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世界一の夜景が見える場所、ボリビア・ラパス

「世界で一番美しい夜景」と聞いて、思い浮かべる場所はどこでしょうか?

ニューヨーク、パリ、香港…きらびやかな都市の夜景が候補に挙がるかもしれません。

私にとって、その称号を与えたいのは、ボリビアの首都ラパス。

一見、ラパスは南米の普通の都市。ですが、夜になるとこの街が一変します。丘の形状を活かしたすり鉢状の街全体が、まるで宝石のように光り輝くのです。


ラパスの街のユニークな景観


ラパスの地形は、まるで大きな碗のように広がっていて、丘の下から頂上までの標高差は数百メートルにも及びます。 日本だと、丘の上には高級住宅地があることが多いですが、ラパスでは逆で、丘の低い場所が富裕層のエリア、そして、標高が高くなる丘の上に向かうほど、貧困層のエリアが広がっていきます。


なぜこのような逆転現象が起きているのかというと、標高の影響で酸素濃度が変わってくるから。ラパスでは、丘を登るたびに空気が薄くなり、息苦しさを感じることさえあります。街の中心地である丘の下にはまだ立派な建物が多いですが、丘を上がるにつれて、トタン屋根の簡素な家が目立ち始め、ラパスの経済格差が目に見えてくるのです。


視界を360度包み込む夜景


そんなラパスで、日本人宿に滞在していたある日、他の宿泊者に「夜景が綺麗だよ」と教えてもらいました。

疲れた体を起こし、屋上へ向かうと、そこには私がこれまで見たことのない圧倒的な光景が広がっていました。

少し前に訪れたニューヨークのエンパイア・ステート・ビルから眺めた夜景も素晴らしかったです。
しかし、それをも凌ぐ感動を、ラパスの夜景が一瞬で更新したのです。すり鉢状の地形のおかげで、目の前の360度全方向に煌めく夜景が、私をぐるりと包み込んでいるように感じました。まるで映画『インセプション』のあのワンシーン、ニューヨークの街が夢の中で逆さまにひっくり返る瞬間のように、視界全体が光に包まれる感覚です。


懐かしく、温かい光


ラパスの夜景がさらに特別なのは、その光の色。 現代的な都市と違って、発展途上の街であるラパスの夜景はLEDではなく、オレンジ色の裸電球が多く使われています。その昔ながらの温かみのある光が、なんとも言えないノスタルジックな雰囲気を醸し出し、宝石が瞬くように輝いていました。


写真では伝わらない、美しさ


ラパスの夜景をネットで調べると、美しい写真がたくさん出てきます。しかし、実際にその場に立って見る夜景は、写真とは比べものにならないほどの美しさ。言葉や画像では伝えきれない、唯一無二の光景が広がっています。ウユニ塩湖も魅力的な場所ですが、私はラパスの夜景を見るためだけに、もう一度ボリビアへ行きたいと心から思っています。


もしかしたら、今は発展して、景色も少し変わっているかもしれません。けれど、あの夜、ラパスの夜景に包まれた瞬間は、今でも私の心に鮮明に焼きついています。


Google画像検索で『ラパス 夜景』を調べて直してみたけど、実物の美しさにはやはり遠く及びません。

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