勤務歴だけでは高い解像度で専門性を語れない
大企業で長く、同じ分野の仕事を続けてきて専門家を自認している人が、
定年や早期退職となったときに...
自分のこれまでのキャリアを活かして専門家として
中小企業で活躍したいと履歴書を送るのですが、
なかなか思い通りに再就職できない現実があります。
長く仕事をしてきて、その分野では
実力も実績もあり社内での評価も高い人なのに、です。
会社員だった人の多くは「勤務歴」でしか専門性を語れない
一つの会社だけで長く働いている人の多くは、
自分は「仕事ができる」と評価する基準が
今の会社で、長くやってきた
仕事には自信がある、実績もある
社内での評価も高い
と言うものです。
特に大企業で働いている人は、
この経験を中小企業で活かそう、活躍できると考えます。
そう考える人に見られるのが...
「大企業で実績を上げてきたから中小企業だったら楽勝だ..」
に近い意識です。
そして、中小企業の採用に応募する文書が
・履歴書
・職務経歴書
くらいです。
これでは
「○○会社で、○○を、〇〇年やってきた」
「○○や○○と言う実績もある」
と言うように語るしかできません。
これでも、2~3時間積極的に対話できれば伝わるのでしょうが...
何ができる人か、どんな専門性がある人か分からない状態で
そんな、長々と時間をかけてくれる会社はありません。
勤務歴では、専門性を伝えられないのです。
持てる専門性を、正しく語れないと相手にされない
昔なら、大企業で実績のある人だからと中小企業が
喜んで役職者として迎えた時期がありました。
要するに「おまかせします、よろしくお願いします」と言う受入れです。
ですが、組織の違いのために上手く行かない例がたくさんありました。
理由は、大企業に比べて文化や組織運営の仕組みが未整備だからです。
環境の整備された大企業で働いていた人では
・専門家としての力があっても
・発揮する環境づくりができなかった
と言うことです。
今は、どうでしょうか?
中小企業では仕事の仕組みも文化も、どんどん進化しています。
そこで、専門家が欲しいということは...
その会社の、専門技術を向上させたいという要求があるのです。
要するに、必要な専門性が明確なのです。
そんな相手に、勤務歴を語るだけでは...
面接まで行くことも難しく
面接まで行っても、なかなか採用にまで行きつけません。
ある人は、20数社に履歴書を送って面接までいけたのが2社。
でも、その2社でも採用にはならない、という現実がありました。
本人は、これまで頑張ってきたのに、どこも受け入れてもらえない。
「俺は、こんなに実績も上げ実力もあるのに」と
その厳しい現実に、打ちひしがれてしまいます。
そして、酒浸りの日々へ。
以前の会社の部下が見かけた時に
「会社にいた時は、カッコ良かったのに...」という言葉が出るほど
悲しい状況に陥ってしまう人もいます。
語れなくても実力のある人はいるが...
目の前に自分の得意な仕事(課題)が提示されたら
・現場に入れば、部下も指導できる
・協力会社をコントロールして
・プレイングマネージャーとして専門性を発揮できる
と言う実力のある人はいます。
これができる条件は
・あなたが、そのテーマの実力があることを知っている人がいること
・あなたのために、誰かが仕事(課題)を用意してくれること
なのです。
会社員なら、「この問題は得意な、あいつにやらせよう」となります。
会社に行けば、自分を活かす仕事を与えられるのです。
要するに...
活躍するために適切な「場」を与えてもらう
必要があるということです。
「場」を与えてもらうために必要なことは
・自分の個性
・自分の持っている「価値」
・分かりやすく表現して伝え
・正しく理解してもらう
と言うことが必要になります。
会社員として、長く働くなら必要ありません。
ですから、初めて転職する独立するという人が戸惑うのです。
必要なことは、キャリア(Career)とスキル(skill)で語ること
必要なことは2つです。
キャリア(Career)を語ること、スキル(skill)を語ることです。
キャリア(Career)を語ることは、
これまで、何をやってきたか、どんな経験があるか信用を得る土台となります。
ちゃんと働いてきて、実績を上げたことは信用の裏付けとなります。
ですから、しっかり語ることが必要です。
でも、経歴を語るだけではダメ。
必要なのはスキル(skill)とセットで語ること。
経験の中から何を得て、どんな価値を提供できるのかを
高い解像度で専門性を発信することです。
ただ、資格を持っているから専門家だと言う人がいます...
資格を持っていない人と比べるなら「選ばれる理由」になります。
ですが、資格を持っている競争相手と比べたら?
他の有資格者と違う「選ばれる理由」を提示することが必要です。
発信すべき違いは、
・その人にしかできないこと
・経験から得たオリジナルノウハウ
があることです。
自分の長い職業経験から得たオリジナルノウハウがあることは、
自信を持って発信できる「勝負スキル」となり、違いを主張できます。
そして、このノウハウを高い解像度で語ることで信頼され頼りにされます。
唯一の存在、自分のブランディングの強化ともなります。
どこかで習ったこと、教えてもらったことだけで「専門家です」では
競争相手がたくさんいるのです。
どうしたらスキル(skill)を高い解像度で語れるのか!
スキルを高い解像度で語るためには、単に自分の「できること」を述べるだけでなく、
・問題解決能力
・意思決定力
・コミュニケーションスキル
・業務改善方法
・生産性の向上
....
などなど、たくさんのスキルの深さや具体的な方法・考え方が必要です。
先人の積上げた理論やノウハウを「学習」することは必要です。
でも、その「学習」だけでは限界があります。
勉強している人ながら誰でも知っているノウハウなのです。
その学びを土台として、現場で「研究」することが必要です。
現場に立って、
・気づいて
・考えて
・工夫したこと
を文書にしてコツコツ書き溜めることです。
文書にすると、あやふやな表現はできません。
・正しい言語化
・分かりやすい構造化
が必要となり論理性を担保できます。
それを、5年・10年・20年書き溜めると、かなりの量になります。
量が増えると体系の完成度が高まっていきます。
体系化できるとオリジナルなノウハウとしての価値が高まります。
オリジナルノウハウを積み上げることで成長
自分のオリジナルノウハウを積み上げることは、
個人の成長やビジネスの成功において極めて重要です。
自分の頭の記憶に頼るのはもったいないのです。
何も書いていないと5年・10年経つと忘れます。
過去の失敗や困難を克服した経験が記憶から抜け落ちます。
しっかり記録してあると20年経ってもありありと思い出せ、
事例を上げながら克服の仕方をノウハウとして語れます。
オリジナルノウハウを積上げることで
・他者との差別化
・専門性の強化
・自己ブランドの確立
・信頼と実績の証明
・新しいビジネス機会の創出
・価値を生み出す基盤
などを強化することで、自己の成長につながります。
是非、コツコツと書き溜めましょう。
ただ、アウトプットは苦しいです。
でも、それを乗る越えると...
だんだんと楽しくなります。
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日々の「学び」で、未来の自分をプロデュースする
自分商品化ナビゲーター (図解の池田)
池田 秀敏
URL: https://www.teoria.co.jp/index2.html
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私が提案するのは、積上げた「学び」を
「知的資産」にして専門家として活躍すること!
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