見出し画像

ヒーラーとゴキブリ

世の中には「ヒーラー」と呼ばれる、あるいは自称する人が多くいるようですが、先日、沖縄の方言では「ヒーラー」とはゴキブリのことだという話を聞きました。
これら二つの「ヒーラー」には何の関係もないのでしょうが、個人的に少し興味が湧きました。

まず、ゴキブリは元々熱帯地域に生息していた昆虫だそうです。それがやがて、野外種から食べ物に困らない人間の住環境に進出し、完全に適応する種が現れ、そして交通網の発達や暖房設備の急速な完備により、本来生活できない寒冷地へまで分布を広げたようです。

ゴキブリは世界中に4000種以上いるそうですが、害虫と考えられるゴキブリの種類はそのうち1%にも満たず、ゴキブリの大半は現在でも森林内に生息しているとのことです。
それらのゴキブリは昼間は朽ち木や落ち葉の陰にひそみ、夜になると出歩いて菌類、樹液、朽ち木、動物の死骸や糞などを食べているそうです。
ゴキブリはそのような食性から森林内のスカベンジャー(清掃動物)とみなされることもあるようです。スカベンジャー(清掃動物)とは、他の動物の死骸や、食べ残しなどを食べて生態系をきれいに保つ動物のことを指します。そのような意味でゴキブリは、森林生態系において重要な役割を果たしている種の一つなのでしょう。

一方、「ヒーラー」と呼ばれる人たちは、一般的に、スピリチュアルな力やエネルギーを使って、心身に不調を抱えている人々を癒し、健康な状態へと導くことを目指している人たちのことです。

ヒーラーには様々な種類の手法を用いる人がいるようで、その主なものは以下のとおりです。

・スピリチュアルヒーラー:スピリチュアルな能力を使って癒しを行う
・エネルギーヒーラー:エネルギーの流れを調整することで癒しを行う
・ボディヒーラー:マッサージなどの手技で体の不調を癒す
・心理ヒーラー:心理学的な手法を用いて、心の傷やトラウマ、精神的な問題を癒す
・自然療法ヒーラー:ハーブ、アロマ、フラワーエッセンスなど、自然界の力を用いた療法で癒しを行う

以上のように様々なヒーラーがいるようですが、見方によってはそれらの方々は皆、人の中の汚れたものや良くないものを取り除いてきれいにするという面で、心身のスカベンジャーとしての重要な役割を果たしているとも言えるのではないでしょうか。
無論、中には適当なことを言って高額な代金を請求する悪質な人もいるのでしょうが、それも全体の1%にも満たないのかもしれません。

そう考えると、「ヒーラー」と呼ばれる人たちも、ゴキブリと共通するところがあるようにも思えます。
でもやはり、「ヒーラー」の方々に「ゴキブリみたいですね」などと言ったら、怒られるのでしょうね。
でも、その怒りの背後には、レッテルによる偏見ということがあるのかもしません。我々は表面的なレッテルに惑わされず、物事をより正確に理解する必要があるのではないでしょうか

いいなと思ったら応援しよう!