90年代 香港っ子のプライドと、デモへの反応
赤いユウウツ
最近どんどん物騒なことになってきている香港。。
香港は世界でも大好きな都市のうちの一つで、もう何度も訪れている。
香港のイギリスから中国への返還は1997年7月1日。
返還前にも訪れたことがあり、返還後初めて渡香したときに
たくさん目にした赤い香港特別行政区の旗に
何とも言えない気分になったのを覚えている。。
* * *
90年代 香港っ子プライド - Susan のケース
90年代前半、イギリスでの大学生時代、
東洋人の学生といえば日本人か香港人、またはシンガポール人。
Chinese系といえばほとんどが香港人、シンガポール人、時々、台湾人。
たまーに中国本土から来ている人もいたが、「エリート」か
いわゆる「成金」のうちの子で、極々少数。
イギリス生活最後の1年間は、
香港人の子たちと大学の flat をシェアしていた。
そのうちの一人、一番年上の Susan は
日頃からよく「歯に衣着せぬ」発言をしていたが(苦笑
そんな中でも忘れられない言葉がある。
「香港人と、中国本土から来た人とは一緒にしないでね!」
具体的にどういう話の流れでその発言になったのか、
今となってはその記憶が曖昧になってしまってはいるが、要は
同じ大学に留学に来ていた、とある中国本土からの成金のお嬢様のことを
念頭に置いて言っていたのは、間違えない。
そのお嬢様はいろいろ個性的というか何というか、
言動やファッションなどが、西側寄りの東洋から来た人たちからみると、
ちょっと何かしらズレてる風で、
時々まわりが「あんぐり」させられることがあった。(苦笑
単に「成金のお嬢様だから」というだけではない。
あれは、「確実に育った地域(国)の影響も大いにあるよねー」
といった感じだった。。
それで先ほどの Susan の発言になったのだ。
その Susan をはじめ flat mate の彼女たちは、
ガッツリ英国統治時代の香港で教育を受けた子たち。
そのときに、
「あー、同じ中国系といっても、やっぱり香港の人たちは、
本土の人たちより自分たちの方が洗練されていて教養も高い、
というプライドみたいなものがあるんだなぁ〜」
と内心、興味深く思ったのを今でもよく覚えている。
***
「時を戻そう」 からの 「そんなバナナ」
今に「時を戻そう」。(ぺこぱ風)
中国本土への返還から、もう四半世紀 。。(冷汗
今では海外大学を目指す日本人学生の数はめっきり減り、
代わりに中国本土からの留学生の数が圧倒的に増え、
だいぶキャンパスの留学生勢力図も変わってしまっているのだろう。。
昨年夏頃、その少し前あたりから激化し出した
香港のデモに関するニュースを頻繁に見かけるようになって、
いてもたってもいられなくなり、久しぶりに香港のみんなに
「デモ隊と警察の衝突が激しくなってて心配だけど、大丈夫?」
と連絡を入れてみた。
するとあの Susan からは、
「自分の住んでいるところは安全だし、私と家族は大丈夫だけど、
みんなどうして自分たちの故郷(香港)をめちゃくちゃにするのか
理解できない。。」
という返事が来た。
私は少し困惑した。「そんなバナナ🍌」と。。
なぜなら、先述の学生時代のエピソードからも、
てっきりストレートにデモを応援している
というような返事が来るだろうと、勝手に思い込んでいたから。。
これって、デモには賛成だが、世代的にか
そのやり方には反対だからなのか、
それとも、(もともと/今は)親中派 or そっち寄りだからなのか。。
そういえば、彼女のお姉さんは北京に住んでいるって言ってたっけ。。
それ以上つっ込んでは聞かなかったので、彼女の真意はわからない。
とりあえず当たり障りのない返事をしてやりとりを終えた。
外国人とは宗教と政治の話はするな、というアレに従って。。
学生時代からの古い友達との関係は崩したくないし。。
(しかし典型的な日本人だな 苦笑)
でももしかすると、少なくとも物心ついた頃から
「1997年には返還されて中国の一部に戻るのだ」
という意識と覚悟みたいなものは、
返還前からずっとあったのかもしれない。
***
香港に “油を加えたい”!
返還されてから間もない頃にも香港で彼女たちに再会した際、
「最近本土から来る人たちが多くなってきて、
それによって治安が少し悪くなって、社会問題になっている」
と聞いていた。
今思えば、それでもまだまだいい時期だったと言えるのかもしれない。。
そして、先日の中国共産党による国家安全法可決。
約束だったはずの50年を待たずして、
どんどん赤色の完全支配が進もうとしている香港。
大好きな街のひとつが荒れているのを見るのは、純粋に悲しい。
でも完全に赤に染まってしまうと、正直
今までどおりの「ウキウキ♩お気楽な気持ち」では行けなくなると
個人的には思うし、完全に本土と同化されてしまい、
ごく普通の中国の一地方になってしまった香港では
今までの魅力が半減してしまうような気がしてならない。
国際政治的にも反対だ。
だから私は
Agnes(周庭)ちゃん(注: ヒナゲシさんのほうではなく・・ 笑)
たちを応援したい。
どうか香港は自由なまま、本当の意味での国際的な都市のままで。
香港ガンバレ、香港加油!