批判されることへの恐怖を抱いている方へ
日々、入居者様のケアを大切にしながら仕事に向き合っていますが、介護の現場では、仲間や上司、家族からの評価や反応が大きな影響を持ちます。
そのため、時に「批判されるかも」という不安や恐怖を感じることも多いのではないでしょうか。
「もっとこうすべきだったかもしれない」「あの時の対応が間違っていたのではないか」などの不安がよぎり、心に小さな棘のように残る感覚を持つこともあるでしょう。
ですが、同じような悩みを抱える人は少なくありません。今日は、そんな「批判されることへの恐怖」との向き合い方についてお話ししたいと思います。
なぜ批判が恐ろしいのかを知る
まず、批判に対する恐怖がなぜ生まれるのかについて考えてみましょう。多くの場合、批判が怖いのは「自分の価値が否定されてしまうのではないか」という思いがあるからです。
「仕事ができない」と思われたくない、「期待されているのにそれに応えられない」と感じたくない。
こうした気持ちは、責任感が強い方や完璧主義の方ほど抱えがちです。
また、介護職のように「人の役に立ちたい」という思いで仕事に取り組んでいる人にとって、批判はその気持ちを否定されるように感じられることもあります。
「一生懸命やっているのに、なぜ批判されるのか」と感じると、自己評価が下がり、自信を失う原因にもなります。
批判の「意味」を考える
批判に対する恐怖を和らげるには、まず「批判の意味」を考えることが大切です。
批判には、相手が私たちの行動や言葉に疑問を感じているというメッセージが含まれています。時には、感情的な意見や誤解もあるでしょう。
しかし、批判がすべて「あなたはダメだ」と言っているわけではないのです。
特に、介護の現場ではさまざまな価値観や立場の違いがあるため、一人一人の意見が異なることは自然なことです。
批判をすべて否定的なものと捉えるのではなく、「異なる意見」として受け止めることができると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
完璧を求めず、自分の成長の糧にする
批判されると、「完璧でなければならない」というプレッシャーを感じることがあります。
しかし、完璧でいることは、特に介護のように人と向き合う仕事においては現実的ではありません。
私たちは、日々変わる状況や入居者様の状態に合わせ、最善を尽くしていますが、時に予想外の事態や他者の意見の違いが生じるのも自然なことです。
批判されたときには、それを成長の糧と捉える視点を持つと良いかもしれません。
「これは自分にとって何を意味するのだろう」「どうすればもっと良くできるだろうか」と考えることで、批判が単なる痛みではなく、自分をより良くする材料として役立つのです。
これは難しいことですが、視点を変えるだけで、批判がもたらす負担が少し軽くなります。
「自己肯定感」を育てる
批判に強くなるためには、自分自身の肯定感を育てることが大切です。自己肯定感が高いと、批判されても「自分には価値がある」という自信が揺るがなくなります。
自己肯定感を育てるためには、小さな成功体験や、自分の得意なこと、良いところに目を向けることが有効です。
例えば、日々の介護の中で「今日は〇〇さんに笑顔でありがとうと言われた」「自分の対応で入居者様が安心してくれた」など、些細な出来事を自分の価値として積み重ねていきましょう。
そうすることで、批判に対しても「自分は自分で良い」という感覚が強くなります。
感情を受け止める
批判に対する恐怖を感じたとき、その感情に蓋をするのではなく、受け止めることが大切です。
批判を受けると、心が傷つき、逃げたくなる気持ちになるのも当然です。そうした気持ちを「自分の弱さ」として否定するのではなく、「今、私は傷ついている」と素直に認めることが、心を楽にします。
介護職は心の強さが求められる仕事ですが、その強さとは、感情を無視することではなく、感情に正直に向き合うことです。
「傷つくこともある」「時には落ち込んでもいい」という許可を自分に与えることで、心の負担が軽減され、長く働き続けられる力になります。
批判の中で「役に立つもの」を選び取る
批判の中には、時に私たちにとって成長の糧となる要素が含まれていますが、すべてを受け入れる必要はありません。
自分にとって役に立つ部分を選び取り、他は流すことも大切です。
例えば、「もっと入居者様の気持ちを考えて対応してほしい」と言われたときには、「それでは自分ができることは何か?」と考え、取り入れるだけでも良いのです。
批判の全てに耳を傾けると、必要以上に負担を感じてしまいます。
「これは今の自分にとって必要な意見なのか?」と一呼吸おきながら考える習慣をつけると、自分にとって必要なものだけを選び取り、心のバランスを保つことができます。
自分を大切にすることを忘れない
批判に悩まされているときこそ、自分を大切にすることが重要です。介護職は、他者へのケアを中心とした仕事ですが、だからこそ自分自身の心のケアも必要です。
自分を大切にできていれば、批判を受けても「それがすべて自分の評価ではない」と気づけるようになります。
例えば、定期的にリフレッシュする時間を設けたり、趣味を楽しんだり、心が安らぐひとときを持つことで、日々の疲れやストレスが癒され、批判に対する抵抗力が高まります。
周りのサポートを頼る
批判への恐怖は、孤独の中で感じるとより強くなりがちです。介護の現場では、一人ではなく、チームで協力し合いながら働いていることを思い出しましょう。
同僚や上司に自分の感じたことを相談したり、アドバイスをもらうことは、気持ちの整理に役立ちます。
「自分が批判されたことで、他の人に迷惑がかかるかもしれない」と感じるかもしれませんが、介護の仕事は決して一人で行うものではありません。
共に働く仲間の力を借り、励まし合うことで、批判への恐怖を和らげることができます。
批判に対する恐怖を抱えることは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、それは自分がより良いケアを提供しようとする責任感の表れであり、大切な気持ちだと思っています。
自分が批判に対して恐怖を感じるのは、自分の仕事に誇りと責任感を持っているからこそ。
その気持ちを大切にしつつ、批判を恐れずに向き合うことができれば、介護の仕事もより楽しく、心に余裕を持ちながら取り組むことができるでしょう。
これからも少しずつ自分を励まし、批判に対する恐怖心と上手に付き合いながら歩んでいけるよう、応援しています。
批判を怖がることは誰にでもある自然な感情ですが、それに対する対処法を学び、少しずつ「恐怖」を「自分を成長させるチャンス」と捉えられるようになれば、あなたの仕事への姿勢や心持ちが大きく変わります。
そして、その変化は、きっと入居者様や同僚、周囲の方々にも良い影響を与えるはずです。
お互い、自分を大切にしながら、介護という素晴らしい仕事に誇りを持って進んでいきましょう。
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