0316.背中が痛すぎる
今日は、A病院で、腹部エコー検査と上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受ける日だった。腹部エコー検査が午前 8時30分、上部内視鏡検査が 9時20分。家を早くに出て、7時半に病院に着いてしまった。
腹部エコー検査は腹と胸を出してベッドに寝転がり、検査技師がヌルヌルしたジェルを塗ったスキャナーを腹に当ててくる。このスキャナーが脇腹に移動してくるとくすぐったくて、痛いよりも辛い。ケタケタケタケタと笑い出してしまいそうになるのを我慢するのも辛い。
前年まではそうだったが今年は違った。腰というか背中というか、痛いのである。手をバンザイして仰向けに寝ていて、体のどこかに力が入るだけで痛い。そこで、さらに検査技師の「息をいっぱい吸って止めてー、はい楽にして―」に従って息を吸うと、背中の奥がもっと痛くなる。笑うどころではない。途中左向きの横寝になるのだが、同じ位置で横寝になるわけだから体を捻らないといけない。これが辛い。
「腰が痛いのでゆっくりやらせてください」と技師に言って、「イテテテ」と言いながら左を向いた。全部終わってベッドから起き上がるのがまた大変。体の内部のどこだかわからない部分が痛いのだから恐怖である。もしかしたら、この腹部エコーで、骨とか神経じゃなく内臓の異状が判明したらと思うとなおさら怖い。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は、終始左向きの横寝のままなので楽である。しかし、今回、いつもの内視鏡の操作の上手い Ya医師がいるにはいるが、別の若い技師が俺を担当した。うん、やっぱり注射器での採血で上手い下手があるように、内視鏡にもある。この技師は Ya医師ほどには上手くない。喉に麻酔が効いているのに、オエッ感があり、むせた。とはいえそんなには悪くもなく、俺も落ち着くとモニターで自分の消化管の内部を見る余裕ができた。いくつか消化管の内壁にアレっと思うところがあり、そういうところは技師が写真を撮っていた。
検査が終わり、あふれた唾液は看護師さんにちょっと拭いてもらっただけで済み、若い技師はそんなに下手ではなかったのかなと変なところで感心してしまった。ここでもまた、ベッドから起き上がるのに強い痛みに苦しんだ。技師さんと看護師さんとに助けてもらって上体を起こしてベッドに座った。ところで、内視鏡検査のときに看護師さんが背中を軽くトントンしてくれるのは、アレは効く。不思議と苦しさが和らぐ。看護師さんありがとう。
技師さんの説明では、食道と胃の境目に多少の荒れがあり、食道は異状なしで、胃は荒れていますとのこと。なので俺は、腰痛で整形外科で出してもらっている鎮痛薬アセトアミノフェンのせいかなと言ってみた。すると、そうかも知れません、胃を護る薬を処方してもらった方がいいですねのこと。俺は明日の診察のときに担当の Wa医師に相談してみますと答えた。
靴を履くときに看護師さんが靴ベラを差し出してくれたのだが、ハンズフリースリップインのスケッチャーズなので、靴ベラも手も要らず、スッと履ける。それをやってみせてちょっと自慢げな俺。
ともかく、医師からの説明は明日。会計を済ませてA病院を後にした。ご近所ローソンで食べ物を買って帰った。朝食抜きなので腹が減ってクタクタである。自分の朝食ののり弁と、自分と母親の分の昼食の塩にぎりとコロッケを買った。10時半に家に着きすぐのり弁を平らげ、続けざま 12時に昼食で塩にぎりとコロッケを食った。
なにかひどく疲れていて眠くなり、自室のベッドに横になりたかったが、ベッドに横になると背中や右腰が痛むことへの恐怖がある。本日未明も、背中や腰が痛くて目が覚め、ベッドに横になるより起きてしまった方が楽なので起床してしまい、だから、A病院に早く着くことができた。
午後 3時ごろ、あまりにも眠いので意を決して 2階の自室に上がり、ベッドに横になった。眠いし眠れるはずなのに、やっぱり背中と腰が痛い。今朝と病院と同じにどこかに力が入ると痛い。体幹ではなく腕や脚を上げ下げしても痛い。
辛いので、午後 4時半ごろに起きた。気分が乗らず何もやりたくないので、夕食はデリバリーピザ。午後 5時50分に配達員さんが持ってきてくれた。
俺「雨の中、注文するか迷ったんだけど、ごめんなさいねー」
彼「あ、そんなこと気にしないで注文してください」
俺「ありがとう。気をつけて帰ってねー」
笑顔の配達員さんに、ちょっとだけ気持ちが明るくなった。
柳 秀三