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宗教や信仰についての雑記 #207

◯真社会性動物

前回、赤の女王仮説について書きましたが、「女王」という言葉から「真社会性動物」を思い浮かべました。

真社会性動物とは、高度に分化した社会構造を持つ動物のことで、繁殖、子育て、食料調達、防衛等の役割の分担が高度に進んだ社会を構成するそうです。
つまり、蟻や蜂、ハダカデバネズミ等といった、所謂「女王」と呼ばれるメスのいる動物種のことです。(ちなみに映画「エイリアン2」も真社会性動物としてエイリアンが描かれています。)

この真社会性動物は、効率的な繁殖や食料調達、外敵に対する強固な防御等のメリットを持っているそうです。
しかしその一方で、コロニーの全ての個体か女王の子なので遺伝的な多様性が低く、環境の変化に脆弱なこと、密集したコロニーを形成しているので、病原菌や寄生虫等に一度感染すると瞬く間にコロニー全体に蔓延してしまうこと、といったデメリットもあるようです。

このことは宗教の教団にも当てはまるように思えます。
ある特定の教義や人物を崇拝して団結することにより、その教義や教団の規模を効率的に広げたり、外部からの攻撃に対して強固に防御したりすることができるかもしれません。
しかしその一方で、その中心的な教義や人物に基づく何らかの判断を誤ったときに修正が効かなかったり、教団を取り巻く社会環境が変化しても、それに上手く適応できなかったりするような気がします。

何事も完全ということはおそらくないのでしょう。どのような物事にも、メリットとデメリットの両方があるのだと思います。自分自身についてもそのことを客観的に観られる眼を持ちたいものです。

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