
第一章 「歌の発声」(五)「カラオケアドバイス 」
第一章 「歌の発声」(五)「カラオケアドバイス 」
1.一生懸命に歌わない。
一生懸命に歌うと身体のどこかが力んでいます、特に肩やノドに力が入ります、余裕がありません、自分の歌い方を冷静に第三者の立場で見てください。
大声で歌って人にメイワクをかけないように、聞いてる人が心地良くなるように、うるさいのは騒音です。自己満足なら一人でこもって大声で歌って発散させてください、決して人前で歌わないで下さい。
余裕を持って、自分の力の70%くらいの力で歌いましょう。
2.呼吸はながい方が良い。
金魚が酸素が足りなくてパクパクとしているような歌い方をする人が多いようです、そうすると呼吸困難になって適当なところでブレスします、
一節ずつ呼吸をしないでください、目安は2小節で一回の呼吸です。
歌のなかで上手な呼吸をしてください。少し苦しいくらいの呼吸を練習すると苦しさにまぎれてお腹を使うようになりますよ、長いフレーズが歌えるので歌詞が勝手に強弱がつきます。
3.呼吸の前後は同じボリュームから歌う。
息を吸ったあとは勢いデッカイ声で歌う人がいます、突然、大きい声になると人は耳をふさぎます。呼吸のすぐあとは勢いがあるので突然大声をださないように丁寧に歌います。ワンフレーズが終わるときには呼吸がなくなるのでだんだんボリュームが小さな声になります、(ディミニエンド)。または声は消えてしまいます、息を吸って次に歌うときは、その消えたところから始めてください。ただし、小さなままではなく、響きが出るまで声を充実させます。(急激なクレッシェンド)
歌になるように詩をつなげて語りましょう、突然の大声で歌詞を切断しないでください。「歌は語るように、芝居は歌うように」昔からのコトワザです。
4. テンポを倍のテンポで乗って歌うと歌にスピードがでます。
3連の曲は別にします、アクセントのつく数が倍になりますので、圧力は出るし、歌があいまいにはなりません。バンドは8ビートの時はみんな16ビートと4ビートの両方を感じながら演奏しています。言い換えれば速いテンポと半分のテンポの両方を感じています。
5. 大口を開けて歌わない。
一刻堂は口をあけなくてもちゃんと発音出来ます、由紀さおりさんはあまり口をあけませんがきれいな発音ができます、ヤマハでは「アー」は「マー」の延長上にあると教えます、ママさんコーラスをやった人は必ず意味のない大口をあけて歌います、それは指導者に問題があると思っています、
大口で歌うと空気が沢山出すぎてモッタイナイじゃありませんか。最小の口の大きさで省エネルギーで歌うと息が長く使えます。
6. 歌う時には短い単語を意識しましょう。
シアワセという言葉はシーアーワーセーと歌うとだらだらと聞こえます、空気も沢山漏れてしまいます、言葉のちじめ方(つづめ方?)を覚えましょう、
シーィア・ワッセと発音すると言葉がはっきりします、使う空気の省エネにもなります、この言葉のちじめ方は童謡の歌い方が参考になります。
こどもは「モッシ、モッシ、亀よ」「しょっ、しょっ、しょじょじ」「きっしゃ、きっしゃ、ぽっぽ、ぽっぽ、しゅっぽ、しゅっぽ、しゅっぽっぽ」とうたいます、必要以上にお腹を使って発音します。これで解ると思いますが、このお腹を使った言葉づかいで歌うとかなり省エネと歌の圧力がだせますよ。
7. 低音を響かせる。
低音が響くと高音とのバランスがとれます、高音を出すのに力が抜けて楽に出しやすくなります、一音,低いだけで音のボリュームはかなり大きい声になります、反対に高い声は一音高くなればなるほどボリュームは小さくなります、(音がヤセます)これが普通の音の性質なのです、人は歌うと高い音ばかりが気になります、ついには自分の耳の受け取るレンジが高い音ばかり集中して、低音をおろそかにしてしまいます。自分の耳を低いレンジに出来ると上手く歌えます。どんどんと女性だとキンキン声が耳につくようになります、まずはキンキン声を出さないこと、低い声をしっかり出すことがノドのリセット状態を作って、つぎの音へと簡単にリードしてくれます。
全部、低い音を出す(響かせる)ことで高音を出して上がったノドをリセットしないと歌を上手に歌えません。
8. 歌に圧力をかける。
おなかの使い方が解らないひとのために別の方法を書きます、4拍子の音楽がほとんどですので、1.2.3.4.という拍子で出来ています、学校の音楽の時間に習ったかと思いますが、1.3.拍は強拍で2.4.拍は弱拍です、1.3.拍に言葉があるときは強い言葉です。
とりあえずは1拍目だけでいいですから1拍目の言葉だけを押して見てください。1拍目だけを充実(お腹を使って押します、お辞儀する感覚)させて、あとの2.3.4.拍は声を休憩させて軽く歌います。そうすると歌の4分の1だけ努力をするだけで後は休み時間なのです。出来るようになったら3拍めも気をつけましょう、
練習方法は身体でステップを踏むなり、左右にリズムに乗って身体を動かすと身体が横に動いたところだけ強い音を出すのです。
または、酒盛りの時に歌にあわせて手拍子をしますが、手をたたいたところだけが強い音です。
強いといっても、言葉の最初から強いわけではありません、母音で大きい声になっていればOKです。最初の出始めの声はコッソリなんです。マイクを吹く人は子音が強すぎて破裂音になるからです、やさしく歌い始めましょう。
声を出すには最初の出る声はコッソリから自分の出る範囲で最大の声(遠慮しないで響ききった声を出して、)にします、その時にお辞儀をしながら声を出すと大きい響いた声になりますよ。その響いた声が歌の時に使える声です。
その時のお腹(ポンプ)の使い方を覚えましょう。そうすれば声が4割、お腹のポンプが6割です、そうすると上手な歌い手になれますよ。
ちょっと難しいので長くなりました。
9. シャクリを使って歌う。
クラシックでは絶対シャクリがゆるされません。使ってはいけないのです。と教えている本人たちがシャクリを使って歌っているのです。錦織なんとかさんや秋川雅史もシャクリを使うからなめらかに歌えるのです。
沖縄の歌や島歌は特にシャクリを多用します。
花の「なきなーさーい」涙そうそうの「はれわたーるひもあめのーひーも」
全部一筆書きのように歌うでしょ。この一筆書きがミソです、童謡は全部一筆書きで歌うので楽で簡単に歌えるのです。音程を最初から決めるのは無理です、極端にいえば低い音程から探しながらその音程に持っていくのです、ただし瞬間でやると誰にも気がつかれません、ユックリやるとバレバレです、必ず瞬間でシャクリを行います。楽に歌えますよ。
10. 発音はベロの先端の動きで決まる。
タ・ナ・ラ行はベロの先が上歯の裏側にはっきりとつけます。サ・ヤ行はベロの先が下歯の裏側にくっつきしかもベロの真中が持ち上がっています、カ・ハ・マ行は下歯の裏側につけます。ベロの落ち着き先をはっきりすると発音が良くなります。
11. ベロのねもとの上下が音程の高低を作る。
かなり微妙な動きです、高音は口の中が小さいのです、小さい口腔を作るにはベロのねもとが押し上げられて口の中の空洞が小さくなります、(ベロを後ろに引っ張り上げる感じ)
低音は口の中が大きいと低音が出やすいのです、(少し上を向いた感じ)ベロがべたっと下あごにくっつくと口腔が広くなります。
素人にわかりやすくするために別の方法です、高い音の時はあごを引きます(目を下に向けても出来ます)。低い音は目線を上に向けるだけでOK。
もっと別のやり方です。ノドボトケにべったり手を置いて、ノドボトケが高い音のときには上がり、低い音の時に下がります、動きの悪い人は呼吸が上手く出来ていない人です。自由に動く人は正解の歌い方をしている人です。