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どうして物流は非効率だと言われるのか

JPR広報部の那須です。多くの方にはあまりなじみのない物流。「生産性が低い」「効率が悪い」などと言われますが、なぜなのでしょうか?
今回は私が営業として物流センターを訪問した経験から…。

最新の物流現場で目にする非効率

最新なのに非効率???私が目にしたのは例えばこんなシーンです。

ある企業の物流センター。最新の自動設備とITの組み合わせで高度な物流管理を行っています。ところが、同じ物流センターで大型トラックのドライバーが、2時間かけて積荷を降ろしています。その近くでは荷降ろしの順番を待っているトラックがもう3時間以上待機しています。

この例は決して珍しいものではありません。オートメーション化が進み、商品のとり違いなどほとんど起きないほど徹底した管理。その一方で、ドライバーさんが長時間の作業や、待機を強いられている。いったいこれはどういうことなのか…

問題は企業と企業のつなぎ目で起きている

多くの企業の物流は高度に管理されている場合がほとんどです。ところが、いまだに人力での荷物の積み下ろしのような非効率が残っています。注目していただきたいのは、非効率が企業と企業のつなぎ目で起きているということです。
荷物の積み下ろしだけではなく、たとえば、紙の帳票のやりとりや、現物とデータの目視確認など、企業のつなぎ目で起きている非効率の例はたくさんあります。

どうして非効率が起きるのか

その理由を、物流以外の領域で「効率化できていること」から考えてみます。例えば、私はいまパソコンでこの記事を投稿しています。そして皆さんはこの記事を読んでいただいている。私は皆さんが使っているパソコンやスマホの機種も、ブラウザの種類も知りません。けれどスムーズに伝わる。
それは、インターネットという標準化された共通のしくみが介在しているからです。手順・ルールと言ってもいいかもしれません。いま、物流現場で起きている人力での作業は、相手のつくった書類を、いちいちダウンロードして、変換して…といった作業をしてから読む不毛さと似ています。
物流が非効率だと言われる理由の一つは、標準化が遅れているから、だと言えます。

標準化が遅れてしまった「パレット」

物流は、大きさや重さなどを伴うフィジカルな仕事。その物理的な面での標準化の遅れが現場の非効率を引き起こしています。
例えば会社ごとに荷物を運ぶ「パレット」のサイズが異なり、互換性がないこと。実はこれが、手作業での積み下ろしを発生させている典型的な要因です。
同じサイズのパレットを企業間で共有することで、積み替えのない輸送が実現し、問題は解決します。私たちJPRは、創業以来T11型標準パレットの普及に挑戦し続けています。いち民間企業が、標準化の意義を訴えるという不思議な構図ではありますが、これまでに多くの企業に賛同や応援をいただき、今日では1000万枚を超えるパレットが企業から企業へと荷物を載せて輸送に使用されています。
ただ、標準化の取り組みは道半ば、すでに標準パレットを導入いただいている企業の利便性をもっと高めるためにも、利用の輪を広げていきたいと思っています。

参考
「2024年問題の対策にJPRが有効」2024年問題特設サイト
https://www.jpr.co.jp/year_2024_problem/