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自分の存在、ついつい忘れていませんか?

こんにちは。私は老人ホームで働いている介護士です。この仕事をしていると、人の生き方やその人自身が持つ「存在意義」について深く考える瞬間がよくあります。

特に感じるのは、人が年齢を重ねる中で、自分の存在をいつの間にか「脇役」に追いやってしまうことがある、ということです。

もしかすると、今これを読んでいるあなたも「自分の存在」を見失いかけているのではないでしょうか?

家族や仕事、周りの人の期待に応えることに一生懸命になり、自分自身を後回しにしている……そんなことはありませんか?

自分を置き去りにしていませんか?


老人ホームで暮らす方々の中には、長い人生の中で多くの役割を果たしてきた方がたくさんいます。

母親として、父親として、職業人として、地域社会の一員として。そうした役割に真剣に向き合うあまり、「自分自身」としての時間を忘れてきたという方も少なくありません。

ある日、90歳の入居者様がこんな話をしてくださいました。

「若いころは子どもたちのため、夫のため、そして親のために頑張ることが私の全てだったの。でもね、ふと気づいたら、自分が何をしたかったのか、何が好きだったのかを思い出せなくなっていたのよ」
その言葉に、私も思わず立ち止まりました。確かに、私たちは日常の中で自分を後回しにしがちです。

周囲の期待に応えようとするあまり、気づけば「自分の声」を聞くことを忘れてしまう。介護の現場にいると、それがどれだけ多くの人に共通する課題かを痛感します。

あなたの存在は、誰かにとっての光


「自分を見失ってしまった」と感じる人がいたとしても、その人の存在が他者に与える影響は計り知れません。

例えば、ある入居者様の話です。80代の男性で、妻を亡くし、子どもたちとも疎遠になり、「自分なんて、もう誰の役にも立たない」と口にされていました。

でも、彼が日々ホームの庭で花の手入れをしてくださる姿を見て、他の入居者様が「お花がきれいで元気をもらえる」「庭を見るのが楽しみ」と笑顔で話されることが増えました。

その方も次第に「私のやることにも意味があるんだ」と言うようになり、目に見えて明るさを取り戻されていったのです。

自分自身では気づかなくても、あなたの存在そのものが誰かの支えになっていることがあります。

その意味で、自分の存在をないがしろにしないことは、周りの人を大切にすることにもつながるのです。

自分を思い出すための時間を


もし、今あなたが「自分を置き去りにしているかも」と感じているなら、少しだけ立ち止まってみませんか?

自分が何を感じ、何を望んでいるのかを思い出す時間を取ってほしいのです。

簡単な方法として、こんな問いかけをしてみてください。

  • 最近、心から楽しいと思ったことは何ですか?

  • 自分が「こうありたい」と思う姿はどんなものですか?

  • 誰かの期待ではなく、自分のためにしたいことは何ですか?

これらの問いに答えることで、自分の心の奥に眠っている声を拾い上げることができるかもしれません。

そして、それは決して大げさなことである必要はありません。たとえば、一杯のコーヒーをゆっくり味わうことや、好きな音楽を聴くことでも良いのです。

あなたの存在を大切にすることは、人生を豊かにすること


私たちは誰しも、自分を大切にすることで初めて他者を大切にする余裕が生まれます。

介護の現場では、私たち職員自身がそのことを日々意識しています。入居者様のケアに全力を尽くすためには、自分自身の健康や心の平穏を保つことが不可欠だからです。

このブログを読んでくださっている皆さんも、きっと日々誰かのために頑張っているのでしょう。

でも、その中で「自分の存在」を忘れないでください。それは、決してわがままなことではなく、あなたの人生をより豊かにするための大切な行為です。

さいごに:あなたは大切な存在です


介護の仕事を通じて強く感じるのは、人はどんな状況でも、その存在そのものに価値があるということです。

人生の最期に近づいた方々が自分の存在意義を再発見する瞬間に立ち会うと、私自身も「自分を大切にしよう」と思わされます。

どうか、あなたも自分を見失わないでください。忙しい日々の中で「自分なんて」と思うことがあるかもしれません。

でも、あなたはここにいるだけで、十分に価値がある。そう信じて、自分の存在をもう一度見つめ直してみてください。

自分を思い出すことが、これからのあなたの人生を輝かせる一歩になりますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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