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地域猫活動 その45

 いつも記事をお読みいただきまして、ありがとうございます。ドタバタしているうちに、3月に入りましたね。


やればできること

 この、地域猫活動43の記事でもお伝えいたしましたが、私の住む地域には、長年、それも30年以上も前から、特定の飼い主がいない猫(俗に言う野良猫たち)に無責任に餌を与えて、毎年無責任に繁殖させ、地域住民に多大な迷惑をかけてきた人物がいることは前述の記事のとおりです。
 私たち住民は、これまでこの者による迷惑行為が公的機関から咎められることもなく、すなわち「やりたい放題」になっているのに対して、泣き寝入りするしかありませんでした。しかし、きちんと市役所から認可を受けた地域猫活動というボランティア活動に対して、明らかに妨害になっていることも大きかったのです。そこで、私と地域住民が連携して証拠などを揃えて、再三にわたり市役所に要請していたことが功を奏しまして、2月の上旬に市役所と保健所が連携して、この者の家を訪問して、猫の適正飼育と地域猫に対する不適切な餌やりなどを指導を入れるということができました。
 ただ、これに関しては、これですべて解決したわけではありませんが、これまで一度もできなかった、公的機関からの指導ということを実現し、一歩前に踏み出したことになります。「やればできる」ということを、地域住民が実感しました。

次なる課題とも関わりますが

 実は、この迷惑者の婆さんとは、私も少しだけ(前回のように熱くならないように気をつけて)話をしましたが、その日以来、公園や公共施設の駐車場などでの、いわゆる「置き餌」が一度も見られなくなったのです。
 ただ、この者が自宅に勝手に地域猫たちを招待してご馳走しているとしたら、それは外部から確認できないことであり、今回指導を受けた際に、本人はもとより身内がどう思っているかに、すべてかかっています。それ以外には、初めて猫を3匹飼っていると言ったそうですが、本当に3匹なのか、また、避妊・去勢手術はしてあるのか、あるいはこれからするつもりなのか、まだ不明な点は多々あります。
 そこで、この問題の家というのは、私猫じい家からは、直接見ることができる場所ではないので、近所の人々にご協力をいただいて、気になることがあったら、すぐ知らせてもらえるようにしてあります。 

 さて、次の課題は、当地での地域猫活動で、繁殖制限が一旦収束と見ていいのかどうか、見極める必要があります。まずは、2月中旬時点で、まだ捕獲できず残っている確認済み猫の中で、性別がわかっているのはオスが3頭、メスが1頭、それに性別不明が1頭です。
 いずれにしても、2月に入ってからは、猫たちが敏感に日照時間を感知して、毎年恒例の発情期が始まってます。まず、2月の前半の収穫といえば、茶トラの猫が2頭で、どちらもオス。茶トラは8割がオスだから仕方がないとしても、実はこの2頭は想定外の個体でした。ただ、この茶トラ2頭については、万が一にも飼い猫だったら大変なことになるので、念のため、近所の猫がいるお宅には、すべて確認しました。

では、この子たちの出身地は?

 結果として、2月中には、合計4頭の地域猫を捕獲することができましたが、茶トラのオス1頭は、どう見てもまだ1歳未満で、捕獲器に入っていた時点から、何だか人に慣れているような感じで、この様子をSNSで知人に見せたところ、これなら譲渡できるかも知れないということで、うちに来てもらった際に、預かって行ってくれました。
 そしてもう1頭の茶トラはTNR。しかし、考えてみれば、当地では、個体確認が取れていて、現在消息がはっきりしている猫の中には、茶トラは数が少なく、しかもわかっている限りでは、2年前までに手術を終えています。さらに茶トラが生まれそうなDNAを持つ三毛猫も、一昨年の秋に手術を終えていることから、親が一体どの猫なのかが、全くわからなくなってきます。
 さらに、猫の習性を考えると、益々わからなくなるのは、隣接する地域からの「よそ者」だとすると、当地で猫が絶滅したわけではないので、喧嘩になって追い出されないのが不思議なのです。そうなると、猫が安心して居場所にできる所を、無責任に提供している者がいるという考えが浮かんできます。これは、前々から近所でも、問題の人がよそから猫を持ち込んでいるという噂は立っていました。
 ただ、これだけは、決定的な証拠がつかめなかったので、あくまでも推測になりますが、状況から判断して、ほぼ間違いないと思いました。つまり、繁殖可能なメス猫がもう残っていないはずなのに、「そこの家で子猫を見かけるようになったのはなぜ?」ということなんです。

あの人と話してみたけど

 2月に、その問題の人と話をした際に、私はあまり根掘り葉掘りいろいろなことを問いただしたりしませんでしたが、飼い猫がいるのだったら、ちゃんと首輪をしてくれないと、誤って捕獲されて動物病院に連れて行かれることを伝え、避妊手術をしているかどうかを尋ねました。「手術してます」とはっきり言ってました。さらに、かわいそうだと思っても、よそから猫を拾って来ないようにということを念を押しておきました。
 しかし、正直なところ、いくつか質問した時点で私は矛盾点を見つけて、この人の言っていることは、全く信用できないと思いました。特に、避妊手術してますというのは、絶対ウソだと思いました。そりゃそうです。これで正直に、しかも正確に全部話をするような人なら、この問題はとっくに解決していたはずです。
 まず、お散歩だと言って、わざわざ日が暮れてから、しかも真っ暗な場所に、女性が一人で行くこと自体不自然ですよね。(近所の奥さん達が呆れてます)そして、その時連れて歩いている猫というのが、私が確認していた中で、一年前から捕まらなくて困っていた若いメス猫なんです。まあ、それはいいとしても、3匹飼っていると言う、あと2匹はどんな色柄の猫なのか尋ねても、グレーの子と白、という答えでした。
 これについては、怒るというよりも、むしろ私は思わずニヤッと笑ってしまいました。私猫じいをはじめ、地域猫活動にご協力いただいている皆さんと綿密に調査していることを、この人はかなり甘く見ているらしいのです。
 私たちは、2019年から「地域猫台帳」を作成して情報を共有し、飼い主のいない猫たちを管理しています。もちろん、死亡した猫の情報があれば、遺体の身元確認まで行ってます。そういう関係で、「よそ者」の猫がいたら、すぐわかります。それで、グレーの猫というのは、実にいい加減な答えで、そんな珍しい色柄の猫は当地にはいません。もし飼っていると言うのならば、完璧に私や近所の人の目に触れないように隠してあるか、もしくは口から出任せを言っているかどちらかです。それに、真っ白な猫は実在しますが、当地の地域猫ではたった1頭しかおらず、それも一昨年の正月に猫じい家で捕獲され、手術して(さくら耳になって)います。しかもその個体は、あの家に勝手に出入りしているのを、何人もの住民に目撃されています。つまり、「ウソばっかり!」なのですねえ。

奇跡のようなことが起きたけど

 ここまで、他人の悪口ばかり綴ったようになってしまい、お読みいただいた皆様には恐縮です。

この子は捕獲して初めてメスとわかった

 2月も中旬を過ぎた頃、捕獲作戦の実施中に、自作したセンサーのアラームが知らせたことにより、捕獲器を仕掛けた場所に行って見ると、こんな猫が入っていました。背中の頂上部分に特異な形の白い模様があるので、昨年から存在は知っていましたが、捕まえてみてびっくり。何とこれがメスだったんです。
 そして、もっとびっくりしたのは、その日の夜です。2月上旬にあの人が公的機関から指導を受けて以来、また同じ事を繰り返していないかという点検と、捕獲器を仕掛けた場所で、捕獲器が盗難にあったり、心ない者にイタズラされたりするトラブルを避けるためにも、地域の人と見回りを欠かさず行っているところでした。

こんな人懐こい猫とは知らなかった

 何と、近づいてくる猫は、私がハルミという地域猫名をつけた若いメスで、一年前から捕まらなくて困っていた猫でした。そうです。あの問題の婆さんが連れて歩いていた猫です。
 私は、はやる心をグッと抑えて、決して威かさないように姿勢を低くしてハルミを誘うと、手が届く場所まで来ました。そして、ハルミは体をクネクネさせたり、地面でゴロゴロ転がったりしています。これはどうやら、発情の時の行動ではないかと思い、何とかしてあげたいと考えましたが、ここで警戒されて逃げられたら、二度とチャンスはないかも知れないと思い、つい慎重になりました。
 さらに、「飼い猫だ」と言っていたので、少しのためらいはありましたが、懐中電灯に照らされたハルミの顔を見ると、かわいそうに、猫風邪で目やにが出て、顔がぐちゃぐちゃになっていました。しかも約束した首輪は付けていないし、相変わらず出入り自由で大事な子を夜間外に出している。私はそれを見た瞬間怒りがこみ上げてきました。「こんなヤツが飼い主を名乗れるか」と思い、強硬手段に出ることを決意しました。なぜなら、このままこのメス猫を帰してしまったら、あの人は、手術なんか絶対やってないし、今後もやる気がないというのは明白だったからです。そうすると、間違いなく、初夏の頃になって、また子猫が何匹もという構図が見えてくるのです。それこそ、ハルミには何の罪もないことなんです。
 それに、強硬手段に出て、TNRを決行した場合でも、あの婆さんは、文句なんか絶対に言えるはずもなく、もしも文句などうっかり口に出してしまうと、「やぶ蛇」になって自分の立場が不利になる事はわかりますね。
 猫じいは、ハルミの捕獲に成功しました。これには、地域住民の環境問題と、猫の保護がかかっています。

これがハルミ。捕獲時は目がもっと汚れてました。

 術後の様子については、動画にまとめましたので、よかったらどうぞ、ご覧ください。

 今回実行したことが、吉と出るか凶と出るかは、今はまだ答えが出せません。ハルミは現在我が家で治療中です。この子が突然いなくなってしまい寂しいという気持ちが、あの人にほんのわずかに、かけらでも良いから起きてくれれば少しは進歩があると思いますが、たぶん無理でしょう。

 本日も最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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