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14・暗黒の双璧を超えて〜まり婆、潜入します!

☆まさか、還暦を過ぎてもイジメ体験するなんて思ってもみなかった。施設はだれが繋がっているか解らなくて、簡単には相談も出来ない独特の世界。入居者さんの困りごとなら皆で対策を考えて解決出来るけれど、レクの様に軽い気持ちでイジメを行う人が居て、まり婆は毎日泣いたり、励まされたり笑ったりと忙しかったわ☆

〜オハグロ&ハラグロに挑む〜

介護施設での戦いは突然始まった。

オハグロの怒号が飛び交う職場。息子の「立派な介護施設で働いてみたら?」の言葉に押され、私はこの場所に足を踏み入れたのだが、初日から心が折れそうになる。

それでも、「この高齢者の新人を鍛え上げようとしてくれる先輩がいるのだから、ここで学ばせてもらおう」と自分に言い聞かせ、罵倒(ムチ)と慰め(アメ)の繰り返しに耐えていた。

そして現れた、新たな仲間——M君。

フィリピン出身のM君は、若さと明るさを持ち、漢字が苦手ながらも皆に可愛がられる存在だった。しかし、私と共通するのは「仕事が未熟で、キョドる」という点。これが、オハグロ&ハラグロ(ハラグロは私が辞める時に「イジメてゴメン」と謝ってくれたけど、遅いよね!?)に狙われる最大のポイントだった。毎日どちらかが、ストレス発散なのか?暇つぶしに狙って打ったイジメ玉が、私達の身体に当たり食い込む。結構凸凹傷になるのだ。

そんな私&M君のユニット名を「デッドボールズ」と決め、心で呼んでいた。

試練の連続。

ある日、リーダー風を吹かすハラグロが言い放つ。

「介護は理想じゃ解決しないのよ!!!」

散歩誘導の際に利用者様が手を差し出し、私が思わず手を繋ごうとしたその瞬間、オハグロが鋭い声を上げる。

「その人は手を繋いじゃダメなの!わからないの?」

昨日は良くて、今日は駄目?意味わからん・・・毎日、一挙手一投足を監視される日々が続いた。

追い詰められる新人たち。

そんな中、新人派遣さんと私が、夕食の試食を勧められる。

「ねぇ、あなた達、お腹空かない?夕飯が丁度2人分残っているんだけど試食したら?」

オハグロの甘い誘いに、疲れていた私たちは「そういうものなのか?」と受け入れてしまった。

しかし、その直後、施設長・ケアマネ・事務方が怒鳴り込んできた。

「あなた達!何やってるんですか!!!まだ仕事中ですよ!」

何が起こったのか分からないまま、謝罪し、事務所へ連行。

オハグロの姿は消えていた。

「…あいつ、どこへ消えた?」と、事務局スタッフが言う。

(あいつ?呼ばわりって事は、そう言われても仕方が無い人?)

出会ったばかりの二人、帰り道に反省会をした。

派遣さん曰く
"わかります?私達ハメられたんですよ!?私明日は行きませんから。"

翌日、新人派遣さんは連絡なしで退職。

私はファミレスでコーヒーをすすりながら、悔しさを噛み締めた。

その時、派遣さんが私に言った。

"あなたは辞めないの?あんな所最悪、働くところじゃない!"

"あなた、案外強いのね?" そういわれた。

「私、いつか書いてネタにしてやるもん。」


そう言いながらも、血便が出てポリープを取ったり、毎日朝になると涙が止まらなくて起きるのが辛くなりました。しかし、精神科を訪ねた際、先生に言われたのも「あなた、実は強い。一応、頓服出しておくけど通わなくて大丈夫だ。ただ、素手で戦うのは間違い。相手が介護福祉士なら、あなたも同じ資格を取って戦いなさい。」と励ましを受けました。
国家資格に挑戦するスイッチを入れてくれたドクターに感謝しています。

♡今日も読んで下さり有難うございます。「お給料は我慢料」と、共働きの母が言っていたのを思い出します。あなたはどんな気持ちでお金を稼いでいますか♡


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ありん
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