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ショーボンドHD ~鉄壁の財務基盤の「造らない」建設会社~

建設会社と聞いて皆さんはどのような企業をイメージしますか?

鹿島、大成建設、清水建設、竹中工務店、大林組のようなスーパーゼネコンや大和ハウス、積水ハウスといったハウスメーカーをイメージする人が多いかと思います。

これらの企業に共通するのは建物を「造る」会社ですよね。

しかし、「造らない」建設会社があるのをご存じでしょうか。
それが今回紹介するショーボンドHDです。

建設会社なのに「造らない」のはどういうこと?と思う人もいると思いますが、ショーボンドHDが行うのは「建物のメンテナンス」です。

つまり、建造物の補修・修繕専業の企業なのです。


ショーボンドHDのビジネス

ショーボンドHDは、橋梁や高速道路などのコンクリート構造物(社会インフラ)や建物の補修や補強工事を手掛ける国内最大手企業です。


コンクリート構造物の建設や補修に必要な接着剤や装置などを開発し、インフラ整備関連の需要を取り込んで成長してきました。

もともとは昭和工業という社名でしたが、建築用の接着剤である「ショーボンド」を開発したことから今の社名になりました。

1964年に発生した新潟地震の復旧の際にショーボンドを使うと早期で復旧ができたため、ここから今の補修・メンテナンスのビジネスモデルを確立して今に至ります。

https://www.sho-bondhd.jp/results/


ショーボンドHDの強みはインフラ関連に食い込んでいることです。

ショーボンドHDへ補修の依頼をする発注者を見てみると、国土交通省、地方自治体、高速道路(ネクスコ)がメインで95%以上を占めています。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/1414/tdnet/2488887/00.pdf


国や地方自治体、社会インフラの企業が顧客なのでそうそう依頼が減少することはないですし、今は特に高速道路の修繕が増加傾向です。

CMでも「高速道路リニューアル工事」を見る機会が増えたと思いませんか?

日本の高速道路の総延長は約9,000キロに及び、そのうち4割程度が修繕が必要な時期を迎えているのです。

また、首都高速道路、阪神高速道路に関しても修繕は喫緊の課題となっています。

https://www.e-nexco.co.jp/renewal/


さらに、国土交通省によると橋梁のメンテナンスも喫緊の課題です。
建設後50年を超える橋梁の割合は2032年には約59%になるとされており、老朽化が深刻な問題になっています。

https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/torikumi.pdf


このような事実からショーボンドHDの受注残高は積みあがっているのです。

棒グラフが受注残高


事業内容や発注者を見てもショーボンドHDは他の建設企業と比べて安定している企業と言えると思います。

今後、アジアを中心に新興国のインフラ関連需要を取り込むことができればさらにショーボンドHDは飛躍すると思います。

少子高齢化、人口減少が進む日本では、高度成長期のように国内の公共事業が増加し、建材や建設関連の企業業績が大きく拡大する展開は期待しづらいです。

国内で収益の大半を確保しているショーボンドHDにとっては、収益源を分散する意義はあると思います。

もちろんショーボンドHDも海外展開に注力すると中期経営計画で説明しており、アメリカやアジアを中心に海外事業を始めています。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/1414/tdnet/2488887/00.pdf


各種指標

売上・営業利益

https://irbank.net/E00329/results#c_1


ショーボンドHDの売上・営業利益は順調に伸びています。
10期連続で増収増益という驚異的なビジネスをしていますね。

また、営業利益率は20%を超えているため、ショーボンドは稼げるビジネスを展開しているといえるでしょう。

https://irbank.net/E00329/results#c_1


ちなみにスーパーゼネコンの1社である清水建設の営業利益率を見ると以いかにショーボンドの数字が驚異的かわかるかと思います。

https://irbank.net/E00053/results#c_31


EPS(1株利益)

https://irbank.net/E00329/results#c_1


EPSは1株当たりいくら儲けているかを表す指標でこの数字が成長しているほど稼ぐ力を高めていると判断できます。

ショーボンドHDのEPSは素晴らしいと言えます。
ほぼ毎年着実に増加していますし、まさに右肩上がりと言えますね。

安定したビジネスを行っているので今後も成長していくのが容易に想像できると思います。


自己資本比率

https://irbank.net/E00329/results#c_12


自己資本比率は企業の財務健全性を見るための指標でこの数字が高ければ高いほど安全と言えます。

ショーボンドHDの自己資本比率は80%程度であり、鉄壁と言えるでしょう。
総資産も着実に積み増しがされており、事業継続に不安な部分はありません。


配当・配当性向

https://irbank.net/E00329/results#c_22


ショーボンドHDは15期連続増配を達成している企業です。
増配開始前から比較すると約7倍にまで配当金が増えています。

配当性向は50%程度ですが、ショーボンドHDは総還元性向を75%とするとしており、配当+自社株買いでしっかり75%を還元してくれています。

https://irbank.net/E00329/results#c_22


中期経営計画では2027年までに総還元性向を80%まで高めるとしており、今後もさらなる株主還元が期待できますね。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/1414/tdnet/2488887/00.pdf


ひとつ付け加えると、ショーボンドHDの配当方針は業績連動型ということです。
つまり業績が悪化すると減配がある可能性があります。

https://www.sho-bondhd.jp/ir/stock/dividend/


ただ、業績は絶好調ですし受注残高も着実に積みあがっています。
今後も安定した事業基盤があると言えますのでしばらくは減配がない企業と考えていいのではないでしょうか。

建物のメンテナンスという目立たないけれど「絶対に必要な仕事」をしているショーボンドHDはなくてはならない企業です。

今後も社会の安全を守り、次世代にインフラを引き継いでほしいと思いますので応援していきます。

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