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森田療法/ただやる態度

私は鈴木診療所の元患者です。鈴木知準先生は我々に作業を促す時、「目的意識を持て」とか「やるべきことをやれ」とは言いませんでした。代わりに「すっとやる」「ちょろんとやる」と事前に構えるのではなく、心が自由に動くような態度を望みました。神経症、強迫観念の人は意志の力が強い。心が固まってしまいます。その心を流れるように自由に動かすためにまずする事。それは構える事なく初めに手をつけるのです。それが大切。それができれば神経症克服の第一歩。粘り強く続けていくうちに心が変化します。

初めは目的意識もあるはずなのです。「治したいから作業をしよう!やるべきことをやろう!」そうなるのはある意味当然です。しかし洗練されてくると心の内容に変化が起きる。「ただやる」状況になります。「すっと手が出る。すっと心が動く。意識せずに...…」。そうなったらしめたもの。淡々としているようですが心は大きく喜びます。「そのもの」だけ、目の前にあるものに心を集中する。それはありがたいことです。そういう精神の発露を感じることができるのです。

世間一般の森田療法の考え方ではないかもしれません。ただそれは先生の言っていた「現在になりきる」、ひいては「あるがまま」と全く同一です。今の心の態度そのものなのです。禅仏教の影響もありますが、それは森田先生も同じようなことを言っています。むしろ今の方々が言い得ていないことに私は疑問を思います。分かっている方々もいるのでしょう。あまりお会いしたことはありませんが..…。鈴木先生の教えには感謝して生活しております。ごく普通の生活ですけどね。

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