女医森しほの発達障害・グレーゾーン生きづらさ解消法

ゆうメンタルクリニックで働く産業医、皮膚科医、公認心理師。産業医は、すべての働く人を守…

女医森しほの発達障害・グレーゾーン生きづらさ解消法

ゆうメンタルクリニックで働く産業医、皮膚科医、公認心理師。産業医は、すべての働く人を守る医師。仕事のこと体調のこと人間関係のこと、働く人のすべての悩みに寄り添ってきた医師が、エビデンスに基く最強の仕事術・子育て術をお伝えします。

最近の記事

自分は発達障害かもしれず仕事がうまくいかない…とお悩みの方へ

こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 今回のコラムタイトルのようにお悩みの方へ まずお伝えしたいのが、 発達診断の有無よりも、 自分の特性を正確に把握し、苦手を克服することが大切ということです。 例えば、発達の特性によって 「耳からの情報が苦手でも映像には強い」などの得意不得意があります。 自分の特性を理解して、 まずは小さなことから工夫することで強みを活かすことができます。 自分の得意と苦手をしっかりと理解し、 それを仕事に活かそうとしている姿勢

    • 発達障害と診断されたお子さんが思春期に突入されてお悩みの方へ

      こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 小学校高学年になると、 次第に大人の目が届きにくくなり、人間関係の悩みも増えます。 子どもから相談されると、 親は「もっとこうした方がいい」とアドバイスをしがちですが、 心が弱っているときには「批判」と感じてしまうお子さんもいるかもしれません。 まずは「そのままの自分を受け入れてくれる」という安心感が必要です。 外で理不尽なことがあっても、 家庭が「心の安全基地」として機能していれば、 子どもは心の傷を癒し、

      • 乳児健診では問題なかったのに育てにくいのはなぜ?とお悩みの親御さんへ

        こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 今回監修させていただいたケースのように 大変な思いをされながらも自分を奮い立たせて頑張ってしまう方は、 助けを求めることが難しい場合もあります。 よく「もっと頼りましょう」と言われることが多いですが、 大抵は気力がないことが多いのではないでしょうか。 助けを求めることに不安を感じたり、 迷惑をかけるのではないかと考えたり、完璧主義が原因だったりします。 これには「アタッチメント」の形成が うまくいっていない場合も

        • 発達障害のお子さんにとって長期休みがあることのメリット・デメリットとその対策とは?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 親御さんにとっては長く、お子さんにとっては短い夏休みが終わり、新学期を迎えていることと思います。 こういった長期休みではリフレッシュできて、 休み明け元気に学校に通えるようになるお子さんもいるようで喜ばしい限りです。 しかし、一旦身についた習慣がリセットされると 困りごともその分増えてしまいます。 発達障害の傾向がある人は、 一度決まったルールを守るのが得意なことが多く、習慣化すると強いです。 ですが、せっかくの

        自分は発達障害かもしれず仕事がうまくいかない…とお悩みの方へ

          発達障害の診断を受けたお子さんの癇癪に困り果てている方へ

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 子育てには「こうすればよかった」という後悔がつきものです。 子どもを楽しませるために遠くのスーパーに行ったり、 帰りたがらないときには無理に連れ帰らずに付き合ったり、 事前に声をかけたりと、 さまざまな工夫をされている親御さんも多いのではないでしょうか。 それでも癇癪が収まらないこともよくあります。 子育てのコツを学び、気持ちに寄り添っても、うまくいかないこともあります。 親も人間なので、イライラすることもあるで

          発達障害の診断を受けたお子さんの癇癪に困り果てている方へ

          お子さんが不登校になったら…?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 学校はお子さんの健全な成長を支える場所であって、 毎日通えるのが理想ですが、 無理に登校させて精神的に不安定になるのは逆効果です。 お子さんの身体と心の状態に配慮しながら、 「休みたいときに休む」という選択も大切です。 お子さんの不安を受け入れて寄り添うことで、 「学校に行きたい」という気持ちが育っていくこともあります。 子育ての大きな目標は、 お子さんが自分を理解し コントロールできるようになることです。

          療育に通うことで得られることとは?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 療育は お子さんが社会生活をスムーズに送るために 必要なことや苦手な事を克服するのに大変役立ちます。 お子さんの成長はもちろんのこと 親御さんにもプラスな影響を与えてくれるのです。 お子さんが成長していくのに 「ついつい手を差し出したくなるのを、ぐっとこらえて見守る」ことが大切とよく言われます。 口で言うのは簡単ですが、実はとっても難しいことですよね。 療育では、 お子さんが【自立した大人になる】ための適切な

          場面緘黙になりやすい時期がある?ポイントと対応策のまとめ

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 いきなりですが、皆さんは場面緘黙(ばめんかんもく)をご存じでしょうか? <場面緘黙とは?> 特定の状況や場面で意思疎通が難しくなったり、 パニックになる状態を指します。 新しい環境や知らない人との交流によって、緊張や不安、ストレスを感じることが原因と言われます。 そのため、進級や入学の時期などは場面緘黙に関する相談が増えます。 <対策としては?> まずお子さんの不安に寄り添い、プレッシャーをかけないことが大切

          場面緘黙になりやすい時期がある?ポイントと対応策のまとめ

          ADHDの特性である忘れ物・紛失への対応策とは?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 発達障害やグレーゾーンの方にとって、忘れ物や物をなくすことは主な困りごとでもよくあげられます。 周囲からすると 「やる気がない」「だらしない」と誤解されがちですが 実際は本人が気を付けていても「うっかり」してしまうことが多いのです。 「次回は忘れないよう覚えておく」といった対策は効果がありません。 大切なのは 「物をなくす」「忘れる」ということを前提に準備すること! 具体的には、 ①よくなくすものはあらか

          ADHDの特性である忘れ物・紛失への対応策とは?

          お子さんが幼稚園・保育園になじめずお悩みの方へ

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 知的障害のなどの発達障害と診断されたお子さんの保護者さんより、 なかなか幼稚園・保育園になじめないようで悩んでいる というお声をいただきます。 発達傾向のあるなしにかかわらず、 どんなお子さんでも 新しい環境に入るときは、 期待と不安が混ざり、戸惑うものです。 時間をかけて適切にサポートすることで、徐々に幼稚園に慣れていくことができます。 その中でも発達に偏りがあるお子さんは 感覚過敏や集団行動が理解しにくいと

          お子さんが幼稚園・保育園になじめずお悩みの方へ

          強迫性障害の方が抱える"恐怖"や"不安"との上手な付き合い方とは?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 強迫性障害でお悩みの方へ まずお伝えしたいのは 『自分の感情を否定しない』ことが大切ということです。 多くの人がネガティブな感情になる瞬間があるかと思います。 そのネガティブな感情を受け入れられなかったり無視してしまうと、 後々になって感情が爆発したり、 うつ病や心身症などの問題につながってしまいます。 詳しくはリタリコ発達ナビさんの記事でお話しさせていただきました!

          強迫性障害の方が抱える"恐怖"や"不安"との上手な付き合い方とは?

          どっちも心配!イヤイヤ期がひどいもしくは全く無くてお悩みの親御さんへ

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 『イヤイヤ期』とは? 自我が芽生えだして、自分の気持ちをぶつけようとする時期です。 2歳ぐらいになると感情が複雑になるものの、うまく言葉にできない葛藤から『イヤ』となってしまいます。 徐々に自分の気持ちが理解できたり、相手に伝えられるようになる4歳程度で落ち着くといわれています。 イヤイヤ期の対応はなかなか骨の折れることと思いますが、 お子さんの意思や自立心の表れとして大切な時期です。 反対にイヤイヤ期

          どっちも心配!イヤイヤ期がひどいもしくは全く無くてお悩みの親御さんへ

          発達障害の子どもにとって将来への最善の道は?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 発達障害の特性上、学力が高くても 忘れ物や遅刻などが多いと内申点の面で心配になるという声を聞きます。 対策として、 早くから小中学生など早い時期から受験をして 私立に通うという方もいらっしゃいます。 こちらもたしかに選択肢の一つなのです。 もちろん先々のことを想定して 「もしこうだったら?」とシミュレーションするのも重要ですが、 結果が「後悔」に変わると、 現在のお子さんの姿を否定してしまうことになります。

          発達障害の子どもにとって将来への最善の道は?

          年齢はあくまでも目安!お子さんの発達がゆっくりで焦っている方へ

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 子どもと同じ年齢の子どもは発話や指差しができている… 周りの子どもよりも癇癪がひどい… など 発達傾向にあるお子さんを育てる 保護者の方からのお悩みを聞くことがあります。 周囲ができているのを見ると どうしても焦る気持ちや不安な気持ちがわいてきますよね… 例えば、発話ができるようになるまでは 言葉がお子さんの脳に蓄積され、 相手に伝えたいと思えるように社会性が発達する必要があります。 まだ見た目には現れていな

          年齢はあくまでも目安!お子さんの発達がゆっくりで焦っている方へ

          毎朝奮闘!発達傾向のあるお子さんの登園準備

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 突然ですが、 お子さんの朝の準備はどのご家庭もバタバタなのではないでしょうか? おもちゃに気を取られて食事が止まったり、 些細なことから癇癪を起してしまったりなど… 皆さま毎日本当にお疲れ様です。 少しでもスムーズに準備できるよう、 日々効果的な方法を探られているかもしれませんが、 なかなか「必勝法」がみつからないのがもどかしいところですね… 結局は試行錯誤を繰り返しながら、 お子さん1人ひとりの個性に合わせ

          毎朝奮闘!発達傾向のあるお子さんの登園準備

          知っておいて損はなし!療育手帳(愛の手帳)とは?

          こんにちは、ゆうメンタルクリニック医師の森しほです。 皆さんは療育手帳というものをご存じでしょうか? 呼び方は地域によって若干違いがあるようですが、 知的障がいがあると判定された方に交付される障がい者手帳です。 発達障がいの方の中でも、 知的障がいを伴う場合は対象になることもあります。 療育手帳の判定は 「支援のために総合的に判断されるもの」であり、 決して「お子さんの能力そのもの」を示すものではありません。 自治体によって内容は若干異なるようですが、 より良い

          知っておいて損はなし!療育手帳(愛の手帳)とは?