物流の今と未来の間でー納品伝票デジタル化について
こんにちは、JPR広報部の那須です。JPRでは、私たちが取り組んでいる「納品伝票電子化」について、担当者へのインタビューを公開しました。
いま、物流業界は2024年問題と呼ばれる危機に直面しています。そのなかで、納品伝票の電子化は、危機回避の手段としてだけではなく、物流データを企業間で活用する新しい物流につながる取り組みとして注目されています。
物流の変革、何から始めればいいのか?
物流関係のセミナーや勉強会で示される未来の物流の姿は、私たちをワクワクさせるものです。しかし、そんな期待の一方で「でも、今日から何をすればいいのだろう?」と、疑問も湧いてきます。目の前で動いている今日の物流と、セミナーで語られる未来の物流の間にはひどく距離感がある気もするのです。
子どもの頃の思い出
話は飛びますが、みなさんは、算数の図形の問題って得意でしたか?例えば「図のAの角度は何度か?」みたいな問題です。私は全然ダメでした。歯が立たないので答えを見ると、「補助線を引くことで求められる」と書いてある。「そんなの思いつくわけないよ!」と挫けたことを思い出します。
子どものころに苦戦した図形問題と今取り組んでいる物流問題。何か共通しているような気がします。それは、問題に書いていない「補助線」が思いつかないと解けないことだと思うのです。
進みそうで進まない物流業界での納品伝票の電子化
非効率さが指摘されている物流業界。「早くシステム開発や導入を進めればいいのでは?」と思われる方もいるのではないでしょうか。確かに物流以外の領域では、電子請求書が一般的になるなど帳票のデジタル化が進んでいます。しかし、物流業界の帳票の電子化はあまり進んでいない。
なぜ進まないのか?どうしたら進むのか?
現実の物流の現場から、図示されていない補助線のようなポイントを探すことが大切になりそうです。
デジタル化の鍵・データフォーマットの標準化
物流現場で行きかう納品伝票は、発行する発荷主から見ても、受け取る着荷主から見ても、お互いに多数の相手とやり取りするものです。ですから、取引先ごとにばらばらなデータフォーマットを使うシステムが乱立すると、効率化ができません。納品伝票の電子化が、進展してこなかった理由のひとつはこうした部分にあります。実際に今流通している納品伝票は各社各様でバラバラ。このままではソリューションを導入してもうまくいきません。そこで「データフォーマットを標準化する」ことが必要になります。これが補助線にあたるポイントだと思うのです。データフォーマットが揃えば、システム・ソリューションが威力を発揮し、現場の様々な課題を解決します。
標準化に取り組むストーリー
JPRは、多くのお客さま企業とご一緒に、標準データフォーマットづくりに参加させていただいてきました。(デジタルロジスティクス推進協議会:https://digi-logi.jp/)今回公開した記事ではこのような取り組みを担当者が語っています。ぜひご一読ください。
リアルな現場で解を出したい
いま物流業界が直面している問題の多くが、個々の企業の内部ではなく、企業と企業のつなぎ目で起きています。この課題を解決するには、得意先やサプライヤーとの協力、さらには競合する企業同士でも協力しなければならない場面があります。そして、その複雑さは物流に携わっていない方には見えにくいものでもあると思うのです。
今回は算数の問題に例えてみましたが、補助線に気づけないと解けない、気づいたら解ける、というあの感覚は、実際のビジネスの世界でも大切な気がしています。
私たちJPRは、いくつもの現場で、多くの方と一緒に働いた経験が、補助線に気づく力、課題を解決する力になると考え、レンタルパレットの普及やデジタルの活用に取り組んでいます。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。