宗教や信仰についての雑記　#199

◯ヒーロー&ヒロイン

先日の投稿（#186）で、最近テレビで、日本のアニメのコスプレをした外国の方々の姿を見ることがしばしばあります、と書きました。
私はコスプレをしたことがないのでよくわからないのですが、そこには、そのヒーローやヒロインと同一化したいという願望があるのでしょうか。

そので、ヒーローやヒロインが象徴するものを調べてみたところ、以下のようなものがありました。
・善と悪
・自己犠牲と勇気
・希望と変革
・克服すべき試練
・理想や普遍的な価値観の具現
・文化的なアイデンティティ
・人間性の探求
ヒーローやヒロインに求められるものは、時代や文化によって微妙に異なるようですが、上記のような事柄は共通するようです。このような普遍的な価値に人々は惹きつけられるのでしょう。
そこには聖なるものを求める心と通じるところがあるような気がします。

また、ヒーローやヒロインと似たような言葉に「主人公」も言うものがありますが、この言葉は禅語にも観られます。
禅語の「主人公」は、中国唐代の禅僧である瑞巌和尚の逸話に基づいています。
瑞巌和尚は、毎日坐禅をする際に、「主人公よ！」と自分に呼びかけ、「はい」と自ら返事をしていて、さらに「目を覚ましているか？」「人に騙されるなよ」などと問いかけ、「はいはい」と答えていたそうです。

この場合の「主人公」とは自分の中にある「真の自己」のことらしいです。この「真の自己」とは何か、はっきりとはわからないのですが、我々の内に秘められた「仏性」、あるいは、キリスト教の言う「聖霊」に近いものなのかもしれません。

人々がヒーローやヒロインに憧れ、惹きつけられるのも、人の魂の内にある「真の自己」の働きがあるからなのではないかと、そんな気もするのです。