手術室の温度設定と熱喪失
英国から出た手術室環境のガイドライン*1に、手術室は最低でも21℃に設定するという文言があり、Twitterで外科医の先生が21℃は暑すぎると主張しているツリーを見かけました。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56918292/picture_pc_139556990bac6ce03db836f86bd6596d.jpeg?width=1200)
上のツリーの意訳が下記のようになります。
外科医「21℃は自分たち外科医にとって結構暑い。スクラブは脱げないし楽な姿勢を取ることもできないから蒸し暑くなるけど、麻酔科は上着を羽織ればいいし、温かいものを飲んだり、寒すぎるならジャンピングジャックできるじゃない。」
麻酔科医「手術室の温度や湿度は麻酔科医の過ごしやすさのためじゃなくて患者のためと教えられてきたよ。正常体温を維持して、開放腔からの不感蒸泄を防ぐためだよ!」
外科医「その通り!だから加温マットレスやベアハガーを使って患者を温めてるんだよね。」
麻酔科医「その二つとも開放腔の不感蒸泄からの熱喪失は減らせないよ。」
外科医「その熱喪失は手術室温度に関係ないんだけどね。」
このツリーの議論の進め方で何かおかしい点や違和感はありますか? というのが今回のテーマです。
ここから先は
3,322字
/
4画像
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?