0328.同じ夢をみた
俺の職業はほとんどが車の運転だった。トラックとタクシーとトレーラー。そして、いまだにそれらを運転する夢をみたりする。
送り状を忘れて、どこに行くのかもわからないままトラックを走らせる俺。運転席のシートを倒したままで、前が見えないのにタクシーを運転する俺。
狭くて曲がり角が多くて絶対通り抜けられない道にトレーラーで入り込んでしまった俺。
そんな危機一髪な夢をよくみる。だいたい途中で目が覚め、ホッとする。
しかし、“そんな夢をよくみる” というけれど、本当に何回も同じような夢をみたのだろうか。
ゆうべも、幾度となくみたことのある夢をみた。
俺は、ざっくり言うと以下のように勤める会社を替えてきた。
①A運送会社、トラックドライバー、4年半.
②Bタクシー会社、タクシードライバー、5年.
③Cタクシー会社、タクシードライバー、4年半.
④D運送会社、トレーラードライバー、9年半.
Bタクシーは東京のチェッカーキャブグループの会社であり、Cタクシーは同じく東京の東京無線グループの会社である。
夢の中での俺は、トレーラードライバーをしながらも、チェッカーキャブでも東京無線でもないタクシー会社に籍を置いていることになっている。そして、トレーラーで走らなければならないのに、タクシーの出番の日が来て困っているというシチュエーション。
小泉純一郎氏の規制緩和で新規参入のタクシー会社が増え、タクシーの売り上げが下がってドライバーの収入が減った。なので、Cタクシーに勤めながらフルキャストに登録して、明けの日に日雇いアルバイトをしていた。フルキャストは、Cタクシーを辞めトレーラードライバーになってからもしばらく続けていた。そんな苦しかった状況があって、夢をみさせるのだろう。
今日未明、目が覚め、“トレーラードライバーをしながらもタクシー会社に籍を置いている夢” を、またみたなと思った。
しかし、それは本当か、またみたのか?
もしかしたら、“またみた” というところまでが夢で、“トレーラードライバーをしながらもタクシー会社に籍を置いている夢” も、実は初めてみたんじゃないのか?
送り状を忘れたのも、運転席のシートを倒したまま前が見えないのにタクシーを運転するのも、絶対通り抜けられない道にトレーラーで入り込んでしまったのも、以前にそういう夢をみたと思うだけで、目が覚める直前に付け加えられた “無かった事実” なんじゃないのか?
note に書いておけば、次回 、真偽の判別がつくのではないか。
柳 秀三