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我が家にコロナがやってきた 0日目(1)

はじまりは日曜日の朝だった。
小6の長男が、調子が悪いとタンクトップ姿で言う。
いやいや、タンクトップで何言ってんだ。もう11月ですよ。
普通の人はもうタンクトップの上に何か着ているよ。
顔がマジだ。
「えーっ」
今日はかねてより行きたくないと言っていた「スポーツ鬼ごっこ」の日。
「はいはい、仮病だね」まだ信じない私。
「体温計…」としゃがれ声でいうので、しょうがなく体温計を渡す。
「ピピピピ」
「38.6」
「!!!!!!」
まじなヤツだ。
「はよ寝な!」と態度をコロリと変え、タンクトップ姿の長男を羽毛布団に押し込む。

「も、も、もしや、コロナ!?」
この2年間全く我が家には来るそぶりもみせなかったコロナが、とうとう我が家に!?
いまだ夢の中にいる夫に言う「長男が熱!」
ガバッ!いつもは夢からなかなか冷めない夫も、待ってましたとばかりに起き上がる。基本平和が好きであるが、波風も好きなタイプである。
「抗原検査キット買ってくるわっ」

買ってきた抗原検査キットは鼻をグリグリするやつ。
長男の大嫌いなやつだ。鼻の粘膜をグリグリグリグリとまわしながら検体をこすりとる。普段さわることもみることもできない未知のゾーンを長い麺棒でこすりとる。想像するだけで痛みが先行し、なんとも苦手。
私は、長男の鼻をこするなんてできない。とにかく人が痛がることは絶対できない。きっと鼻くそくらいしか採取できない。

ここでもちょっかいを出すのが好きな夫が登場だ。にやにやしながら寝ている長男の所へいく。
「キャー!」悲鳴が聞こえた。

結果は、「陽性」。
コロナ確定だ。


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