セイル

数年前、27年勤めた会社を早期退職・セミリタイアしました。有り余る時間を活用して、色々…

セイル

数年前、27年勤めた会社を早期退職・セミリタイアしました。有り余る時間を活用して、色々と考察したこと(とりあえず、漢文など言語のこと、セミリタイアのことなど)をツラツラと書いていきます。いちおう、大学と大学院で理学士と文学修士はとっています。

マガジン

  • 漢文訓読のための古典文法

    漢文を訓読していくために必要な日本語の古典文法(訓読文法)を、なるべく網羅的にまとめていきます。  古典文法と訓読文法はある程度は重なってはいても、異なっているところもあります。そこで、私の読書経験のなかで、訓読文法をツールとして整理していき、まとまり次第、順次投稿していきます。

  • 日本語

    日本語の文法などについての個人的な考察・まとめ

記事一覧

漢文訓読のための古典文法【要約版】

■はじめに ※詳細は、『はじめに』参照。 「漢文訓読の古典文法」という記事をアップし続けていたら、結構な分量になってしまったため、要約版を作成し、そこから各記…

セイル
2か月前
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助動詞編(5) 《なり/たり》&形容動詞~漢文訓読のための古典文法

【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまっ…

セイル
3か月前

助動詞編(4) 《ごとし/ごとくなり/ごとくす》~漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんで…

セイル
4か月前
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助動詞編(3) 《ん/む》《べし》~漢文訓読のための古典文法

***  【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らん…

セイル
4か月前
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助動詞編(2) 《たり/り》《き》~漢文訓読のための古典文法

***  【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らん…

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4か月前

助動詞編(1) 《る/らる》《しむ》《ず》~漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんで…

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4か月前
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形容詞編 ~ 漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんで…

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4か月前
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動詞編(2) 注意を要する動詞~漢文訓読のための古典文法

* * * 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らん…

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4か月前
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動詞編(1) 動詞の活用と接続~漢文訓読のための古典文法

【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。  想定以上にボリュームが膨らんでしま…

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4か月前
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漢文訓読のための古典文法~はじめに~

 本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものですが、想定以上にボリュームが膨らんでしまいました。  そ…

セイル
4か月前
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文法上許容スベキ事項 本文テキスト

概要 江戸幕府が倒れ、明治の世が訪れてなお、日本語は平安文学や漢文訓読に基礎をおく文語体で書かれていました。  しかし、平安時代が終わって既に数百年、いわゆる「…

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4か月前
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漢文訓読のための古典文法【要約版】

■はじめに ※詳細は、『はじめに』参照。 「漢文訓読の古典文法」という記事をアップし続けていたら、結構な分量になってしまったため、要約版を作成し、そこから各記事にとべるようにしました。 このシリーズは、漢文を訓読するための文法と、平安文学に基礎を置いている古典文法にズレがあることに、やりづらさを感じていた私が、個人の用途として書き綴ったものになります。 本記事に現れる活用表等は、次のpdfファイルにまとめてあります。適宜、ダウンロードやプリントアウト等をしてご活用下さ

助動詞編(5) 《なり/たり》&形容動詞~漢文訓読のための古典文法

【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.概要《なり》と《たり》には使い分けがある  一般の古典文法の参考書では《なり》と《たり》が、一緒くたに「断定の助動詞」と括られ、その違いについては、「《たり》は漢文訓読調の文章に

助動詞編(4) 《ごとし/ごとくなり/ごとくす》~漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.《ごとし》活用と接続  《ごとし》は、漢字では《如》《若》か、再読文字《猶》(なほ~ごとし)に相当する助動詞で、意味としては単純明快、「~のようだ」と訳せば、大体それで

助動詞編(3) 《ん/む》《べし》~漢文訓読のための古典文法

***  【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.推量の助動詞について 前記事において、時を表わす助動詞として《り》,《たり》,《き》《ん》をピックアップしました。うち、《ん》は、前三者と異なり、未来を表わし得る言い回

助動詞編(2) 《たり/り》《き》~漢文訓読のための古典文法

***  【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.時を表わす助動詞について 時を表わす助動詞(完了・存続等を含む)として、古典文法においては《つ》《ぬ》《たり》《り》《き》《けり》《む》《けむ》など多数登場します。

助動詞編(1) 《る/らる》《しむ》《ず》~漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.助動詞について序論本企画で扱う助動詞について  本企画で扱う助動詞は、漢文訓読においてよく現れるものに限定し、4回に分けて説明します。 ●助動詞編(1) 《る/らる》

形容詞編 ~ 漢文訓読のための古典文法

*** 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.形容詞の活用と接続「ク活用」と「シク活用」  一般に、古典形容詞の活用には「ク活用」と「シク活用」があるとされます。  しかし、この二つの活用の違いは微小で、本質的に

動詞編(2) 注意を要する動詞~漢文訓読のための古典文法

* * * 【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。 想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) * * *  前回は、一般的な動詞の活用とその接続について述べましたが、今回は、一般論に従わなかったり、その他、注意すべき動詞について述べていきます。  発展的な内容を含むため

動詞編(1) 動詞の活用と接続~漢文訓読のための古典文法

【はじめに】  本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものです。  想定以上にボリュームが膨らんでしまったため、まずは次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております) *** 1.活用と接続 漢文訓読において、カ変、ナ変、下一段活用はほとんど用いられないので(次回で詳しく説明)、ここではそれ以外の活用、すなわち、四段活用、下二段活用、上二段活用、上一段活用

漢文訓読のための古典文法~はじめに~

 本企画は、漢文訓読に用いられる日本語の古典文法について、なるべく多くのことを盛り込みつつまとめたものですが、想定以上にボリュームが膨らんでしまいました。  そこで、要約版として一つの投稿にまとめました。まずは、次の要約版から入って頂けるとよいと思います(各種活用表のpdf版もダウンロードできるようになっております)。 本企画の目的 本企画の目的は、漢文を訓読していくために必要な日本語の古典文法(訓読文法ということにします)を、なるべく網羅的にまとめることです。  とはい

文法上許容スベキ事項 本文テキスト

概要 江戸幕府が倒れ、明治の世が訪れてなお、日本語は平安文学や漢文訓読に基礎をおく文語体で書かれていました。  しかし、平安時代が終わって既に数百年、いわゆる「古典文法」では説明できない言い回しも少なからず用いられるようになっていたのが実態です。  これらを一方的に「誤り」として退けることは、平安以降の多数の価値ある文章の読解、また、明治時代、現に用いられていた文体の運用に支障をきたすことにもなりかねません。  そこで文部省は、この種の言い回しのうち、許容すべきものを抜粋し