乳腺炎の思い出(その6・完結編)
切開して3日後、ドレーンは取れた。
しかし傷口は相変わらずぱっくりなのでそこから乳汁は溢れ出る。
正規ルートよりもこちらのほうが多く出る。
時に詰まりの原因となっているであろう半個体のようなものもしばらくは出た。
これだけ生産されても廃棄される分が多ければなかなか虚しいものがある。
わたしは体質的に多乳タイプらしく、とにかく生産量が多い。
傷口の経過を診てもらうために乳腺外科へ行くと「すごく母乳が生産されてますね!だれもが羨むおっぱいですよ!」と言われたものの、それが原因でこんな自体になってるので素直に喜びづらい。
時に赤子が飲む量より多く生産してしまうため乳腺炎になる危険性も高い。
そんなこんなでぱっくりの傷口を開けたままマッサージには通い続け、もう定期的に通わなくてもいいよ、と言われるまで半年ほどかかった。
乳腺外科の先生には「とにかく食生活には気をつけて!私はメロンパン食べてなったから!出産よりも乳腺炎の方がキツかった!」と言われた。
しかし、産院の院長先生は食事の母乳への影響については否定的な考え方らしく、そんなものは気にしなくても良い、とのこと。
ここについては未だにはっきりとはなっていないが、とにかく原因はひとつでも消しておきたいと考えて、食事には気をつけるようにした。
また、ネットで調べて助産師さんにも相談してから取り入れたのは『牛蒡子(ゴボウシ)』という牛蒡の種を煎じて飲む漢方。苦くて激マズだけどがまんして飲んだ。
乳腺炎になりそう、とか、なってしまった、というときは葛根湯を飲むのも有効。これは一番初めに受信したときにも飲むように言われた。
漢方には身体を温める効果と冷やす効果のものがあるらしく、葛根湯は温める効果なので突発的に身体を温めて発汗発熱して治す。一方牛蒡子は冷やす方の効果を持っているので発熱が続いている身体を冷やしたり、患部が発熱してしまっていたらそれをクールダウンしてくれる。
牛蒡子の場合はクールダウンするだけではなく母乳をサラサラにする効果もあるそうなので、これも長い間飲んだ。
あと困ったのは、乳腺炎になった部分のまわりの皮膚が熱を持ち続けたことで硬結(いわゆるゆで卵状態)してしまい、乳汁が溜まってできたしこりなのか硬結によるしこりなのかがわからず、マッサージしてもらうときも手探り。
そして自分で搾乳するときにとても邪魔になって思うように搾乳できない。
この硬結も取れるまで半年ほどかかった。
この乳腺炎で何度も断乳の危機に陥ったが、助産師さんやお医者様の支えにより、断乳せずにいくことができた。
ほんとうに感謝しています。ありがとうございました。
そして自分がこんな状態になったからこそ主に助産師さんとはたくさんお話をする機会をいただき、たくさんの情報を取り入れることができた。
先程も先生によって言うことがちがうといったことがあるよう、特に母乳やおっぱいのことは未だにあまり研究がされておらず、処置をする現場の助産師さんでさえも結構手探りでやっている部分が多いそう。
偉い人、もっとちゃんと研究して〜!とのお話でした。
検索魔となってネットで調べまくっても検索結果の上から2,3個までの記事で言ってることが全然違うことも多かった。
これだけみんなが通る道なのに、あんまり研究されてないのも不思議な話だな、と思った。
妊娠中からジンクスもどきが大嫌いでしっかりとした研究結果に基づく理由付けがほしいわたしとしてはこの手探りでやっていく状況がほんとうにつらかった。
最終的には自分も納得できる形になってよかった。
まさか妊娠出産の後にこんな地獄が待ってるとは思わなかった…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?