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仏教用語に学ぶ現実生活を生き抜く知恵(2)「桜梅桃李(おうばいとおり)」〜ありのままの個性を肯定し、輝かせる

「桜梅桃李」とは、文字の通り、桜、梅、桃、李(すもも)のことです。
 どれも、同じような樹木です。
しかし、実る果実は、まったく違います。

人間も、皆、同じ人間です。
しかし、性格は、全員ちがいます。
自信に満ち溢れた人もいます。
自己肯定感の低い人もいます。
日本人は、外国人と比べると、自己肯定感の低い人が多いとの調査結果があります。

これは、なぜでしょうか。
他人と比較してしまうからです。
これは、意味がありません。
全員違うのですから、比較のしようがありません。

たとえば、リーダーシップをとる人がいます。こうした人と比較して、おとなしい人は、自分はダメな人間だと落ち込んだりします。
しかし、全員がリーダーシップをとったら、まとまりがつきません。
少数のリーダーがいて、ほとんどの人はリーダーにはなりません。そうでないと、うまくいきません。

また、よく話す人と比較して、おとなしい人は、自分は話が下手だと落ち込んだりします。
しかし、聞く人がいなければ、話す人は、話すことができません。
「桜梅桃李」は、すべての人には使命、役割があることを教えています。
そして、ありのままの自分を、そのまま磨き、輝かせていくことを教えています。
おとなしい人は、おとなしいまま、聞き上手になれば良いのです。
あらゆる会話の上達法の本には、会話のうまい人は、聞き上手と書いてあります。
話しが下手でも良いのです。

また、学校教育では、勉強ができることが評価されます。
そして、全教科ができる人が国立大学にいけます。
しかし、人間には、さまざまな才能があります。
「誰でも、何かの天才」という言葉があります。
NHKの番組「ザ・プロフェッショナル」には、清掃のプロなど、目立たない仕事を一生懸命やっている人も登場します。
こうした人を見ていると、心から、誰でも何かの天才になれると思います。
自分が、こうなると決めて、そこに向かって努力することが大切です。

一番多い、自己肯定感の低い原因は、まじめだからです。
まじめな人は、努力しているのに、努力が足りないと考えてしまいがちです。
結果が出ないと、そう考えます。
そして、うつ病になる人もいます。
まじめな人は、それ以上、頑張りすぎないでください。
まじめな人は、まじめなだけで100点満点です。
何か、苦手なこと、人よりも劣るところがあったとしても、まじめなら、それだけでいいのです。

上司が、足りないところを注意したとしても、先生が、苦手な教科を頑張れといったとしても、気にしないでください。
その場では、笑顔で「はい、わかりました」と言ってください。
この点は、以下に書きました。
仏教用語に学ぶ現実生活を生き抜く知恵(1)「四苦八苦」〜人間関係の悩みを乗り越える
こちらをお読みください。

人間は、千差万別です。
「桜梅桃李」は、その個性を認め、その個性を磨き、輝かせていくことを教えています。
頑張ってください。
皆様が幸せになられることを祈っております。

最後に、金子みすゞの有名な詩を紹介します。

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