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月1の安らぎ
そんな日々が続く中、月に一度は父の家に泊まりに行っていた。
その時間が本当に幸せだった。
だが、それが男は面白くなかったようだ。
父の所に行く前後には必ず、酷い罰ゲームを課してきた。
父が帰った後、お風呂場で何度泣いたことだろう。
「帰らないで」
「助けて」
「辛いよ」
誰の耳に届く事もない、悲痛な私の胸の内だった。
父にも、新しいママにも、自分達の置かれている状況は話せなかった。
余計な心配をかけたくなかった。
手の掛かる子供だと思われたくなかった。
私が小学3年生の頃、父と新しいママの間に子供が産まれ、その2年後にはもう1人産まれた。
すると、それまで月に一度だったのが、だんだん間が延びていき、とうとう会えなくなってしまった。
私は、自分の居場所は何処にも無いんだと悟った。