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システム39と旅した10年 vol.3 「システム39リリース秘話 四宮靖隆」

このnoteについて

このnoteは、弊社を代表する対面開発サービス「システム39」が2024年6月30日に10周年を迎えることを記念し、スタートした連載企画です。
システム39とジョイゾーが歩んできた10年を振り返りながら、これまでお世話になった皆様への感謝とこれからの10年に向けたヒントを探していきます!
前回のnoteはこちら↓


今回のテーマは「システム39リリース秘話」

この記事では、ついに定額型対面開発サービス「システム39」の誕生秘話に迫ります。システム39の興りから成長までのストーリーを追い、その発想が生まれた背景と軌跡に焦点を当てます。SI業界に新しい風を吹き込む挑戦が、どのようにして実現されたのか、その裏側に迫ってみましょう!


SI業界への疑問がシステム39の原点

システム39の原点は、SI業界に新しい仕掛けを求める問いかけから生まれました。実はシステム39は当初ジョイゾーだけで立ち上げたものではありませんでした。先月公開したnoteで書かれている現トヨクモ株式会社で出会った町田拓也さんがシステム39の誕生には深く結びついています。

システム39はSIの現場で用いられる価値提供のあり方への疑問から生まれました。SI業界で用いられる見積もりの考え方「人月単価」は短期間で組み上げたシステムは安く、作成に時間をかけたシステムはそれだけ高くなるという構造になっています。
これはシステム開発によって果たされる本当の価値に目を向けていない形ではないか。
SIという事業の中で、何か新しい仕掛けをビジネスとして生み出すことはできないか、思案する中で生まれたのが、定額対面型のシステム開発であり、現在のシステム39の原型です。

リリース後間もない2015年のwebサイト システム39の形は現在に引き継がれています

この構想がある中で、町田拓也さんとジョイゾー四宮さんはサイボウズスタートアップス(現トヨクモ株式会社)で出会います。
現在まで引き継がれている要素の多いシステム39ですが、興味深いことに、この時点ではどのツールを使用するかまで決まっていなかったそうです。二人でサービス構想について話し合っていく中で、四宮さんが「『kintone』であればこのサービスはいける」と判断して、採用されました。kintoneのシンプルなシステム構築プロセスやユーザビリティに四宮さんが出会っていなければ、システム39とkintoneの結びつきが成立せず、10年という月日はあり得なかったかもしれません。

システムはカフェで出来上がる-システム39プレ

実は、サービスとしてのリリース前に、システム39をプレとして実施していた期間があります。このプレシステム39は、とあるゲーム会社向けに実施されたものでした。当時相談を受けた四宮さんはお客様と会う前、カフェで簡単にkintoneでのデモを作成したそうです。

いざお客様とお会いしてそのデモを見せると、「もうそれでいいです!」と。お客様が作りたかったものがすでに完成していました。さらに変更要求に対してもその場でkintoneの設定を変更して応えるとお客様はとても驚かれたそうです。お客様のニーズを捉えて、短時間でその場で作り上げることができるkintoneのポテンシャルと対面開発の価値に、この時気づいたと四宮さんは語ります。

当時から社内でもkintoneを使用していました 第0号の開発が記録されています

システム39リリース!-新しい道を切り開く!

そして、2014年6月30日、定額39万円、対面でシステムを開発するという新たなSIサービスとしてシステム39がスタートしました。

今でこそ定額制、対面型のシステムはよく見られるようになりましたが、この当時にはそういったSIサービスはほとんど存在しませんでした。元祖対面開発としてスタートしたわけですが、それは進む道を開拓しなければいけない茨の道でもありました。
お打ち合わせ2時間×3回+お直し回というビジネスモデルは初めは理解されづらく、お客様からの反応は小さいものでした。一方で同じSI事業を生業とする同じ業界の皆さんからの反応はかなり大きかったようです。同じ苦労を知るからこそ興味を持っていただけた、ということだと思います。
当時の様子についてはリリースから1年後、以下のようなインタビューでお話しています。

スタートはサイボウズのオフィスで

システム39の開発は来店型で行っており、リリース初期はサイボウズさんのオフィスの一角にあったカフェスペースをお借りして開始しました。週2回、受け付ける曜日を決めており、実際にお客様に来ていただいていました。リリース当時のお申し込みはかなり緩やかで、大体週一件あるかないか、という状態だったそうです。(実は現在のサイボウズさんのオフィスにあるカフェはシステム39などの利用を想定したもの、という噂も…)

今日はサイボウズさん本社移転前最終営業日。 相談カフェスペースをシステム39のお打ち合わせで、最後の最後まで使わせて頂いてきました。 お客様にも「今日が最終日なんですね?」と言われ、記念の写真撮影をお願いしてしまいました!(快諾頂きありがと...

Posted by 株式会社ジョイゾー on Friday, July 17, 2015

システム39は街角で見掛ける来店型の保険相談窓口をSI版として実現できないか、というイメージからスタートしたそうです。路面店のような形でフラッと立ち寄れて相談できる場所を作りたいという思いは今も変わっていません。

2014年、SIの未来を語る

この頃、サイボウズさんのイベントである「Cybozu Conference 2014」にシステム39を出展しています。Cybozu Conferenceは現在1年に一度行われるCybozu Daysの前身のイベントです。
この時セッションにも登壇しており、そのテーマが「私たちが新しいSIに進む理由~クラウド時代に生き残れるSIビジネスとは~」というものです。
同じSI業界の中で変革に挑む四名の一人として登壇しています。

既存のSI業界に切り込みながら、「納品のない受託開発」や「システム39」など新たな取り組みが何を変革しようとしているのか、未来を語っています。SIはもっと楽しく、価値あるものを提供できるという思いはこの当時から変わっていません。
四宮さんの語る「時間や場所にとらわれずに仕事ができるようになっているので、ワーキングマザーの能力を活かしたい。そういった方たちが働きやすい環境をシステム39で作っていきたい」という思いも、システム39の歩んできた10年の中で、実際に実現されてきました!

9月号はシステム39開始後のお話

今月はシステム39誕生秘話として、システム39リリースの背景や考え方、それに対する反応についてご紹介しました。今では当たり前になった対面開発も、当時は馴染みがないもので、理解されるまでには時間がかかったんですね。10年皆様に支えていただいたシステム39ですが、最初から全てがうまくいっていたわけではありません。
9月号はシステム39のフロントエンジニアとして最初期から活躍してきた四宮琴絵さんに話を聞きながら、システム39がどのように展開していったのか、その軌跡を辿ります!
是非お楽しみに!

バックナンバーは以下からご覧いただくことが可能です。是非ご覧ください!

(ライティング:小渡 拓、山本 かおり)

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