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【ブラームスが大好き】#4 チェロソナタ第1番ホ短調


偏愛するブラームスくんについて語る、終わってなかったシリーズ😂です。前回昨年4月投稿(おーい!)の#3に続いて。。

本日ご紹介する曲はコチラ
演奏は伊藤悠貴くん 演奏時間23:12

チェロとピアノが奏でる室内楽。
 

タイミングの合う方、よろしければお聞きください。
冒頭1分で曲の雰囲気を感じていただけます。

最初の交響曲完成までに21年もの歳月をかけ、完璧主義と言われるブラームスくん。

 

ベートーヴェンやハイドン、シューマンなど先人の影響をしっかりと濃く受け止めて作曲しているという部分もありながら 


このチェロソナタは初めて聞いたとき、
暗い曲調ながら、まるで即興みたいに自由、と感じました。
 

短調の暗い曲で自由…

なんかよくないですか?

人間社会で「暗くて自由」となると、理解されづらい、オマエいい加減にしろ引かれるかも…

なんて思ってしまうけれど

音楽って懐が深くて、

自分が聴きたいときに訪れれば、暗いところでも、浸りたいときに、思いきり浸って、そこで自由にしていられるのです。

負の感情にまみれることがあってもいいんだよ、と受け止められているようです。

そして浸りたいたいだけ浸っていたら、
そのうち曲調が変わって来たりする。 

深く昏い海に潜ってから浮上する、差した光を感じにいく、みたいに。。

なんか言ってること分かりにくいかな😂



このチェロソナタはブラームスの生涯で、「ドイツレクイエム」作曲と近い頃であり、彼の母親が亡くなった32歳のときの作品です。

10代の終わりにはチェロソナタを作曲し始めたと言われていますが、 


完璧主義で自己批判が強かったブラームスは気に入らない作品はボツにして完全に楽譜を捨てていたというエピソードが残っています。 

交響曲第1番ほどの年月ではないですが、書きはじめてから13,4年(とはいえ長い!)、やっと世に生み出されたチェロソナタともいえます。



実際どんな心持ちで作曲したかは分かりませんが、

時に「作りたいのはこんなもんじゃない、苦しんでるんだー、もっと上手くやりてーよー、もっとー」


なんて自分に厳しくしてたのかなあと思うと、聞きながら苦しくなるときもありますが、


そんな厳しさを胆力で持ちこたえながら、作品として昇華させたブラームスくんの情熱に感服します。

生涯で2つのチェロソナタを作曲していますが、2番は明るく自由(笑)また全然趣が違います。



同時期に作曲された「ドイツレクイエム」で大成功を収めたブラームスくんですが、その詩の中にこのような言葉があります。

かなしんでいる人はさいわいである
かれらはなぐさめられるであろう
なみだをもって種まく者は
よろこびの声をもって刈りとる

ブラームス「ドイツレクイエム」より


レクイエムの歌詞として聖書から選ばれた言葉たちの冒頭部分です。


深いかなしみを知るからこそ、深い愛や喜びを感じとれるということでしょうか。


最後までお読みいただきありがとうございました。