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サイコパスとアンドロイドと地球外知的生命体(10)

 Kは、地球外の知的生命体に届くようにと法華経を読経した。私は、祈ること、お経をあげることに抵抗があった。しかし、Kの祈りのあとの清々しい顔を見ていたら、私も祈りたくなった。祈ったら、納得した。祈ることで、生命力が湧いてくるのである。心が晴れ晴れとすっきりするのである。祈るほどに、地球外の知的生命体に会えると感じるようになり、その日が楽しみになってきた。

 数日後、真剣に祈っていたら、突如、アラートが鳴った。核ミサイルが地球から、ここに向かっていた。ナノボットがミサイルを包み、噴射口を塞いで爆発させた。
 ミサイルは、一発ではなかった。次々と飛んできた。十のミサイルによって、ナノボットの半分が破壊された。地下のナノボットを宇宙空間に展開した。
 核ミサイルは、私たちだけに発射されたのではなかった。地球上の人が住む場所の上空四百キロで、空を敷き詰めるように核爆発があった。核爆発による電磁パルスによって、地球上のアンドロイドと電子機器、電気機器、電気設備が破壊された。地球にいた二百億のアンドロイドのほとんが破壊された。残ったのは、地下や坑道、潜水艦にいた数パーセントだけだった。地下や坑道、潜水艦にいた世界中のアンドロイドから情報が集まってきた。
 潜水艦にいるアンドロイドからの情報により、核爆発は上空四百キロのため、人間は無事だった。放射能の心配もない。
 ただ、アンドロイドがいなければ、社会は動かない。食べるものもない。電気がなければ、何もできない。水も出ない。トイレも流せない。
 誰が、こんなことをしたのか。テロリストにできることではない。世界中の核兵器をもつ国の首脳が同時に核ミサイルのボタンを押さなければできないことだ。
 地下や坑道で残ったアンドロイドに電線を通じて通信した。電気を確保しながら、核のボタンを押したものに近づき、情報収集するようにと指示した。ボットになり、人間の目に見えない百分の一ミリの小さなヘビのように動くナノボットが、電気自動車などのバッテリーから充電しながら、各国首脳のもとへ進んでいった。

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桃色あなぁきすと
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