Poet to Poet: Contemporary Women Poets from Japan
『東北おんば訳 石川啄木のうた』という快挙を果たした「あらたかさん」こと新井高子氏から、素敵なオーストラリア土産が届いた。日本の女性現代詩人たちの英訳アンソロジーである。
新井高子、伊藤比呂美、平田俊子、川口晴美、河野聡子、三角みづ紀、山崎佳代子、と懐かしい名前が並ぶ。漢字でみても懐かしいのに、それが英語になってオーストラリア経由でやってくるとなお懐かしい。
石川逸子、岬多可子、中村祥子、初めて見る名前もある。どんな詩を書いているのだろう、と興味が湧く。英訳から読み始めるか、日本語の原文から入ってゆくか、愉しい悩みも対訳本ならではの醍醐味だ。
おや、中村祥子さんの名前はどこかでお目にかかったことがあるような。略歴を見てみると大船渡出身。やっぱりそうだ、『東北おんば訳 石川啄木』関連で、以前あらたかさんが送ってくださった雑誌のコピーで読んでいた。
あの詩が海を越えて、また戻ってきたのだあと思うと胸に迫るものがある。それにしても日本の女性詩人のエネルギーがこんなに生き生きと漲ったのは、平安時代以来ではないだろうか。噂にきく和泉や小野の歌に(翻訳を通して)耳を傾ける異人の心持ちでページをめくる。
編んだのはRina Kikuchi とJen Crawford。翻訳には他にJeffrey Anglesを含む数名が加わっている。こういう本が読めるのは、何よりも彼らのおかげだ。ありがたい。
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