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宗教や信仰についての雑記 #208

◯観測

近年、気象に関するニュース等で「観測史上初」という言葉を見聞きすることが多くなったようなきがします。

これは温暖化の影響もあるのでしょうが、その一方で、観測地点の増加や観測機器の精度の向上等による面もあるのかもしれません。
つまり、観測対象の変化と同時に、観測者側の変化による面もあるという、「認識の相対性」があるような気がします。

また、観測精度向上のための技術開発や観測機器の製造・運搬にはそれなりの経済的な基盤が必要です。そしてそのための経済活動の結果、温暖化ガスが排出されている、つまり、観測することが結果的に温暖化の一端を担っている、という円環も存在しているようにも思えます。

観測すること自体が観測対象に影響を与えてしまうことを、「観測者効果」というそうです。
この言葉は、我々が世界を認識する際に、観測者としての私たちの存在が、認識そのものに影響を与えている可能性を表しています。

「認識の相対性」や「観測者効果」は、我々が「客観的な事実」とか「絶対的な真実」とか呼ばれるものについて、それらを無批判に信じることへの警鐘を鳴らしているような気がします。

そもそも観測や認識をする主体が存在しなければ、観測や認識ということも成立しません。
そのことは、我々が自他を観るときに、より複眼的に観ることを要請しているように思います。

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