「おもちゃ当てゲーム」と話しかけること 盲導犬と暮らし、盲導犬と語る(23)
最近、シールと私はよく「おもちゃ当てゲーム」をやっています。
これは、シールが「遊ぼう!」とアピールしてきた時、どのおもちゃで遊びたいのかを私が当てる、というゲームです。
以前はこういう時、私がおもちゃ箱の中から適当におもちゃを選んで渡していましたが、これだとシールが「これじゃない」とばかりにそのおもちゃに反応しないことがしばしばありました。
そこで私は、
「シール、どのおもちゃで遊びたいかを教えて」と話しかけ、その直後に私の頭の中に浮かんだイメージと同じのおもちゃを渡すようにしてみました。
私が勉強しているアニマル・コミュニケーションでは、コミュニケーション相手の動物から送られるイメージを受け取る、ということをするので、その自主練習みたいなものです(笑)。
今朝も「遊ぼう!」とやってきたシールに「どのおもちゃで遊ぶか教えて」と話したら、頭の中にシールのお気に入りのおもちゃの一つのボーンのおもちゃのイメージがパッと浮かびました。
「おっ、これかな?」と言ってボーンのおもちゃを取り出して渡したら、シールはそれをくわえてうれしそうにグルグルと回りました。
このゲームをやるようになってから、おもちゃを渡した時に「これじゃない」とそっぽを向かれることがほぼなくなりました。でも、試しに何も考えずに適当におもちゃを渡すと、今でもしばしば「これじゃない」となるので、ある程度はシールのメッセージを受け取っているのかもしれません(笑)。
このゲームではずれることがなくなったら、もっと応用範囲を広げてみようと思います。
さて、以前に書いた『「シールほえないプロジェクト」開始』でシールのほえぐせを治すプロジェクトを始めてから、8か月がたちました。
いろいろ試した結果、現在は「ちゃんと話しかけて説明する作戦」をやっています。
例えば、もうすぐ治療のお客さんが来る時、私は次のようにシールに話しかけます。
「シール、もうすぐ●●さんが来るからね。ほら、シールのことが大好きな●●さんだよ。だから、ピンポンが鳴っても、ほえなくていいからね(ここで、ピンポン音が聞こえた後にほえるのをグッとがまんしているイメージを送る)。それから、●●さんが家に入ってきても、「ぼくがここにいるよ!」ってアピールしなくても、●●さんはシールがここにいることは知っているからね。だからほえる必要はないよ。治療が終わったら、●●さんには会えるからね。」
犬はもちろん言語は理解できません。でも、私たちが言葉にする前の「伝えようとしている「情報のかたまり」のようなものを敏感に感じ取ッているように思います。
たぶん動物たちは言葉をもたなくても、「伝えたい情報のかたまり」をテレパシーのようなものでやりとりしていると思うからです。
だから、ほえてしまうことをひたすら「ノー!」といって上から押さえつけるより、できるだけていねいに説明して、私が伝えようとしている「情報のかたまり」を感じ取ってもらう方が良いかも、と思ったのでした。
これをやり始めたら、私が話しかける時にシールがちゃんと目を覚ましていて、きちんと話を聞いているときには最初のピンポン音にもほえず、その後も全くほえないことが多くなりました。
もちろん、今でもシールが好きなお客さんが来るとうれしくなって「ぼくだよ!」みたいにほえたり、いきなりのピンポン音には警戒してほえてしまうこともまだまだありますが、それも「もうほえなくていいよ」と話しかけるとそれ以上はほえなくなってきました。
そしてちゃんと説明した後に全くほえないときは、
「全然ほえなかったね、えらいね、グッド!」と盛大に褒めます。
そんな時、シールは私がほめるために近づくのがわかっていて、得意そうにしっぽで床をポンポン叩いてほめられるのを待っているのでした(笑)
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