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【New Era小話】日本でヤンキース以外の帽子を見たいのだ。

本日はエッセイ的な自分が思っていることを書いてみる。

野球が好きな人もそうでない人も、人生で一度は見たことだろう「NY」ロゴのキャップ。

ニューヨーク・ヤンキースを示すそのロゴは元々ニューヨーク市警察の名誉勲章のロゴであり、あのティファニーがデザインした。

街中を行き交う人を見ると、キャップを被っている人は100とは言わないまでも7,80はヤンキースである。

最近は大谷選手の活躍もあってロサンゼルス・ドジャースの「LA」ロゴが入ったキャップをかぶる人も多いが、それでも俄然、NYロゴは街中で見かけるキャップのマジョリティである。

しかし一つ思う事がある。

本当に彼らはそれを、ヤンキースのキャップと認識し、それなりにチームへの愛着・リスペクトを持ってかぶってるのだろうか。

勿論ヤンキースについて知らない、ファッションアイテムとして着用しているだけ、という人を責めるつもりはない。

ただもう少しキャップ選びに選択の幅があって良いんじゃないか、と思うのだ。

元々野球帽を街中でかぶる、というアメリカ発の文化。
地元の(応援している)チームのキャップをかぶる、というのが出発点であった。

その中で日本ではヤンキースばかり目にするのは、何かと接点の多いニューヨークのファッションスタイルがそっくりそのままコピーされた結果なのだろう。
もし日本がフィラデルフィアのファッションスタイルをコピーしているなら日本中フィリーズキャップであふれていたはずだ。

日本人は同調圧力が働きやすいというか、回れ右しやすいというか……
そういう国民性もこの現象には関連していると思う。

好きな色、とかロゴがかっこいい、など些細なきっかけで良いと思うので、是非他球団のキャップにももっと目を向けてほしいな、と思う。

一方で、この話はキャップを着用する買い手だけの問題ではない気もする。

アメリカ文化を踏襲して地元チームのキャップをかぶる、というのなら東京の人は巨人、関西の人は阪神などのキャップをかぶっている人がいても良いのでは?とも思う。

しかし現在、野球場の周りでそういう人は見かけても、実際の生活シーンにも着用している人はあまり見かけない。

これはひとえに「ヤンキース以外の帽子もかぶれよ!」だけで済む問題ではない気がしている。
そもそも、日本プロ野球のキャップにおいて、日常使いできるデザインの物が少なすぎるのだ。

日本プロ野球は長年「おじさんくさい」というイメージがぬぐい切れない物だったと思う。

最近は各球団とも女性向けのグッズやイベントなどを多く展開し、老若男女問わずファンを獲得しようとしている姿勢は見られる。

しかしそもそもチームカラーから脱却したレベルの、本当にファッション向けとなったキャップ(やグッズ)というのがどこまで出ているのだろうか。

その話題で一つ、良い動きだと思った半面、残念と感じる事があった。
2024年シーズン、東京読売ジャイアンツはティファニーとのコラボイベント「Tiffany&Co. DAY」を開催した。

その試合限定として、普段使用しているビジターユニフォームのロゴの白色を、水色に変更。


画像元 https://www.giants.jp/news/23611/

巨人といえばオレンジ色をメインに、黒色や白色の配色でおなじみ。
そんな中で水色を使ってくるのは謂わば異例の事態である。

これは是非キャップをコレクションしたい、と考えていたのだが……。

公式サイトの以下の一文を見て落胆した。

なお、コラボレーションユニホームおよびキャップ、ソックスの販売はありませんので、予めご了承ください。

https://www.giants.jp/news/23611/

正直、「そういう所だぞ」と思わずツッコミを入れたくなった。

普段巨人にはあまり興味が無い自分でさえ、もしこの水色ロゴのキャップが販売されていたら真っ先に購入していた。

恐らく巨人・ティファニー・New Eraのいずれかがこの色使いのグッズが出回る事をよしとしなかったのだろう。
しかし1ユーザーへの商機を逃したことは間違いないのである。

球団ロゴは意匠物であるため、色使いや使用するまでのルールがしっかりと決められている事は想像に難くない。
しかしこういった各チームまったく異なるデザイン、色使いのキャップないしはグッズをもう少し展開しても良いのではないだろうか。

その問題には版権の管理体制がアメリカと異なっている事情もあるだろう。
アメリカでは全球団、MLBが一元管理をしている。どの球団のグッズを販売したい、となってもまずはMLBへ連絡を取ることから始めれば良い。

しかし日本だと各版権は各球団に管理をゆだねており、もし巨人と阪神、両方でグッズを販売する、となった場合、まずは巨人へお伺いし、その後阪神へもお伺いし……、という手間を取ることになる。
パシフィックリーグではその辺の管理をパシフィックリーグマーケティングという企業で一元管理し始めているので風通しが良くなってきているが。

黄色のベイスターズキャップだって見てみたいし、赤いファイターズのキャップだって見てみたい。
オレンジ色の阪神は……暴徒が出そうだけど。しかし阪神電車カラーと銘打てば行けるか。

最後までご覧いただきありがとうございました。
貴方に良いことがありますように。


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