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『あの町この劇場』


【はじめに】

戯曲を書いたら上演したくなりますよね。そもそも上演を前提として書かれる戯曲も多いでしょう。ではどんな劇場で上演したものか。地元の劇場ならまだしも遠く離れた土地にどんな劇場があるのかよくわからないものです。劇場以外にも、上演のできるカフェやギャラリー、アトリエ、空き地等々…、この場で少しづつ紹介できたらと思っています。

第1回 札幌に出来る新しい劇場「ジョブキタ北八劇場」 

紹介する人・福原充則          
※2024年4月13日時点での情報です

第1回として、24年5月にオープンを控えた札幌のジョブキタ北八劇場を一足先にのぞいてきましたので、ご紹介します。 ホームページはこちら(https://kita8theater.com)。

正式オープン前。床はまだ養生された状態

まずは基本情報から。

・最大客席数 226 席

客席の形、ある程度変えられます。二階席もあります。
嬉しいのは8席を取り外して、車椅子席4席として使用可能!

・間口:10.9m(約6 間)
・奥行:6.0~9.6m
・高さ:6.0m

しっかりと高さあります。袖の環境をみると、高さのあるセットの二階部分から登場、なんてことも可能だと思います。

場所は

・北海道札幌市北区北8条西1丁目3番地

となります。
札幌駅から徒歩5分ですね。2030年には北海道新幹線の延伸で新幹線も止まる札幌駅から徒歩5分!とっても大きなビルの2階になります。

大きくて綺麗なビルのエントランス
エスカレーターをあがって二階です
エスカレーターからすぐに劇場入り口が見えます
オフィスビルやホテルなどの3棟のビルの真ん中、48階建て(!)ビルの2階が劇場
もう一度、劇場入り口のおしゃれな看板を見て頂きましょう。 ここから中に入ると、
おしゃれなカーペットの通路と階段を通って劇場内に入るのですが、
お客さん向けの紹介ではなく使う側に向けての紹介なので…、裏導線から劇場の中へとご案内します。
わかりづらい写真ですが、みんな気になる搬入エレベーターです。しっかりとした大きさあります(W2.9×D2.2×H2.25 m/3tまでOK)。
このキャパサイズですと、手運びの劇場も多いので嬉しいですね。仕込み当日の舞監さんのご機嫌もばっちりです。
カーテンで仕切られた着替えスペースありの楽屋。充分な広さです
楽屋の水回り。マチソワの間にジンギスカン食べても、しっかり歯磨きできます。
もう一部屋、小部屋もあります

お待たせしました劇場内部です。

現在、オープニング公演「あっちこっち佐藤さん」稽古中
床面です。レイアウトは変更可です
一階席後方から見た画。幾人か映り込んでる方を敬称略で隠してみました
二階席もあるんです。二階席から見た様子
客席です。上の赤い列が二階席です
上手の袖です。わかりずらいですが天井は照明のあるところまで。
そしてこの上に二階部分の袖があります。
下手の袖です。それぞれ充分なサイズがあります。余裕をもった役者の待機場所としてはもちろん、大きな道具を隠しておいてインパクトのある登場を、なんてことも可能かと思います

ご覧の通り、とっても綺麗です(オープン前なので当たり前ですが)。スピーカー、プロジェクターなども新しい劇場にふさわしいスペックの物が入っています。そして二階席があるくらい天井が高いので、最大226席という大きさ以上の開放感があります。 また劇場内の音の反響などもとても芝居しやすいものになっていると思います。 私は最近禁煙したので、喫煙環境は調べてきませんでした…。

 小劇場のいいところである、繊細な芝居をじっくり見れるコンパクトさがありつつ、派手な演出にも対応できるタッパの高さ、袖の深さがあります。近辺の方はもちろん、他地域からツアーでいくとしても、どんな演目でも対応できる劇場だと思います。 

 またジョブキタ北八劇場は中長期的目標として、〝年1〜2作品のロングラン公演〟というのを目標に掲げています。そのために作り手、観客などを含む多方面の環境を成熟していこうとしています。劇作家の立場からしても、とてもワクワクする目標だと思います。

札幌には、BLOCHやコンカリーニョ、シアターZOOなどいい小劇場がありますので、ジョブキタ北八劇場が加わることで、さらに北の演劇シーンが盛り上がるといいなと思います。                       



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