発な北米もターゲットに入れられます。
時間
今回は初めてのBuddiHEX + MastWerksということで、マニュアルとにらめっこをしながらの設営となりました。それにしても3時間は時間が掛かりすぎです。次回以降は1時間ぐらいでさささと設営できるようになりたいものです。