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夫の秘めたパワーが発揮される 母3,4日目

長男と過ごした4日間は、私にとってとても素敵なひと時となった。
長男を産んでからの12年間、ずっと忘れていた安らぎの空間であった。

1日3回運ばれてくるご飯
私が作っていないのに家中に漂う料理の香り
好きな時に目を閉じて眠れる幸せ
常に温かい羽毛布団に包み込んでもらえる
テレビは見放題
かたづいていく積読本
顔は洗わなくてOK(洗面所をウィルスでよごしちゃいかんから)
服もきがえなくていい(洗濯物を増やすといけない)
どこにも出かけなくていい
大好きな息子と24時間一緒♡

こんな生活が待っているならいつだってコロナウェルカム~
主婦はどうしても気になる。
部屋にくつ下が落ちていたらひろってしまう
常に夕食をつくる時間を計算して行動してしまう
はみがきをしながらも鏡をふいてしまう
など、数え上げればきりがない量の家事をずっとしている。
ずっとしていないと気が済まないのだ。

でもどうだ!
この6畳もない部屋は。そして、寝る以外に何も予定はない。
時間も家事も仕事も何も気にしなくていい。

でも、この家から、その主婦の役割がなくなるわけではもちろんない。
交代選手が必要だ。
そこで、夫の登場である。
いつもはごろっと横になってスマホを眺めているのがパパと定義されている。
でも、今は常に忙しく歩き回っている。
ごはんの準備、台所の片付け、掃除、洗濯物干し。
いつのぞいても家事をしている。

「まぁ~大丈夫?大変だね。頑張って」
普段苦労してもでない労いの言葉もすんなりと私の口からでる。
外で頑張っているとは思うのだけど、家でこんなに働く父親をみるのは”初♪”である。

なんとまぁ、何でもできるのだ!洗濯掃除料理時間管理買い物献立…
私が奪っていた、彼の仕事を。できるやつだったのに!!
私の有能さが、彼を無能にしていた。
なんてこった。自分の有能さを恨む。

新しい父親の発見に驚愕しつつ、夢の4日間はすぐ経過した。
サッカーを観たり、ヒューマンフォールフラットという謎のゲームを一緒にしたり、冗談を言い合ったり…楽しかった!

明日から、長男は学校にいく。
巣から旅立つ子どもを見送る気分だ。嬉しさよりさみしさが勝つ。とてもさみしい。
子ども用の二段ベッドの上で、親の切なさを思いながら夢の世界へ誘われ、息子のコロナ闘病は幕を閉じた。

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