わたりどり通信

形式にこだわらずなんでも書きます。 猫とジェンツーペンギンをこよなく愛す。 南極に住み…

わたりどり通信

形式にこだわらずなんでも書きます。 猫とジェンツーペンギンをこよなく愛す。 南極に住みたい。創作する全ての人に敬意を。

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最近の記事

普通の日

 今日は仕事のあとに長年親しくしてる人とご飯を食べに行った 「また落選しちゃったよ」と報告 「あれはつまんなかったから仕方ないよ」とひでえ返事  まあ落ちたってことはそういうことだからしょうがない  でもそのあと「まだそんなもんじゃないよね」と言うので  眠れる才能のことかと思いきや 「本当はもっと変人なんだから  まともっぽっくまとめようとしないで  ひんまがったものそのまま書いたら」だってよ  ははっ 笑っちまったぜ  直球ズバンとミットにいい音したな  つまんな

    • 短編小説/君のおっぱいが見たい・推し活編③

         法定内の金融会社はサラリーマンなら年収の3分の1は貸してくれる。  となれば3000万の年収がなければ1000万借りられない。  そんだけ金ある奴が借りるわけねーだろ!  こっちは今すぐ必要なんだ!  しかしウ○ジマくんみたいな所はさすがに怖い。   けどハルコは多分そうしてでもDVDを買って欲しいのだ。    「ハルコが好きじゃないの?」  そう問われてる。  もちろん好きだ。ガチ恋してる。だから今まで応援してきた。  じゃあどうするんだよ。やるの?やらないの?  

      • 短編小説/君のおっぱいが見たい・推し活編②

        ハルコを知ったのは八年前。秋葉原のライブハウス。 ゲームを買いに行った帰りに通りかかった告知ポスターにつられた。 誰この子。可愛い。 暇だったし、見たいなと思った。 当時の『ガールフレンド☆エトセトラ』は今より客がいなかった。 でもステージの彼女らはキラキラしていた。 歌って踊って跳び跳ねてコール&レスポンスを煽る。 そしてハルコはひときわ輝いていた。 この人は他の女の子と違う。天からの衝撃。感電した。 ライブのあとにおそるおそる握手会に参加した。 1000円払ってCD を

        • 短編小説/君のおっぱいが見たい・推し活編①

           大事件だ。  国崎護はスマホを握ったまま飛び起きた。  推しアイドル「蝶人ハルコ」のオフィシャルのXにとんでもない情報が   乗っていたからだ。   『明日発売する蝶人ハルコのライブDVD に付いている  応募シールを3000枚集めた方の中から抽選で  蝶人ハルコのおっぱい生で見せます』  うえー!なんだよこれえ?まじかよおおおお!  国崎は朝から絶叫した。  八年前からの国崎の推し「蝶人ハルコ」はソロで活動する地下アイドル。   一昨年までは「ガールフレンド☆エトセト

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        • 書いてみりゃわかるさ
          5本
        • 20字小説
          4本
        • 17本
        • 短編小説
          17本
        • いいかげんで偽りのない僕のすべて
          18本
        • 恋愛小説
          4本

        記事

          作品よ行っておいで

          自分の書いたものにあまり執着がない。 世に発したらもう自分の手は離れたと思う。 成人した子供が実家を出て一人暮らしを始めたような感覚だ。 自分の役目はこれで終わり。 いちいち詮索しないし、どこで何をしてようと気にしない。 元気ならそれでいい。可愛がってもらっておいでという感じ。 ここ最近書き手さんの朗読が流行っている。 そしてご自身の作品より他の書き手さんの好きな記事を選ぶのが多い。 とても素晴らしい交流だと思う。 紹介しながら自身の別の顔も見せることのできる新しい表現

          作品よ行っておいで

          美しいごほうび

          拙作「駆け込み乗車はお止め下さい」に収められている「ミワさん」を 静森あこさんが朗読して下さいました! とても良いので是非聴いてください。 色んなこといっぱい書くつもりだったんですけど 結局嬉しい以外何もないです。 無名のnoter に光を照らして下さったことにただ感謝しています。 静森さんの声があやうくて可愛らしくて胸がいっぱいになります。 書くことは好きでも公開することは自分にはあまり意味がないなと感じ 今月か来月にnote を辞めようかと思っていたのですが このように

          美しいごほうび

          短編小説/Sweet Quiet Forest

          心臓をテーマにした短編集です。 ①【プレゼント】 「パパ、届いたわよ。私の欲しかったもの」    大きな箱を抱えたアネットは早速リボンをほどいた。 「ほう。例のあれかい?」 「そうよ。ネットにあった『黒いサンタクロース』にお願いしたの。  ふーん。悪いことする奴でも形はみんな同じなのね。ほら見てパパ。  去年学校の帰りに車に私を押し込めて服を脱がそうとした男の心臓よ」  赤い塊を持ち上げてくすくす笑うアネットの鼓動もくすくすと鳴った。 ②【願い】 病室にやって来

          短編小説/Sweet Quiet Forest

          詩/わたりどりぱたぱた

              音楽が好き   でもそんなにたくさんの音楽は知らない   詳しいジャンルはあるけど   専門的な知識はない   その周辺に至るエポックは分からない   音楽の話がしたいのに   そのぐらいで音楽が好きって言うなって   笑われて弾かれる   本が好き   でもそんなにたくさんは読んでない   文学の分析や評価の話はしたくない   どれだけ面白いか   どれだけ興奮したかを伝えたいだけ   でも読み解かないと   ちゃんと読んでないことにされる   本を読まない日は一

          詩/わたりどりぱたぱた

          短編小説/駆け込み乗車はお止め下さい

          こちらは恋をテーマにした企画の規格外作品です。 知った当日が締切日だったのと 規定の文字数を大幅に越えてしまったので出せませんでした。 けど書きたくなって書いてしまいました。 お断りなくお題をお借りして申し訳ございません🙏🙏🙏 ①【駆け込み乗車はお止め下さい】  私が走ってるのは遅刻しそうだからではない。7時47分発の電車に乗ればあの人に会えるからだ。  階段を上がって二つ目の柱。6号車の停車場所。あの人は毎日ここから電車に乗る。ラフなスーツと黒いスマホを手に。  年は私

          短編小説/駆け込み乗車はお止め下さい

          詩/変身願望

           僕がいい人でなくても 世界は特に変わらない

          短編小説/マイネームイズ 宇宙くん

           宇宙くんが転校してきて二ヶ月が経った。どうやら学校に馴染んできているようだ。見たことのない六角形のランドセルは体の小さい宇宙くんには大きすぎて、後ろからだとでっかい亀が歩いてるみたいだった。同じ四年生や 五、六年生にからかわれても、宇宙くんはメソメソしたり、先生に言いつけたりしない。 「ノー、プログレム。君は友達だ」  謎の言葉だけを言い返す。「コイツ何言ってんの?」とはじめはみんな笑う。ケラケラする連中を宇宙くんはじいっと見つめてくる。おかっぱ頭の揃えた前髪の下にある

          短編小説/マイネームイズ 宇宙くん

          夏なので短編怪談/あけない

           日曜日の夜だから早く寝るつもりだったのに、また一時を過ぎてしまった。明日から一週間が始まる。仕事もあるし、早く床に就こうと思っていたはずが、スマホを手にすると、面白そうな記事や動画につい目が止まってしまい、気が付けば深夜を回っていた。  とうとうスマホの充電も残り3%と表示された。さっきから電池マークが赤くなってるのに気付いてたけれど、寝る前に充電するしとギリギリまでいじっていたが、もう終わりにしろのサインが出てる。ちょうどいい。寝るための区切りがついたと画面を消した。 「

          夏なので短編怪談/あけない

          詩/小雨

              彼は人の気持ちが分からない   無意識のうちに人を傷つける   そのことにすら   彼は気付いていない   彼は世界に興味がない   なんのニュースも関心がない   その都度の目的を果たせば   もうなにもすることがない   もうやりたいこともない   彼はまるでにわか雨   刹那の生き物   誰かをひととき不快にして   誰かをひととき喜ばす   そして止まらずに去ってゆく   僕は時々   彼という雨を乞う   乾ききった退屈が   分かり合えないコミュニケ

          初めての感想文/知ってしまったから

          あらかじめお詫びしておきます。 気分を害されたらすみません。 自分のような弱小物書きが人様の作品について語るなぞ 恐れ多いことですが 「応援してもよい期間」というのに乗じて 創作大賞投稿作の感想を少しだけ書いてみようと思います。 ただ感想文がとても苦手なので、拙い文になってしまいますが いずれも素晴らしいなあと思うクリエイターさんです。 フォローしていない方もおられるので 「どちら様でござんしょ?」とぽかんとされるかもしれませんが ひそかなファンとして恐縮ながら書かせて頂きま

          初めての感想文/知ってしまったから

          この手の中にあるものは

          創作をしていて手が止まるのは 自分で書いてるくせに自分でつまらなくなっている時だ。 思い付いた設定に喜び勇んで書き出したが そもそものテーマも目的もないのでゴールを見失う。 創作をしていると創作してる自分に酔う。 人と違う視点、違う感性を持っていて、 色んな人がいることを肯定しようとするから寛大になった気になる。 けどそれこそが錯覚だ。 本当に寛大な人間は作家にはならない。 許す側ではなく許されなくてもいい側にいられる人が寛大なのである。 それに気付かないまま書き続けると 生

          この手の中にあるものは

          【創作大賞参加作品】いいかげんで偽りのない僕のすべてのすべて 紹介と追記

          創作大賞参加作品「いいかげんで偽りのない僕のすべて」 無事投稿を終えました。間に合ってよかったです。 10万字前後。量も時間も長かった。自分お疲れ様。 同じく応募された方々もお疲れ様でした。 これからゆっくり読ませて頂きます。 この話を読んで下さった方。これから読まれる方にこぼれ話を。 この作品を書くにあたってひとつ参考になった映画があります。 1963年作の「狂ったバカンス」というイタリア映画です。 フランス生まれの女優カトリーヌ・スパークの小悪魔的魅力が多いに堪能でき

          【創作大賞参加作品】いいかげんで偽りのない僕のすべてのすべて 紹介と追記