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金欠ラーメン探訪記〜一杯目〜代々木RAMEN TOMIRAI
1週間の労働(バイト)を乗り越え、友人のライブを見に代々木へ。
普段あまり降りないサラリーマンの街。美味そうな店が立ち並ぶ。当然、抑えていたラーメン欲は高まり、解放しようと決意した。
立ち寄った店は「RAMEN TOMIRAI」。店内は洒落たジャズが流れ、ほんのり電灯も暗めに設定。隠れ家のような雰囲気だ。
豚骨魚介が売りらしく、特製の大盛りを注文。
大槻班長に「欲望の解放が、下手、、!」なんて言われないよう、兼ねてより溜めていたラーメン欲を北里柴三郎に載せ、券売機にぶち込み胸を躍らせる。
2階席に通されるとバーにあるような高めのカウンター椅子に座った。
ほどなくラーメンが届く。水菜のさっぱりした香りがし、その下に見えるドロドロのスープを見ただけでアドレナリンは全開に。
セオリーは無視する天邪鬼なれど、さすがにこれはとスープから飲む。
豚骨魚介その名の通り、と言うより思ってよりも荒々しく豚と魚が主張してきて驚いた。繊細なラーメンをイメージしたが良い意味で裏切られた。
例えると、豚と魚が河川敷で喧嘩した後語り合って親友になったような味。野生味があってこれは旨い。
麺は中太もちもち。こちらもスープの野生味と合っている。炙られたチャーシューも旨い。
だが、、、ラーメン欲の開放、、失敗、、、!
これにはちゃんと理由がある。とっても旨いラーメンなのだが、食べ進めていくうちにどこか違和感を感じ始めている自分に気づいた。
旨い、たしかに美味いけれどなにかが違う。というより自分に会っていない。
違和感の正体を探した。ジャズの流れる店内、間接照明、高めのカウンターと椅子、
これは、、ライフステージが違う。いや、解放させる欲求が違うのかもしれない。
自分が求めていたのは昂るラーメン欲を解放させ、余裕のないギリギリの状態でチャーシュー麺を頼み背徳感を感じながら麺を啜りチャーシューに齧り付く。
案の定パンパンの腹とにんにくの香り、糖質スパイクでフラフラになった頭で店を出ると少しだけ日が眩しく見えるような、そんなパンチ力に溢れたラーメンだった。
これはいわば高度数のスト缶、二次会からのカラオケ。リスクを被ることは御免の上欲求に正直になる瞬間が欲しかっただけだったのだ。
このラーメンは言うなら出張先で買う地ビール、もしくはシンクの下に隠したウィスキー。週半ばのグリーン車。
嗜みつつ、明日への英気を養うご褒美だった。
結果、これはラーメン屋と私にとってお互い、まったくのターゲット違い。やむなし。
この経験から自分が求めるラーメン像が見えてるきた気がする。記事にすることから背伸びをしてしまったが自分の欲求には常に正直に耳を傾けることを学んだ。
サラリーマンの街、代々木。
明日もわからぬ身でスカジャン着てラーメン啜っていたのは自分だけだったかもしれない。
このラーメンを本気で味わいたいならライフステージを上げてからまた挑もう。
まずは次回のラーメンイメージが浮かんだ。にんにく、入れっぞ!!