短編小説/天井にお月様
子供の頃から暗い部屋が嫌いで寝る時も豆電を点けていた。
実家の私の部屋の照明は半透明のカバーが嵌まった四角形。
豆電にすると丸いぼうっとした山吹色の明かりが灯って
まるでお月様みたいだった。
それを見上げてると安心する。
眠れない時は自作のお話を作ったり週刊漫画の続きを考えたりして
毛布にくるまりながら睡魔がやってくるまで過ごす。
いつしか目の前がぼやけてくる。
瞼のカーテンがゆっくり閉じる間際に見えるのは滲むお月様。
おやすみって言ってるみたいにそっと消えてゆく。
そうして